大学受験に失敗した俺は地元の田舎を離れてちょっと都会の予備校に通い始めた。
そんなに裕福な家庭じゃなかったから仕送りは生活できるぎりぎりのレベル、一人暮らしって事で何かと入用で、喫茶店でバイトを始めた。
ターミナルに近い喫茶店だったので、俺がバイトに入る18時からは仕事帰りの常連さんが入れ替わり立ち代わり。4人掛けのボックス席が3つ、一番奥には10人くらい座れるボックスまがいのスペースがあるこじんまりとした店だった。
1~2か月して接客に慣れてくると、常連さん達とも親しくなり始めた。
常連さんの一人にキミコさんという、20代半ばの小柄で細身、岡江久美子似の女性がいて、週に1,2度独りで仕事帰りに来店してくれていた。
最初のうちは挨拶する程度だったが、そのうち色んなことを話すようになって、ついには厚かましくも、他のお客さんがいない時はキミコさんの居るボックス席に向かい合わせに座ってプライベートな事もお互いに話すようになっていた。
予備校に彼女はいたが、若さゆえの(性的)好奇心が俺の年上女性への憧れをプッシュし始めたんだろう。
もっと仲良くなって、キミコさんを抱きたい、そう思うようになっていた。