一昨日のお話です。年末も仕事でタクシーで2時ごろ帰宅しました。マンションの入口で
同じようにタクシーで帰宅してきたと思われる女性がちょうど降りるところでした。
恰好と髪型からすぐに同じ階の30代の女性だとわかりました。ちょっと千鳥足でふらついて
いるようで、降りたあと、雪に足をとられながら階段を上がるとこでした。私はタクシーから
降りて、その人がエレベーターに乗ったかなくらいでエントランスに入り、郵便受けをみてから
エレベーターへ向かいました。するとそこにキーホルダーが付いた鍵が落ちていました。
もしかしてあの人の?と思い、ポケットにしまいエレベーターで自分の部屋の階に下りました。
部屋に向かうと、先ほどの女性が部屋の前でバッグの中を覗き込むように何かを探しているようでした。
私は先ほどの鍵がやはり彼女のだと思い、声をかけようと思いましたが、口からでたのは「こんばんは」
の一言だけ。そのまま部屋に入りました。暖房を付け、風呂にお湯を溜め初めてから、すぐそこのコンビニに
行くついでに、部屋の外の状況を確認しようと思ってました。鍵を開け、見ると酔っぱらったその女性は
膝まづいて必死に探していました。つい可哀そうになって「どうしたんですか?」と声をかけました。
「鍵が無くって・・・・」。年末の寒波でマンションの中とはいえ、そうとう冷えましたから、
「よかったら、温まってください。鍵屋さんに電話番号調べましょうか?」
その女性は、膝まづいたまま、ため息をひとつ・・・。「すいません、お言葉に甘えます。」
酔ってるせいか、目はうつろ気味で部屋のソファに案内すると崩れるように身体を下ろしました。
「あったかーい!ほんとに暖かい。」「鍵やさん頼みますか、多分来てくれるとは思いますけど。」