スカート登校を始めてから、数ヶ月が過ぎました。
スカートの枚数も増えて、
いつの間にか学校で体操服で過ごす以外は、
殆ど全部、スカートをはくようになっていました。
言い忘れましたが、附属小だけは、男の子も女の子も、
黒の指定のランドセルなのです。
だから、女の子の格好で黒いランドセルを背負っていても、
先生おかしくはないんです。
その代わり、すぐに「附属の子」って言うことが、
分かってしまうのですが…。
そして、新学期を迎え、小学3年生になって、
すぐのことでした。
4月としては、けっこう暖かい日だったので、
上は、半袖の白いブラウスに、
下は買ってもらったばかりの、
オレンジ色のお花柄のフレアースカート、
白いハイソックスをはいて登校したんです。
パパやママからも、近所の人からも、
バスに乗っている人からも、
「かわいい」って言われて、すごく嬉しかったです。
バスを降りて、学校まで歩いて、
警備員さんにあいさつをし、
校舎内に入りました。
そして、いつも通り、教室まで行き、
運動服に着替えればいいだけのはずでした。でも…。
担任の先生と、ちょうど廊下で出会ってしまったんです、
この日、担任の先生は、たまたま早くいらしていて、
教室に行く途中だったようなのです。
今まで、そっとしていた女の子の格好を、
担任の先生に見られてしまったのです。
担任の先生は、2年生の頃と同じ男の先生です。
先生に何か言われそうで、怒られそうで、
しばらく、何も言えずにうつむいていました。
「おはよう、まこと君…」
先生は、何事もなかったように挨拶をしてきました。
「お、おはようございます…」
やっとの思いで、挨拶を返しました。
本当に、顔から火が出そうなくらい恥ずかしかったです。
「今は、まこと君じゃなくて、まことさんだね…」
先生が、そっと抱きしめてくれました。
「まことさん、女の子の格好、すごくかわいいよ。
見違えたよ…」
その言葉を聞いて、自然に涙が出てきました。
「泣かないで、まことさん。まことさんって、
女の子の格好、大好きなんだよね」
そう言いながら、先生は手を握ってくれました。
先生をじっと見ながら、首を縦に振りました。
先生と一緒に教室まで行きました。
「女の子の格好は、いつからしてるの?」
「あのね、2年生の2学期からしてる…」
「そうなんだね。先生、スカートをはいて帰るまことさんのこと、
何度か見かけたんだよ」
先生は、今まで何にも言いませんでしたが、
女の子の格好をしていたことを、知っていらしたのです。
「まことさんって、家でも女の子の格好なのかな?」
先生が、ひざ抱っこをしてくれました。
先生のおひざは、すごく暖かかったです。
「はい、そうです。家ではいつもスカートです」
「そうなんだね。まことさんは、ズボンとスカートとどっちが好き?」
「スカートが好きです。おズボンは、
今は運動服のおズボンだけしか、持っていません」
先生が、ぎゅっと抱きしめてくれました。
「下着も全部女の子なんだね」
「はい…」
そっとスカートをめくって先生に見せました。
「まことさん、いつもスカートの下はパンツだけ?」
「はい、そうです」
そう答えながら、すごくドキドキしました。
「まことさん、これからも女の子の格好で
登下校してもいいんだよ。
先生とまことさんだけの秘密だよ。
他のお友達には、内緒にしていてあげるからね。
あと、女の子の格好の時は、
まことさんって呼んでもいいかな?」
「はい、大丈夫です…」
先生にそう言われたこと、すごく嬉しかったです。
でも先生は、女の子の格好の時は、
「まことさん」よりも、
「まことちゃん」って呼んでくれることの方が、
ずっと多かったです。
ランドセルを片付けたあと、私服の格好で、
先生に抱っこをされたり、おんぶをされたりしながら、
一緒に遊びました。
先生と2人で遊ぶのは、その時は初めてだったので、
すごく楽しかったです。
先生には、小学校卒業まで6年間お世話になりましたが、
その間、女の子になって先生と過ごす時間は、
すっと続いたんです。
もうすぐ、7時20分になろうとしています。
2番目の子が教室に入って来ない間に、
素早く運動服に着替えます。
ブラウスやスカートを脱いで、スリップも脱いで、
パンツ1枚の格好になりました。
スカートをはくようになったから分かったのですが、
ズボンよりもスカートの方が、
着替えるのはすごく早いです。
この日は、先生の前で着替えたのですが、
全然恥ずかしくはなかったです。
運動服をバックから出してから、
お洋服を畳んでバックに入れたあと、
真っ白いTシャツ、青い運動服の半ズボン、
青い上着の順番に着て完成です。
ちなみに、長ズボンもあるのですが、嫌いなので、
小学校時代は、1年中半ズボンで過ごしていました。
今から、「まことさん」から「まこと君」になって、
今日も1日を過ごします。
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