ちょうど一か月前の話。その時俺は24時間対応のエレベーターのテクニカルセンターでの夜勤を終えて、朝の8時頃、いつもの波止場通りを自転車を使って家に帰っていた。
30歳。彼女いない歴5年の俺が、近頃ハマっているのが、前夜に出動が無く、体力を持て余した夜勤開けの日、そのまま繁華街まで繰り出して24時間営業の〇〇水産といった海鮮料理やで一杯飲むこと。そして平日の閑散としたアーケードの商店街で、ゆっくりと中古品ショップ等をめぐること。そして・・・最近始めた魚釣りだった。
その日の俺も夜勤明けに何をしようかと考えていてた。だが会社を出た時に今年始めて感じた冬の気温から、(こうも寒いと釣りという選択肢はないな・・w)なんて思っていた。
だが帰り道だけは普段と同じよう、釣りスポットの偵察もかねて波止場通りを通って帰るのだが、その日も同じ道を通って変えると、(お・・?)と思わず二度見してしまう光景がそこにあったんだ。
珍しい。朝っぱらから外国人の女の子が波止場でサビキ釣りをしていたんですよ。
外国人といっても正確にはハーフ。(後で知ったところによるとイギリス人と日本人のハーフだった)しかし、ハーフといってもメディアで見る美形のアイドルみたいなハーフではなく、きっと片親が外国人というだけで本人はいたって真面目な子なんだと思う。
服装も釣りをしているからか?いかにもジーパンっていう形と色のジーパン。安物のキャラクターがプリントされたピンク色のトレーナー。髪の毛も無造作にゴムでくくっただけ。いかにも庶民w 庶民としかいいようがない、ただハーフというだけの普通の女の子だった。
俺はその女の子の釣り風景を2,3分ほど眺めていたが、もうここまで寒いと無理だろうとは思っているのと裏腹に、けっこう糸を垂らすとポンポンと魚の食いつきがよく、テンポよく小鯵を釣り上げていた。
一瞬、声をかけたいな。と思った。そりゃそうだ。俺のような人間が外国人のハーフの子なんかと知り合えるチャンスなんて・・・まずない。絶対にない。
が。。。相手からすれば俺なんてただの釣りギャラリー以外の何物でもないだろう。結局、そんな簡単に出会いなんてあるはずもなく、俺はその子の近くからさっと通り過ぎたのだった。
そして見えてきたのが今度はコンビニ。俺は普段そのコンビニなんかに寄ることなんてないが、その時は不思議とコンビニで足が止まってしまったんだ。それからコーヒーを買い外で一服。
また考えた。。。(マジ、声かけてみようかな)と。
けして一目ぼれとかじゃないんだ。俺だって釣りというものを最近始めたというのも事実だし、いつもネットで知識をかき集めていた俺はリアルな釣り仲間みたいなのも欲しかったんだ。
もし、あの子が俺の釣り仲間になってくれたら、けっこうこれから楽しくなるかもしれないな・・・。なんていう、男なら当然のような期待というか妄想というか、、そんなモヤモヤしたものに憑りつかれてしまっていた。
だがそのモヤモヤを晴らすためには声をかける他ないし、声をかけた結果によってはモヤモヤが、余計に、ガーーーン・・・llllll という結果にもなりかねない。つまり勇気のいる事であった。
それに一度、すでに目を合して立ち去って行ったのに、また戻ってくるなんて怪しすぎる。
(あ!そうか。俺も釣り竿もってくればいいんだ!)と閃き、ダッシュで自転車こいで家にかえり、そして1か月ちょっと前に買った、ネットで「初心者 釣竿 万能」というキーワードをもとに購入した、シ〇ノの3号 4M前後の磯竿とサビキセットを持参し、またダッシュで釣具店にいってアミエビを購入し、、(あの子!!!まだいてくれ!!!!!)と祈るような気持ちであの子のいた場所に帰っていったんだ。
その間30分くらいの出来事だったと思う(笑)
そしてあの子がいる場所に戻ると、、あの子はまだ釣りをしていた。が・・・同時に猛烈な緊張が俺を襲ってきたw
だが俺は頑張った。ナンパ慣れなんてしてはいない俺ではあったが、、「お、、おはようw さっき見たけど釣れてるみたいだから竿もってきたwww」とその子に声をかけ、3,4M離れた場所で俺も糸を垂らす準備を始めたんだ。
するとハーフのあの子は、「おはよう。なんか今日はよくつれてますよ。」と返事をしてくれた。それから「釣りはよくするんですか?」「いつもサビキで?」といった釣りを中心とした会話が意外にも花が咲いていき、なんと・・・相手も俺も初心者同士だったという事実まで発覚したのだった。
彼女も釣り歴数か月。ルアー釣りや遠投を本格的にする父親に最初に連れていかれて始めたのがサビキ釣り。シカケもサビキ以外知らないという、ほとんど俺と同じレベルw
しかも、将来的には太刀魚とかも狙ってみたいんだけどねw という次のターゲットまで同じ。結果としては(声かけてよかった><!!!!!!!)という方向になっていった。
そして彼女の釣りの目的は「食べる目的」であった(笑)俺は「家ちかいからコンロとか持ってこようか?一緒にここで食べてみる?」と提案すると、思いのほか「え?wココで?ww」と彼女的にはその発想がとてもウケたらしい。俺はそれから釣り竿とか一式をそのまま放置し、また15分かけて家にもどってコンロ、焼魚用のアミ、しょうゆ。ポン酢等を持参し、(ついでにコンビニで熱燗やチューハイ等も買って)初めて知り合ったハーフの子と釣った小鯵をアテに、ちょっとした小宴会に入っていった。
彼女の名前は「マミ」年齢24歳。インターナショナルスクールに通っていたので日本人の友達は殆どいない。仕事は自動車製品の貿易をやっている父親の会社で事務員として働いているとの事。両親のうち日本人であるのは母親。見た目は庶民的には見えるが、実はちょっとしたお金持ちなのかもしれない。なんて思った。
性格も普通だった。真面目っぽいという俺の予想はあながち間違ってはおらず、俺が話しかけた事にはしっかりと返事をしてくれていた。それに片方だけでも外国人というのは本人の個性に影響があるのかもしれない。人見知り等はなかったが、逆に初めてにしてはナレナレしい部分でさえも見受けられた。
そして、ここからちょっと本題につま先だけ踏み入れてみると、表情はニコニコとしている愛想がいい子という訳ではないが、それを差し引いても顔が独特なのは当然の事として、体つきがめっちゃエロい子でもあった。ダボダボのジーンズ、ブカブカのトレーナーという、一見、ダッサイ恰好をしている子ではあったが、きっと生身の体躯は(なんでも細ければいいという日本人女性ではなく)本来の女性らしい豊かな体つきをしているのだと思う。
俺は巨乳好きではないが、トレーナーの中の衣服にはブラのカップ部分の形状が浮き出る程のボリュームのある両胸があった。それに比べて意外と細いであろうウェスト。ただ身長がハーフといえどそこは平均的な日本人と同じで小柄であったからこそ、巨乳が余計に目立ったのかもしれない。
そしてマミは地面に直接すわる。というのに抵抗があるのかもしれない。終始、即席の焼き魚をほおばっている時はヤンキー座りをしていたが・・ヤンキー座りといっても和式トイレ座り意外のなにものでもない。そんなマミの正面にすわる俺には(この位置にマ〇コがあるのか・・w)なんて、卑猥な連想をさせていたのだった。
結局、その日は小鯵を焼いたものを数匹食べて、俺はワンカップの熱燗を1つと缶ビール。マミは流行りのスト〇ングを2缶飲んだ。当然のごとく、また一緒に釣りをしよう。ということで連絡先を交換。
11時が近くなるにつれて、マミが「そろそろお昼だから帰るね。またね。バーイ ノシ」といった時の、バーイが外国人の発音だった事に驚きを覚えたが、ともかく結果としては最高の結果となった。