沖浦との一席(の前の沖浦との対談)一人称、「俺」のほうが書きやすいので、ここからは俺で行きたいと思います。前回の終盤では、俺が沖浦に個人的に会って今後の仕事のやり方を相談しようという旨の社内メールを送付したところまで書いたと思う。それを受け取った沖浦は、「いいですけど、いつの話ですか?」との返事があったのだ。それから俺は、仕事帰りがいいのか、それとも休日がいいのか聞いてみたところ、「そちらに問題なければ休日で。平日の仕事帰りだと長くなるのも嫌なので。というか、時間かかる?その話?」との返事があった。俺は「短く済んだら30分。長くても1時間少しかな」と、そんな感じで俺は沖浦との対談の話を纏めたんだ。もうメールの文面の段階で、俺に対する嫌悪感がたっぷりと含まれた上から目線の嫌な返事だと当時は思った。ともかく、沖浦との対談は月日までは忘れてしまったが、日曜日であるのは間違いなかった。待ち合わせした場所は、俺と沖浦の住居の中間地点でもあり、なおかつ特急が止まる駅に設定し、時刻は沖浦都合で10時からとなった。俺は待ち合わせ場所に、既に9時30分から到着しており、手元のスマートフォンでネットニュースでも見ながら、適当に沖浦が来るまでの時間を潰していた。俺が駅の改札口で立っている間、沢山の人が改札口から出てきたが55分になっても沖浦は現れなかった。9時58分着。きっとこの電車に乗っているのだろう。心なしか、ドキドキとしてる俺がいるのを感じた。対立している派閥の頭領との対面。休みの日まで、仕事の事で時間を使おうだなんてどうかしている。それほど、当時の俺は職場のストレスで身も心もやられていたのかもしれない(呪詛の話の時も、こんな感じだったよね俺w)そして58分の電車が到着した。駅の改札にむかう階段からは、ゾロゾロと人が降りてくる。降りてくる・・・・・・が、、沖浦がいない。。。と、次の瞬間、、トントン。(うわあ!!!!)背後からいきなり、俺は肩を叩かれたのだった。俺「え、、沖浦さん?(陰口いうときは呼び捨てだけど、本人の目の前ではサン付けの小心者な俺w)沖浦「改札からくると思った?実はもう来てたよ」俺「あ、、そうなんだ・・・w」俺は焦った、、何に焦ったか、、(え・・・・・沖浦って、こんな美人だったの・・?)という青天の霹靂であった。俺がこの文章を書いた一番最初の投稿で、この会社で勤めるB班以外の女従業員の事を、こう例えたのを覚えているかな。「作業着はけっこうブカブカのものを正規の方法で着用し、まったく「色っぽさ」なんていうのは皆無です。」この例えば、俺は沖浦の事をイメージして書いたつもりだった。会社での沖浦は、髪をサイドポニーテールといえば聞こえはいいが、ただ紺色か黒のゴムで縛って片方の肩から出しているだけ。顔にメイクはなく、いつもスッピン。着てる服装は基本、紺色の作業着上下。何にふてくされてるのか、いつもムスっとした感じの表情で、ただパソコンを叩いてたり書面に目を通したりしている姿しか俺は見た事がない。「地味、そして暗い。」それが俺の沖浦のイメージだった。だが今の沖浦はどうだ。 髪の毛はべっ甲のブローチで艶のあるロングヘアを後頭部でまとめ、黒のレースがついた膝くらいまでの丈のフレアスカートに、お上品なクリーム色のブラウス、(ヤングママが子供の授業参観か、ピアノ発表会の時に着ていきそうな)顔もうっすらと化粧をしているではないか。もともと、顔立ちだけは整っている人だったので、そんな沖浦が「オシャレ」をしてきた訳だから、俺は驚愕した。何より、透明のフチなし眼鏡は相変わらずだったが、これではまるで、どこかの名門のお嬢様ではないか。嘘大げさ紛らわしい、これを一切!排除してもこの時の沖浦の「大人の女性オーラ」を忘れる事はないだろう。俺(こりゃー会社では気取ってるとか、お上品とか言われるわ・・・・)俺「と、ともかくどこ行く?そこ決めてなかったからw」沖浦「どこでもいいよ」俺「既に買い物してたとか?」沖浦「別に関係ないじゃん」
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部署長からの返事がきた。部署長「なるほどな。沖浦も同意してるんだな。じゃ、まず提案通り、いったんアンケートとるか。職場環境改善のためのアンケート。そこで従業員のニーズっていうのを把握する事から始めよう。上のほうでもA班とB班の遺恨は話題になってるんだよ。なるべく早く手を打たないといけないのは感じてたからよ。しっかし、沖浦とお前が合意してるってのが驚いたなwてっきりいがみ合ってるもんだとばかり思ってたがwwww」部署長はこんな感じだった。それを俺はすぐさま、沖浦に社内メールで報告した。すると事務所の中の俺の席から、2つくらいブースを離れたところに座っている沖浦が、メールを確認したのか、すぐさま俺のほうを遠くから見てきて、ウインクしながら、グジッジョブ!と親指を立てたポーズをしてきたのだった。俺(やばいwww 可愛いwwww)と思った。そしてこの第一段階以外にもトントン拍子で話が好転していき、もし俺たちの努力で長年の第二工場戦争に終止符を打てたら、俺は(沖浦も)この職場で最も形にのこる仕事をしたことになる。俺はそんな未来への展望を、もっと沢山、沖浦と話してみたくなり、デート、、いや二度目の対談の話を持ち掛けたのである。沖浦の返事も早かった「いいよw どこいく?w」こんな感じだった。そしてその日は日曜日の夕方17時に設定された。(個室居酒屋の予約が17時30分だったので)以前の駅で、同じように改札で待つ俺。すると今度は沖浦は16時50分くらいの電車で降りてきた。そしてその時の沖浦は、紺色のワンピースで腰に白いベルトを巻いたシンプルなものであったが、もう沖浦に対しての「可憐なイメージ」が1回目のギャップで確立されていた俺の目には、何をみても心地よく映っていた。そして俺たちはゆっくり予約していた店へと歩いて行き、個室居酒屋へと入っていった。そして店に入ってからは普通に酒を飲みながら、会社の話やこれからの進展。希望。こうなったらいいね、ああなったりしてww みたいな、とにかく前向きな話で盛り上がっていた。ここまでは良かった。ここまでは健全だった。だが、ここから俺たちは「大人として」「社会人として」は相応しくない行動をとろうとしていた。それは「飲みすぎ」酒なんて基本、酩酊するまで飲んじゃだめだとはは俺もわかっているし、沖浦もわかっていたと思う。だがその時は、あまりに出てくる話題が吉報しかないのと、俺と沖浦の、この緊張感(ドキドキ感)がある絶妙な距離感が功を奏してか、俺たちはいつもより酒の量が進んでいってた。だんだん話がアツくなり、沖浦自体、泣きながら「私だってね!!!こんなつもりじゃなかったし、でもね、がんばったんだよ!!」とか言ってくるし・・・・。それを聞いてる俺は「わかってる。全部わかってる!!!」とか、真正面から相手を抱擁するくらいの器量の大きさ(酒のんで気が大きくなってるだけだが)で沖浦の事を受け止めていた。(笑)そしてサイフ事件の事に話題が触れ、サイフ事件そのものが、沖浦の追い詰められてしまい起こしてしまった出来事であり、俺はとっくの昔からそのことに気が付いていたと言うと、沖浦は「うわあああん」と鳴き始める始末だった(個室居酒屋でよかった・・ww)飲みすぎて沖浦は崩壊していった。まるで女傑のように大胆な構想を語ってくる沖浦。または泣きまくり、甘えまくる沖浦。そんな様々な沖浦の姿が俺の前で展開されて言ってた。(計算高いが、、なんだかんだ、、脆いんだな・・・)というのが総合的な印象である。そして飲み放題2時間が終わっていった。フラフラになって店を出る俺たち。沖浦は俺の介抱がなければ歩けないくらいフラフラ状態になっており、展開の流れとしては、俺が沖浦を家まで送り届けるのが義務同然の状態となっていた。繁華街からは少し郊外にある飲み屋から、手をつなぎながらフラフラと俺たちは駅前のタクシーが走る大通りを目指して歩いていた。そんな時、、、おそらく12階建てくらいはあるであろう、大きなマンションの下を通り過ぎた時、俺は自然と体が動いてしまったのだ。なぜ身体が勝手に動いてしまったのか、それはもうその時の空気、ムード、流れ、勢い、そういったもの。としかいいようがない。
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