娘とは仲が良く友達の様な関係で
少しファザコンで、まだあどけない感じも残っている。
対して娘の小学校からの親友あゆみ(仮名)は、
中学から身長も伸び娘と一緒にいると、
よく姉妹に間違いられる。
片親のあゆみは、
家で遊んで夕食を食べて帰ることも多く
半分、家族の様な存在にもなって来ている。
今では、ちゃん付けはとっくになくなり呼び捨てで
自分の娘の様な感覚で接していた。
先日、娘から「あゆみと母の日のプレゼントを買いに行きたいから、送って」とLINEが入った。
もちろん、断る理由もなくイオンモールへ連れて行った。
イオンでは、娘たちとは別行動にして、
時間を決めて、後で合流する事にした。
私は、「イオンに行くなら!」と妻に頼まれた
食材などを購入して合流場所に戻った。
少しすると娘たちが戻って来たので
フードコートでアイスを食べる事になった。
そこで、何を買ったか行くと、
娘とあゆみ合同で妻へのプレゼントを買っていた。
「あゆみママへのプレゼントは?」と聞くと
「今度、買うからいい」と答えた。
母の日の前日、あゆみが遊びに来て夕食を食べている時に2人で妻へプレゼントを渡した。
ブリザードフラワーとリップが包まれていた。
夕食を食べ終わるとあゆみママが迎えに来た。
「いつもすみません。」と頭を下げるあゆみママに
妻が娘とあゆみからプレゼントを貰ったお礼を伝えていた。
翌日、仕事終わりに家に帰る途中、
たまたま、あゆみが歩いているのを見つけ声を掛けると、「家に帰るとこ」と言うので「送るよ」と言い助手席に乗せた。
昨日の妻へのプレゼントのお礼を改めて言い
あゆみママには何をプレゼントしたのか聞くと「何も渡してない」とうつむいてしまった。
色々と聞き出すのは野暮と思い、
「これから買いに行こう!」と言ってイオンへ向かった。車中では、「いいから」、「買わなくて大丈夫」などと言いながら嫌がるあゆみをイオンまで連れて行った。
イオンには、母の日のイベント終わりで
それっぽい目ぼしい物がなかったが、
気が進まない様子のあゆみに半ば強引に
「妻に渡した同じリップとハンカチは?」と言うと
「私、そんなお金持ってない」と言うので
「そしたら出世払いね!」と言ってレジを通した。
そのまま、あゆみのマンションまで送り
「ちゃんと渡せよ~」と言うと
コクリとうなずき「ありがとう」と言って車を降りた。
家に帰って妻と晩酌しながら、
さっきの話をしたら妻は「プレゼントで気を遣わせちゃったかなぁ」と心配そうにしていた。
数日後、テレワーク中に
居間から娘とあゆみの声が聞こえたので
「ママにプレゼント渡したか?」と聞くと
「うん!ありがとう!ママ喜んでた」と明るい声で返って来た。
一安心。