なんか一人称、前回は俺だったけど、僕になってる。ともかく続き。この製造部でいう、「便宜を図ってもらう狙い」と言うのはいったいなんなのだろうか。これは会社が悪いとしか言いようがないのですが、殆ど同じ給料でありながらも配属される部署によってしんどさが違う。という事にあります。例えば、A班の中の一番楽な仕事で言えば、エアコンの効いたクリーンルームで、椅子に座ってひたすら検査機器を見ながら完成間近の品の心臓部である基盤のチェックするだけ。(後述するB班が作った製品に対し)という仕事。単純作業が出来る人には、これほどの楽な仕事はないと思われます(僕には無理ですが)そこでB班の中の一番過酷な仕事で言えば、エアコンも何もない工業用扇風機の風しか当たれない中、1キロ前後の部品を(かなり多数)大きな装置の中に組み込んで、最初の動作確認をする仕事。動作確認でエラーが出たら、また1からやりなおし。これは、正直、ダイエットしたい人向けの作業であり結構大変です。ですが、Aの仕事もBの仕事も、「時給が50円しか変わらない」なのです。これは完全に会社が悪いですね。僕の主観では、150円くらい差があってもいいレベルです。そして、さらなる悪循環が、Aの仕事は大人しい文科系の華奢な女の子が配属されるのに対し、Bはちょっとヤンキーやってました。ギャルやってました。力仕事いけそうなんちゃう?この人みたいな、そんな人が集まる傾向がきわめて強いのです。なので、Aの部署からの言い分では、「Bの人が何もしてないのに睨んできたり、私の悪口いってるみたいなんです」と言ってくるし、Bの部署からの言い分では「あいつらただでさえ楽な仕事してるのに、ぜんぜん真面目にやらないから、コッチ(B)がどれだけ頑張ってもアイツら(A)のせいで出荷が遅れんねん。ホンマ邪魔やわ」ってな具合です。(②の女がスキだらけなのはBの部署の事です)僕はそんな遺恨深い部署の管理職という事で約5年という年月を過ごさせて頂いた訳ですが、その中での様々な僕に対する陳情。そして便宜を図ってもらおうとする動き(つまり枕営業的な)ものの中で、いくつか思い出にのこるエピソードを語りたいと思います。エピソード1 徳山かおりのケース徳山かおり(27)独身 勤続年数:2年 雇用形態:契約社員 会社でのポジション:B班の派閥の中の参謀的役割 特徴:髪の毛の毛根が黒くプリンになったストレートの茶髪 キツネ顔 身長は低い 小柄な体格 少しヤンキーっぽい徳山が僕に接近してきたのは、第二工場の中の喫煙室でした。今でこそ電子タバコを吸っている僕も、当時はアメリカ〇スピリッ〇のメンソールに100円ライターという仕様であり、煙臭く、ワイワイと賑わう喫煙室でタバコを吸っていたのです。するとグレーの作業着をきた、背の低い徳山が僕のすぐ隣でタバコに火を付け、(タバコはヴォー〇だったかな。キャバ嬢とかが吸ってそうな)「おつかれーっす」と挨拶してきたのでした。僕「おつかれさんー」徳山「今日もコッチ?(B班の巡回?)」僕「そうねー。AAA(製品)の仕上がりだけが著しく遅れてるって上から言われてさ。なんでなのか理由を探りにこようかと。なんでも紙ベースで報告書仕上げろってうるさいんだよ」徳山「そうなんやw そっちも大変そうやな」僕「大変っすよ。こっちもこっちで」徳山「あ、そうそう。AAAの仕上がりが悪い理由やねんけどな、あそこに超!デキのわるいオバハンが入ってやー、それからやねん」僕「なにそれ」徳山「だから、ウチもAAAは午前中に担当するんやけど、午後になってもまだウチが作った奴が出荷されてないねん。え、それもうすでに午前中に仕上がったよね?って。なにが原因かっていうと、そいつが仕事すんのが遅くてさ。みんなに迷惑かけてるって感じ」僕「それは確かなのか?」徳山「うん。遅くなったのそのヒトが、あそこ(検査担当)に座ってからやもん。それまではいつも通りやったし。」そんな製造部ではありきたりな会話から始まったのでした。徳山「っでさぁ、(何かまだ言いたそうにする)あああーーもう昼休憩終わるーー。」僕「まだ何かあるの?」徳山「だって、現場の声を吸い上げてくれるシステムってないでしょ?ココ」僕「ないね。全くないね」徳山「他にも言いたいこと一杯あるんやけど、、あ、そや
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沖浦ちひろ のケース沖浦ちひろ(34) バツ1 勤続年数3年(2年は3か月は契約社員、後に正社員へ形態変更) 会社でのポジション;A班の班長 所属派閥:なし 学歴;大卒 特徴:背が高く細身美人 お淑やか 趣味:マラソン(当時フルマラソンに挑戦中との事)この沖浦のケースは前回の徳山のケースとは違い、正社員ならでわの悩みを抱えていた。もともと沖浦は空いた時間を使ってのパートアルバイトで工場勤務を志望してきたらしいが、有名大学を卒業しているという学歴から、面接の段階で、急遽契約社員での雇用となった経緯がある人だった。そして最初の2年3か月は契約社員として他の連中と同じポジションで働いていたが、年度初めの人事によって正社員へと抜擢。それから沖浦の苦悩が始まったといっても過言ではない。前回同様、俺に対しての最初の接近から話していこうと思うが、沖浦のケースで言えば接近も何も、同じ正社員であるから、社内ミーティングや、取引先での折衝という形で、俺とは何度か同じ席に座った事があるので、今更、接近という言葉は適切ではないかもしれない。あくまでここでは、「他部署なのでそこまで顔を合わす訳ではないが、ポイントポイントで必ずどこかで関係があった間柄」と言ったほうがいいかもしれない。そんな沖浦は、俺も遠くから彼女の評判を知っていたが、あまり評判は芳しくない様子だった。他の従業員からすれば、「沖浦さんはこういう仕事(工場とか)向いてないんじゃない?」と口をそろえて言うのである。それもそのはず、沖浦はひときわ目立って、「知的でありお淑やかすぎる」のである。言い換えれば、お上品。悪意を含めば、気取ってる。いつもそんな目でみられているのが沖浦であった。(沖浦がつけているフチなしのレンズのみの眼鏡の事を、沖浦メガネと呼ぶ風習を生み出していた)ここまで書いて初めて「沖浦との接近」という表現が出来るかもしれない。そんな沖浦とも、こうして書いている以上、しかるべき関係になってしまったのではあるが、それには切っ掛けというものが確かに存在する。その切っ掛けというのが、「沖浦、サイフ盗まれる事件」というのが社内で起きたのでる。事件の経緯はこうであった。朝、出勤してきた沖浦がA班の班長デスクに自分の荷物を置き、ロッカールームへと着替えに行った。そして(いつ盗まれたのか分からないが)昼休みになって食事に行こうと、外に出た時、カバンの中から財布が消えているのに気が付いた。盗まれたのは出社してきた朝の8時40分~昼に外出する12:10分の間。それを可能としたのは、同じ時間に班長デスクの周辺に近づくことが可能であった、A班の全ての当日の出勤者である。この事件で、沖浦は相当、心を痛めたらしい。もともと、同じ契約社員から高学歴だか何だかしらないが、急に抜擢されて正社員になり、(つまりボーナスや各種手当なども支給されるようになり)今まで仲間だと思っていた従業員から妬まれているのはわかってはいたが、まさか、、、こんな幼稚というか、いやれっきとした犯罪行為までしてくるとは思いもしなかったらしい。この沖浦、サイフぬすまれる事件はこの会社の中でも大きなニュースとなり、本人が被害届などは出さないというから刑事扱いにはならなかったものの、社内でのセキュリティに対する考え方が刷新する切っ掛けともなる事件であった。というのも、以前にどこかで「戦時中は兵器などもつくっていたらしい」と書いたのを覚えているだろうか。今でも兵器の一部を作ったりしている部署もあることで、海外に技術漏洩などがすれば、国際問題レベルになる製品を扱っている部署もある。たまたまA班がそうではなかっただけで、「簡単にサイフを盗める環境ってどうよ」と言う具合に会社がセキュリティ強化の為に動き始めたのである。ここまでは、一般的な社員、従業員の中での認識だった。だが、この事件の真実を知るものからすれば、こんな茶番劇、ある意味見た事もないという判断を下す他ないのである。その真実とはなにか。このサイフぬすまれた。という事そのものが、沖浦のでっち上げであり、当日、沖浦は財布すら持ってきていなかったのである。なぜ、沖浦はそんな理解不能な行動を起こしたのか。
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サイフ事件の真相については、いったんここで置いておこうと思う。あれから数か月の月日が経過した。相変わらず沖浦はデスクワークをしながら、時折A班の現場の方に顔を出すという、B班担当の俺と似たようなスタイルで働いていた。このまま沖浦の存在も、サイフ事件の真相も、それこそ俺からすれば、「どうでもいいこと」となっていたのは間違いがない。そんな時期の事だった。ここ何年かA班に新人が定着していない。と上層部の方で言われ始めたのであった。具体的に言えば、常に募集をかけている部署なので毎月、何名かのアルバイト、パートの人間が応募きて面接し、そして本採用となるものの、こうして改めて統計を取ってみれば、A班の中で一番最後に入った新人でも、かれこれ1年前の中途採用となっており、この1年間、誰一人続いている者がいない。というデータが明るみになったのである。(入社してすぐに辞めていく)その原因のありかを、沖浦は事もあろうに、「B班からの嫌がらせが原因だと思う」と、B班担当である俺に対しては、まさに宣戦布告のような発言を行ってきたのである。確かに、昔からA班とB班には給与面、労働内容の面で遺恨があるのは誰もが知っている。そして、女社会なので陰険な新人イビリやイジメのようなものが存在している事も認識している。だが、部署の違うA班の新人を、わざわざB班の人間が辞めさせるように仕向けている。というのは言いがかりに過ぎない。その時になって俺は、初めて沖浦に対し、「敵意」を抱いたのであった。そのような時に、俺のスパイとなってくれたのが、、以前の別記事の投稿で少し名前が出てきた由実さん。であった。この由実さんはA班に所属していたが、どちらかというとB班よりの考え方を持つ気さくなオバチャンであり、俺のほうから何も頼んだつもりはないがA班の内部事情や、B班の内部事情までベラベラと話してくれるおしゃべりオバチャンなのである。そこで俺は、本来の業務である、「なぜA班には新人が定着しないのか」の原因の究明と同時に、「沖浦の本当の狙い」を探るべく、由実さんに協力してもらう事になったのである。それからの事だった。俺と由実さんが定期的に「会社の文句、愚痴」を言うために電話で語り始めるという行動が定着しはじめたのであった。そして由実さんが言うのはこうであった。由実「私も各方面から色々聞くけどさ、やっぱ沖浦はかなり計算高いと思う。」俺「なぜ?」由実「これは現場でしか飛びかってない噂なんだけど、あの人、いろいろ細工する人なんだよ」俺「ほうー」由実「たとえば業務日報とかでも、自分がひいきしている子の場合は好成績を残しているように偽装し、嫌な子の場合は、普通にやってるだけなのに「改善の必要あり」みたいな感じで日報書くんだよね」俺「完全な私怨だなw」由実「でね、その定着していない新人のほとんどは、、きっと沖浦から気にいられなかったんじゃない?」俺「沖浦はそんなドロドロの人間関係が嫌だったんじゃないの?」由実「それはまだ沖浦の事が見えてないと思う。あいつは表向きは、「私には社員なんてできませーん。管理職なんて出来ませーん」って言ってるけど、本当は自分がトップに立って支配したいんだっていう野望を虎視眈々ともってると思う」俺「その理由は?」由実「さっきも言ったけど、自分を中心とした派閥を作ろうとしている。嫌な新人を排除し、新しい新人を自分の中に取り込むという事で。ただ悪循環なのは、それをするから、余計に新人が定着しないんだけどね。何か、この会社めんどくさ。ってなるでしょ」俺「でも、そんな私怨という形で自分の選り好みにできるもんなん?」由実「事実。これは証拠があるけど、シフトみたらわかると思う。沖浦が休みの時に、沖浦の嫌いな人が入っているし、沖浦が気に入ってる人は、土日の休みが多く、嫌いな人は土日出勤なんだ」俺「なるほどなぁ。。。それ、完全なる職権乱用だな。そこは公正にしないと」由実「でも、うちら現場の人間には、上がきめた事にあらがうっていう事なんてできないじゃん。だから、文句いいながらも働き続けるしかないわけ。そこを、沖浦は足元みてるんだよ」俺「なるほど。いわゆる、腹黒いっていうやつだな」由実「で、結局、自分の運営方法が悪いから新人が定着してないのに、今度はB班からの嫌がらせで、と責任転嫁しようとしている訳だよね」俺「wwww あるいみわかりやすいと言えば、わかりや
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