ある夏の金曜日の夜のこと
自分は急いでいました、何故かといえば中学時代の級友と、車で新潟競馬場へ向かうことにしていたからです
しかし仕事が立て込み、待ち合わせギリギリになりそうだったので、ターミナルの始発駅から電車に飛び乗りました
ふーっと一息ついて、これで間に合うと思い安堵していると、目の前の座席に座っている女性からの視線を感じました
なんだろう?と思っていましたが、あまりジロジロ見るのもと思い、気にしないふりをしていました
最寄り駅が近づきどうにも気になり視線を送ると、高校時代親友ともいえる程仲の良かった明日香でした
明日香とは高校を出てからもしばらくつきあいが続きましたが、ちょっとしたいざこざで2年弱音信不通になっていました、年齢はこの時お互い25歳です
先に口火を切ったのはこちらで
「久しぶり…」こういう時うまく言葉が出ないもんですね
「無視してた?」こう返す明日香に
「いやいや、あんまりジロジロ見るのもなと思ってさ、あ!もう駅着く、明後日の夜必ず連絡するから!」
「スマホ」
さっと渡すと「不用心だね」とパスワードを入力してLINEに友達登録して返してくれました
「まさか覚えてるとは…」
「まさかパスワード変えてないとは」
「じゃあまた!」と電車から飛び降りると、次の瞬間から怒涛のLINEが
元気だったのか?なぜ連絡しなかったのか?急いでこれからどこに行くのが?女とデートか?等々
あれ?彼女だったか?と思うくらいに執拗に責め立ててくるので
申しわけありませんが
火曜日はお手すきでしょうか?
はいお手すきです
待ち合わせは18時頃になりますが?
通用口前で
かしこまりました
必ず勝って帰ってきて
ご馳走するように
鋭意努力いたします
負けてもご馳走するように
わかったわかった
というようなやり取りをして、再会の約束をしました
競馬はしっかり負けました(笑)