高校生の時の夏休みに、短期のレジ打ち商品補充のバイトが近所にあり、時給も非常に良かったため、約2週間ちょっとだけした話です。
TELをすると、即採用したいのでと、お店に来るよう言われていきました。
隣町で住所を辿ってお店に向かうと、寂れた商店街の路地裏にあるシャッター付きガレージくらいの小さなアダルトショップでした。
何度住所と見比べ、近くを何度か探してもこの店の様で、求人の会社名とは全く違う「大人のおもちゃの~」と雨よけの屋根に書かれていました。
シャッターが半分閉まっていましたが、うろうろする私に気付いて中からオーナーさんが顔を出して呼ばれました。
見つかってしまい帰る訳にもいかず、呼ばれるまま渋々中に入ると、見た事も無いような目を覆いたくなるくらい、当時の私にとっては刺激の強いものばかりが置かれた店内でした。
男性はその店の社長さんらしく、個人商店で1人でお店を切り盛りしているらしく、親戚の結婚式が海外であるので、その期間だけの短期バイトで募集したようでした。
私は素直に、こういうお店とは知らずに連絡してしまった事を伝えると、既に行く予定を立てているとの事で、頼み込まれ仕方なく短期間のアルバイトする事になります。
社長が不在の期間だけ、ネット注文のみの受付だけで、店舗販売は中止してくれているらしく、常連さんが注文した商品を、ただ単に窓口で受け渡しするだけでした。
レジの窓口は顔が見えない様に壁に穴が開いてる作りになっていて、防犯カメラも防犯ブザーも付いていて、開店時はシャッターを半分だけ開けた状態で、常連さんだけが入れるようにすると言われ、不安ではありましたが、渋々納得しました。
鍵を預かり翌日からコソコソと、人目を気にしながら路地裏に入り、シャッターを開け閉めする日々を過ごすのですが、予想外に暇で、昼間に商品を訪れる人も少なく、暇を持て余すように店内の商品を見たりしていました。
1人という事で恥ずかしさが和らぎ、独り言で「へぇー」とか言いながら説明書きを読む事が日課になっていました。
男性用が多かったけど、女性用のおもちゃや、やらしい下着やコスプレなどもあり、性的な世界観が大きく変わりました。
商品を引取りに来た大抵のお客様は、声や手で女と分かった瞬間驚き、そそくさとお店を後にしていましたが、常連さんの間で噂が広まったのか、商品の説明を読ませたり、どれがいいと思うかなどの質問をしてくる人も現れ始めました。
暇を持て余すのに説明書きを読んでいた事もあり、詳しく説明する事が出来て、淡々と説明する事で、逆に大抵の方は恥ずかしくなるのか面白く無いのか帰っていきますが、食い気味で「それで?」と聞いてくる人もいました。
箱入りの商品では分りずらいのか、見本を置いている商品も多く、その中にはコスプレの試着品もありました。
ナースや制服などあり、やっぱり男の人は制服好きなんだなと思っていたら、隣に隠れるようにレザーのボンテージワンピが飾っていました。
胸元も大きく開いて両端に大きくスリットが入っていて、説明書きには下着を着用せずにとあり、かなりきわどい恰好のコスプレ衣装でした。
既に1週間以上経過している時でしたので、お客さんが来る時間や昼食時にシャッターを閉めるなど、お店の1日のサイクルが出来上がっていて、お昼休憩時にシャッターを閉めた店内で着てみる事にしました。
一応防犯カメラの死角で服を脱いで、店内で全裸になると、恥ずかしさ以外のドキドキするような、オナニーする時みたいなうずうずする感覚になりました。
見本の写真と見比べると完全に見劣りする私の体型には合わず、胸もぶかぶかで、お尻の部分もぴったり張り付くような感じでは無く、着せられてる感が凄くしました。
1人で現実と見本の写真を見比べて笑っていると、そのまま仕事をしてみたらどうなるんだろうと唐突に思い、シャッターを内側から半分開けて、小走りにレジの内に入りました。
商品の説明が人気になってきたのか、ネット注文も多くなり、商品の引き渡しも増えて来ていた事もあり、その日も5名来店して商品を引き渡しましたが、いつもの様に商品の説明を求められ説明したり、どちらがいいかなどの質問に答えていると、3名のお客さんにコスチュームの事を指摘され、凄くいいと褒めてもらいました。
お客さん側から見えるんだと認識しましたが、顔が見えない事で安心感があり、何度か来店されている事は名前や声で分かっていたので、少し慣れがあったんだと思います。
「ありがとうございます」と言うだけで淡々と説明していますが、その日を境にコスチューム姿を見る為に説明書きを読ませるお客さんが増え、その後ネット注文が増えていき、仕事に対しての充実感は増していきました。
レジ内では私は座っているので、向かいに立っているお客さんからは、私の胸と太ももが見えている状態に、「可愛い胸だね」という言葉に気付きました。
一瞬手で隠そうとしましたが、一応私の中のコンセプトは、若気の至りとはいえ「動じないクールビューティー」だったので、隠さずにクールに「ありがとうございます」と説明を続けました。