もう20年以上経ちます。
ようやく残暑も収まりつつも、衣替えには至らなかった時期でした。
当時、地方によってかもしれませんが、まだ土曜日は隔週くらいで昼までの授業があった時代の話です。
中学二年生だった私は、土曜日といえばお弁当持参で午後の部活動(文化部)を終え、友人と他愛も無い話をしながら下校するのが定番でした。
その土曜日も部活終了後、施錠当番の教師に急かされながら、校門を出た瞬間のことです。
(体操服、忘れた!)
それまでにも何度か体操服を忘れて帰ってしまったことはありましたが、思い出してしまった以上、取りに戻る以外の選択肢は思い浮かびません。
当時、地方都市の公立中学はセキュリティの「セ」の字も無い状態で、つまり、その気になれば教室に忍び込むことが可能だったのです。
友人と別れた私は、すぐさまUターン、こっそり校内に忍び込むと、音がしないように教室の引き戸を開け進入、とその時です。
(・・誰か・・いる?)
薄暗い教室に私以外の誰かの気配を感じました。
(誰?どうして?)
当初の目的も忘れ、それでもコッソリと誰かの気配を辿ると、教室の後ろ、見慣れた背中が視野に飛び込んできました。
(なんだー、☆△かぁ)
※当時の文化として異性の友人はアダ名か苗字を呼び捨てでした(笑)。
安堵とともにイタズラ心が身をもたげます。
(気付いてないみたい。驚ろかしちゃおっと)
教室の床に座り込んだ☆△君の背後にコッソリと近寄ると
「コラ!何やってんだ!!!」
精一杯の声色に驚いた☆△君が、思わず半身になって振り向いたタイミングに合わせて☆△君の真横にステップイン!
視野に飛び込んできたのは、いささか刺激的に過ぎる怒張した男性器でした。