かなり昔の話です。
僕は当時営業職で、毎日外回りをしては電車で通勤する日々を過ごしていました。
ある日の帰り道、ちょっと買いたい本があったので勤務先の最寄り駅であった総武線稲〇駅前の本屋へと足を運びました。
店内を探していると...ありました!目当ての本です!ですが、ついでに立ち読みくらいしてから買って行こうと軽い気持ちで立ち読みを始めました。
何気なく、僕より先に立ち読みをしていた隣の20歳前後の女の子が何を読んでるのかとチラ見すると...
「わたしの過激なH体験」的なティーンズ向けの記事を熱心に読んでるではありませんか!
(こ...これは...声掛けしたらワンチャン行けるんじゃないか??)
もう立ち読みの内容は入ってきません。自分の分身の立ち具合の方がヤバくてそれどころではありませんでしたから...
しばらくすると、彼女はこちらを気にする事もなく本屋を出ようとします。僕はすかさず、先に本屋を出ました。
本屋から出て数十メートルという所で、僕は彼女に声をかけました。
当然彼女は「なんなんですか?」みたいな反応でした。ですが僕は
「5分だけでもいい!俺の話を聞け!」
とかクレイジーケンバンドみたいな強引な手法で彼女の足止めに成功!そして...話してるうちに恐ろしい事実が...
20歳前後と思った彼女は、なんと高校3年生!しかも、僕の取引先の生徒さんでした。
高校名を共有出来た事で会話も弾み、彼女は完全に5分縛りを忘れています。
そして...今しかない!と言うタイミングで僕は切り出しました。
「さっきさぁ...エッチな記事読んでたでしょ?笑」
「あっ...えっ、あぁ...はぃ...まぁ...」
彼女は顔を真っ赤にしながらも否定はしません。
「そういうの、興味あるの?」
僕が尋ねると
「興味というか...最近欲求不満で...笑」
(ほほうなるほど非処女か...これなら話は早い!)
僕は一気に畳み掛けました。
「じゃさ...その欲求不満解決しに行こっか?」
そう囁くと、一瞬戸惑った後
「えー...じゃあ...ハイ笑」
と頷く彼女。
(よっし来た!粘ったかいがあったぞ!!)
もう完全に彼女もやる気モードです。
当たり前に手を繋ぎながらのホテルまでの道のりの会話も弾みます。
...と、その時です。
彼女は急に僕の手を離し、早足で歩き始めたのです。
「ちょ...ちょっとどうし」
「アンタ!何してるのその男の人と!」
物凄い形相で女の子に迫る中年女性。
「違うの!違うって!」
なんだか必死になってる女の子。
そうです...事もあろうに遭遇してしまったのは彼女のお母さん。
これは撤収以外に道はありません。
「あっ!お母さんですか?すいません!僕ちょっと出張で千葉に来てまして...道に迷ったと話したら案内してくれたんです!いやぁ本当に親切なお嬢さんで助かりました!ありがとうございます!!では僕はこれで!失礼しまぁす!!」
と、手を振りながら猛ダッシュで逃げました。
あれから25年くらい経ちました。
あのエロ体験談を立ち読みしていた女の子も、きっと人の母となっているでしょう。
そして、もし女の子のお母さんになっていたら、自分の事は棚上げできっとこう言うのでしょう。
「知らない男性について行かないこと!お父さんに怒られるわよ!」
って。