今日は、参りました。
学校で生徒が集まって大騒動です。
ことは、担任先生のつまらないお説教らしいんだけど・・。
放課後、渡り廊下が騒がしい。
何事なの?見てきて。
アルファが飛んでいきます。
「先生一人が、大勢の生徒から囲まれて騒ぎになってます。」
今度は、先生対生徒なの?
サブ対Aの方がましだったね。
チェリーも現場に到着。
もう、めちゃくちゃ。
先生は何重にも生徒から包囲されて、かろうじて上に挙げてる手が見えるだけ。
皆、落ち着いて。何があったの?
全くだめです。警笛も他の騒音に紛れて響かないよ。
人ごみの中に入りこんで、先生の所に行こうとしたけど、跳ね飛ばされちゃった。
まずいね。他の先生が介入して、これが学校の秩序を乱す行動だと捉えられたら、文化祭の中止もあり得るよ。
誰か余計なおせっかいが職員室に行く前に、先生を救助してこちらの都合のよいような形にしなくちゃ。
丁度、柔道部主将が部員4名と通りかかりました。
主将、応援頼む。かくかくしかじか。
「分かった。5人で飛び込む。」
いや、待って。チェリーも入れて6人じゃ、ますます混乱するかも。
アルファ、体育部室に行って誰でも良いから主将と部員を連れて来て。
すっ飛んで言ったアルファ、ほんの3分位で応援連れて帰ってきました。
「会長、至急の用向き、何事が起こりしや?」
「何なんですか?この騒動は。」
こっちが聞きたいよ。
でも、現状を何とかするのが先だ。
柔道部員5名、前面にかたまって。
後ろに、残りの部員が集まって、柔道部員のサイドを固める。
良いかい?生徒の塊の中に突っ込んで先生を救出するけど、生徒を手で殴ったりは絶対しないこと。
良し、行け。
10人の体育部員が人ごみの中に押して行きました。
固まってた生徒の群れは、始めは動かなかったけど、戦闘の柔道部主将が人ごみを二つに割って入ると、
急に左右に分かれて、あっという間に先生の姿が見えました。
チェリーが飛び込んで、先生の手を引っ張って連れ出します。
あーあ、遅かったよ。服は伸びてるし、髪の毛くしゃくしゃ。
顔にあざが無いのがせめてもだね。
そのまま、生徒会室へ半ば強制的に連れ込みました。
「会長、済まん。助かった。」
先生、怪我は無いですか?無いですよね。ああ、よかった。
先生が生徒から怪我を負わせられるなんて、この学校ではありえませんよね。
そんな、恥ずかしいこと、起こりっこないし・・。
ところで、原因はなんですか?
「廊下いっぱいに広がって、出し物の話をしてた生徒に注意したら、いきなり取り囲まれたんだ。」
ああ、そうなんですよね。
公共の通路である廊下の通行方法が問題だったんですね。
分かりました。
以後は生徒会でも注意しましょう。
あ、ベータ。お茶入れて差し上げて。
先生、上着をお脱ぎください。少し形崩れしてますから、ハンガーにかけて干しておきましょう。
チェアマン、先生の髪の毛、なんとかして差し上げて。
サブ、さっきの渡り廊下、生徒がたむろすると危ないから、固まってる生徒たちを誘導してね。
ああ、先生はごゆっくり。
先生もこんな行事の前後は大変でしょうね・・。
これぞ、チェリーの得意技、名付けて「口車」です。
先生、いつも苦手なチェリーが下手に出たもんだから、興奮もさめて機嫌よくなったみたい。
先生、校内の見回り中、いつでも生徒会室にお寄りください。
アールクレイでしたら、ごちそういたします。
あー、よかった。なんとか、誤魔化せた。
サブが、先生を取り囲んでいた生徒たちのおおよその名前を報告に来ました。
「いつも小煩いので、今日は皆でやってやるかって話になって・・」
だそうです。
危ない、危ない。
もし、先生の頭にたんこぶでもできてたら、非常にまずかったね。
明日、騒動を起こした方の生徒に会って、話を聞いておかなくちゃ。
原因はともかく、その生徒たちを実力で排除したんだから、チェリーも恨まれて仕方ないよ。
対応はそれから考えます。
さあ、お姉様がもうすぐお帰りになるぞ。
チェリーにとっては、そっちの方が重要事項だよ。
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