過去の事についてはなるべく簡潔に話したいと思う。
僕、中村まことは15年前の22歳の時、地元の中華料理屋チェーン店で働いていた時に
おなじバイト仲間の女性に片思いをした事があった。
相手は僕より3つくらい上だったと記憶している。その時、僕がなんとか勇気を出して告白してみたものの、、、結果は散々だった。
付き合うのか、付き合わないのかという答えを曖昧にされたまま。。。。その相手は某巨大ネットビジネス団体の活動をする人物であり、当時の俺も見事にサプリメントやら、キッチン用品やら、、あらゆるものを売りつけられる結果に終わってしまったのだった。
以上、簡潔にまとめてみた。
その当時だけで相手女性に騙されながら40万円近くの金銭をその団体に費やしてしまったと思う。それ以来僕は、二度とマルチ商法や詐欺といった類に敏感になるのは当然の事で、今の37歳になるまでは騙されることはおろか、ワンクリック詐欺、ワン切り、スパム、あらゆる詐欺行為に遭遇したが、年齢を重ねていくと同時に「逆にこっちから電話をかけて相手をおちょくってやるくらい」になっていた。
とはいってもここ数年は老人相手の詐欺撲滅の呼びかけや、オレオレ詐欺というものも影を潜め、ひと昔前ほどインターネットでエロサイトをクリックした瞬間、とつぜん「入会ありがとうございます。50000円をお振込みください」みたいな会員ページに飛ばされるという事も少なくなったと体感してはいるが、、、また僕の前にやってきたんだ。15年前に騙された、あのカルト的な販売行為で有名なマルチ団体の活動をする人物が。。。
もちろん15年前の相手とは別の人物であった。その相手は以前の職場のコールセンター部門で派遣社員として働いている20代前半の女性だった。その女性は働いている部署が違うので直接、顔を合したりする関係ではなかったものの、ちょっとしたトラブルで客先にクレーム処理に行くときに同行する事となり、移動中の車内で相手がネットワークビジネスの関係者である事を知ったのだった。
もちろんその当時は僕も部署は違えど同じ会社で勤めていたのでネットワークビジネスの話を持ち掛けてくる事はなかった。が。。僕が会社を辞めて今の会社に転職し、数か月たった後に「中村さん、仕事やめっちゃったのですか!?」なんていうラインが入ってきたんだよね。
なんとなーく(嗅ぎつけてきたか・・・)と思った。
そして僕の予想はドンピシャだった。かいつまんで言えば、相手のほうから「一度会ってお話したいです」みたいな事を言ってくるのである。
15年前の時も同じだった。あの時は僕のほうから接触していったが、結果「とりあえず二人で話しようか」と喫茶店での二人っきりの対話に持ち込まれたのを思い出したんだ。
僕は「そうだね、会ってお互いの近況報告でもしますかw メシでも行きましょうw」と相手からの話に乗った形で返事をした。(そして喫茶店で会う事がきまった)
とりあえず相手とか女というのもアレなんで名前でも付けますか。なんでもいいので適当に「嶋田」とでもしておきましょう。(実在するすべての嶋田さんごめんなさい)
その嶋田、、なる人物は僕の目の前に現れた時、15年前を彷彿させるいで立ちで登場してきたのだった。なぜか・・15年前の女と同様、タイトなミニスカートのリクルートスーツなのである。
リクルートスーツを着てきたのは偶然か、あるいはその団体の指導方針によるものなのか、今はさておきとしよう。リクルートスーツ効果というのもあるのかもしれないが、端整な容姿をしている子であった。
身長も普通160cmくらい。体重も45キロ~50キロくらい? 形のいい胸もはっきりと見て取れて、細いウェスト、小ぶりなおしり、細いふくらはぎ、なにより艶のある黒髪に男コロシのポニーテール姿で現れた時は内心(このスタイルしたら、男がコロってなるって狙ってんだろうなwww)と思った。内心、そんなふうにほくそ笑みながらも、「おw 今日はリクスーですか。どこか営業でもいってたの?w」と聞いたら「いえいえ、田村さんと会うのに一応、正式な恰好してきたほがいいかなと思って・・・実は・・・w」
と例のごとく取り出したのは、高品質な紙で印刷された商品カタログだった。「この会社、、しってます・・?」なんて僕に聞いてくるのであった。
僕「ほう。この会社がどうしたの?」
嶋田「私、副業なんですけど、この会社の商品をいろんな人にお勧めする活動をしているんです」
僕「へー、そうなんだ。どれどれ、何が売ってるの?」
カタログの中は15年前とまったく変わっていなかった。その団体の主力商品である、科学の粋を集めたというサプリメント、プロティン。それから技術のすべてを集めた洗剤、機能性を完全追求した鍋やフライパンのキッチン用品、あとは机やら椅子やらベッド等の家具類。
僕「どれもこれも、なかなかいい商品ぽいのは伝わってくるなぁ」
嶋田「ですよね!特におすすめなのは洗剤なのですけど、田村さんは普段、どんな洗剤を使ってます?」
僕「洗剤は普通にスーパーの使ってるけどねぇ。一番安いやつw」
嶋田「あー、なるほどw でもそれって使ってて不満に思ったりする事ありません?w」
僕「洗剤に不満。。あんま感じた事ないかもw」
嶋田「それはウチの洗剤を使った事がない人は皆そう言うんですよw」
・・・という具合に嶋田の営業トークに熱が入ってきたのだった。それから嶋田は僕が話を聞いてくれる奴と判断したのか、延々と洗剤の話から始まり、サプリメントの話へと移行し、最終的にはマルチ商法団体の活動内容や、どれだけ団体が国際社会に貢献しているか等をマシンガンのように話していくのであった。
僕(おもろwww 15年前のアイツとまったく同じwwwww そのうち洗剤のデモンストレーションの為に家に来たいとか言うんだろうなwww)
僕「まー、色々話してもらったけど中でも洗剤が気になるかなぁ。」
嶋田「さすが田村さんw いいとこに目をつけましたね。この洗剤はこの団体が大きくなった先駆けのような商品なんですけど、うーん、そうですね、もしよかったら実際にどれだけ効果あるのかとか見てみません?」
僕「効果?どうやって?」
嶋田「科学的な実験なんですけど、ちょっと準備とかあるので今日は無理なのですが、いちど自宅におよばれして実験キットを使わせていただきたいんです」
僕「え、俺の家にくるってこと?」
嶋田「はい。家の水道の水だけお借りできればと思いますw 他は全部私が準備するのでw」
僕「まーいいけど、いつ来る?こっちは今、土日が休みの仕事しているもんで週末なら問題ないんだけど?」
嶋田「えーと、、週末でしたら・・(スケジュール手帳をペラペラめくる)お!来週末ならオッケーですよw」
僕「わかった。来週ねw 楽しみだなその実験w 科学とかけっこう興味あるからな俺w」(ないないw 嘘w)
嶋田「へー そうなんですかw じゃ来週にお邪魔しますねw」
僕「あ、リクエスト聞いてくれていい?w」
嶋田「はい?」
僕「来週もその恰好できてw 俺的にちょうグッドw 可愛すぎるからw」
嶋田「はーいw わかりましたw」
そんな感じで相手の策に乗ってやっている僕がいました。嶋田からすれば僕なんて、「独身男が金を持ち余して、ちょっと色気を出せばコロっと契約書にサインする奴」くらいに思っている事でしょう。
しかし僕は15年前のはらわた煮えくりかえる忌々しい記憶を呼び起こした、当時と同じ団体、同じ手法で僕に接近してきた人物であり、相手の魂胆はすべて丸みえ。最初、話にのったフリをしてコッチからも法外な要求をして困らしてやろうと考えているにすぎません。
そして当日、僕は客間というほどのものでもありませんが、住んでいる独身アパートのリビングに位置する場所に、やや大きめの四角いコタツテーブルを用意しました。(コタツではありません。ただのテーブル)
そして、そのテーブルの裏に小型のハンディカムカメラをテープで取り付け、嶋田がくるまでの間にデモで録画撮影し、太陽の方向、カメラのズーム調整、その他あらゆる調整をし、嶋田がこの位置に座れば、完璧にパンチラを射程内に収める事が可能な位置を割り出していったのです。
他にも録画中にもしビデオカメラから万が一、「ピン♪」等という電子音が出た場合、(出ないように設定していますが)の事を考慮し、テーブルの脇にはDVDデッキ、空気清浄機を設置し、「お。。フィルター洗浄のサインか」とかいって電子音を空気清浄機のせいにする保険も作っておきました。(結果、音はでませんでしたので保険を使う機会はありませんでしたが)
そして程なくして嶋田や現れました。
僕「おー、いらっしゃいw あwちゃんとリクエストに応えて来てくれたんだw」
嶋田「はいw 前と同じ服でごめんなさいw」
僕「いえいえリクエストしたの俺だからw どうぞ。ここ座ってww」
(既にビデオカメラは録画モードで動いています)
そして嶋田は「では早速なのですがー」と大きめのカバンから大きめの洗面器やガラスのプレート、マルチ団体の洗剤と、市販の洗剤、スポンジ、あと薄汚れたエンジンオイル?みたいな液体を準備しだしたのです。
僕「けっこう本格的なんですな」
嶋田「では水をお借りしますね。」(といってキッチンに行ってボトルに水を入れる)
それから嶋田は四角いガラスプレートの中央全体に薄汚れたエンジンオイルのような物質を付着させ、右側半分に市販の洗剤をタレ流し、そして左半分にマルチ団体の洗剤をタレ流し始めた。すると効果はすぐに見て取れた。たしかに市販の洗剤はかるくエンジンオイルのようなものが剥離しただけだったが、マルチ商法の洗剤は100%ではないが70%近くのオイル汚れを剥離させていた。
そして仕上げにキッチンで補充した水道水をまんべんなくガラスプレートにかけると、マルチの洗剤からは90%ちかく油汚れが剥離していき、市販の洗剤のところにはまだ半分近く油汚れが残っていた。
嶋田「これが・・・当社の洗剤の効果ですw」
僕「おおwww すげーwww」
嶋田「さらに洗剤の原液を水で薄めて使うので、キッチン用洗剤であれば市販の洗剤の何倍も使えますし、結果としてコスト削減にもつながるんですw すごいでしょ?w」
僕「確かに、それはそうだなー。買おうかなーw」
嶋田「でね、、購入というお話なんですが、、実は購入するイコール、当社の会員になるという事なんです。」
僕「ほう。ただ客として買うだけじゃだめなの?」
嶋田「それでもいいのですけど、もし田村さんさえよければ一緒に商品を宣伝する活動をしてほしいなってw」
僕「ふむふむ」
それから嶋田は、また延々と商品購入をきっかけにマルチ団体の会員になった後、今度は僕が誰かに商品を売った場合、何パーセントのインセンティブがあるとか、まさにマルチ商法丸出しの話に入っていったのである。
そしてここから僕の真骨頂が始まっていった。
僕「いやー、そこまでは考えてないなぁ」
嶋田「そうですか。。。」
僕「正直な事いっていい?」
嶋田「はい」
僕「確かに洗剤の効果はすごいと思う。実験でみた通りだし、これを水で希釈していけば市販の洗剤よりも量がとれるしコスト削減にもなる、これは認める。でも、、」
嶋田「でも・?」
僕「他の商品ははっきりいって胡散臭く見えるかな・・w」
嶋田「え、、何が胡散臭くみえるんですか?」
僕「いやだって、鍋とかフライパンとか、しいてはベッドや机なんて、それこそどれを使っても一緒でしょwww って思わない?w」
嶋田「でも使う前からそう決めつけるのもどうかと・・・」
僕「いやいや、でも使ってから判断しろっていうなら、何を買うにも全部買ってから文句を言えという理屈にならない?買う前から商品についてあれこれ考えるのが消費者としての権利では?」
嶋田「でも、胡散臭いというのはおかしいと思います」
僕「じゃ、別の形で質問するけど、嶋田さんはこのカタログの中の商品を全部!自分で買って、どんな商品から試した上で僕に進めてきているわけ?」
嶋田「うーん、全部という訳ではないですが、もちろん自分でも使った上で人に話をするようにはしています」
僕「で、、、嶋田さん的にはこの会社の商品を使えば、、生活が豊かになる。と言ってたよね?」
嶋田「はい。言いました」
僕「それって、物質主義っていうただの人間の信条なんですよ。僕からすれば」
嶋田「はい」
僕「僕は物質の豊かさもそうだけど、精神的な豊かさも同時に欲しいなっていうか。どっちにも偏りたくないんですよ。物質だけにも、かといって宗教みたいに精神主義だけ追い求めるのもどうかと思うし。例えばマルクスは・・・」
嶋田「はい!ここで質問!」(いきなり話を割ってくる)
僕「どうぞww」
嶋田「マルクスは資本論という本を書いたのはご存じですよね。そのマルクスが言ったのは、全てのものはお金で換算できるって言ってるんですね。」
僕「そこまでは詳しくないけどwww (嘘w それくらい知ってるw)
嶋田「ほら、知らないんじゃないですか。じゃなぜさっきマルクスっていう名前だしたの?」(ドヤ顔)
僕「いや、俺はただ単純に共産圏の考え方とか中国の経済がて言おうとおもって・・・」
このやりとりもすべて計算済み。なぜなら15年前の女に連れられたその団体が運営する経済セミナーでちょうど、マルクスの資本論の話が出ていたから、まさか乗ってくるとは・・wwというとこ。ただ相手をムキにさせただけなんだがw
中略
僕「わかったわかったww じゃ、良い品質、良い商品の中で生活をする。それが幸福につながる。その理屈は分かったw」
嶋田「ですよね。わかってくれてうれしいです」(かなりムキになっているw)
僕「で、さらにあらゆる商品はお金で換算できる。という理論もわかったw」
嶋田「マルクスの話ですね」
僕「ではこう考えてほしんだ。僕がこのカタログの中にある、、そうだな。。調理器具セット(5万円)を購入を考えている。同時に・・・」
嶋田「はい」
僕「極端な例だけど、同時に今嶋田さんが履いてるパンツも売ってほしい。だってお金に換算できるんでしょ?言ったよね?なんでもお金に換算するって?」
ここらへんが僕の真骨頂でした。ここに来るまでに、様々なヤ〇ザ、詐欺団体、自称、弁護士等と電話で相手をおちょくりまわし、コケにしてきたという、(ある意味、性根の曲がったww)僕です。今更、過去の仕事でちょっと顔を合せたくらいの嶋田という人物から今更何を思われようともどうでもよかったのです。
嶋田「それとコレとはまた別の話じゃ・・」
僕「え、そうか? 「なんでも」っていったのね? カタログにある商品と、カタログ以外の商品には何か明確な差があるの?「なんでも」っていったよね?撤回する?」
嶋田「撤回なんてしませんよ。でもハラスメント的な要素を含んでいるじゃないですか。下着を売るだなんて」
僕「うん。そのハラスメント要素を考慮した金額が、その商品の金額なんでしょ?風で飛ばされ道端におちてる老人のデカパンには相応の金額はつかないですよね?嶋田さんが、今着用してて、だからこそ・・・相応の金額がつくんですよね?」
嶋田「それはこじつけだと思いますが」
僕「いえ。「なんでも」という解釈はこうだと思いますが。。では撤回という事ですかね」
嶋田「撤回はしません」(ますますムキになってるw)
僕「まーいいや。これ以上、この議論は。なら嶋田さんのパンツを2万円で買い取ります。同時にキッチン用品セット5万円も同時に購入します。」
嶋田「え、、」
僕「何か困りますか?俺はただ嶋田さんの理論に従って、今ほしい「物質」に対して「値段」をつけさせてもらっただけですが?」
僕「そうだなー。パンツは2万円、ブラは1万円、条件として目の前で脱いでもらう。そしてくれたらキッチン用品だけでなく、ベッドと布団も買おうかな。見ての通り鍋はボロボロの使ってるし、ベッドもガタがきてるからね」
嶋田「本気でいってます?」
僕「うん。目の前で契約用紙にサインするよ?」
嶋田「・・・ちょっと考えさせてください」
この議論中、嶋田はムキになって何度も足を組みなおし、何度も前のめりになったり座ったりを繰り返していた。ビデオにはきっと、、いい絵が取れてたと思うが、その話
また次回w
続いていい?