ただいまー。
さっき海から帰ったよー。
楽しかったけど、変なこともあったし、微妙かな。
参加者はバイヨネットグループ5人、ミューズグループ7人、それに摩耶様の計13人の大人数。
ワンボックスカーなど4台連ねて行きました。
チェリーのトップレスも裸体でのお給仕もできませんでした。
ミューズのグループに、初めて会うチェリーと同じ歳の女の子がいたからなの。
とにかくきれいな子。可愛いんじゃなく、とにかく上品できれいです。
色白で身体はほっそりしてるけど、チェリーのようにガリガリさんじゃなくて、上品に均整のとれたスタイル。
声は透き通るようなソプラノです。
名前はサラさん。
隣市に住む子で、声楽、フルート演奏、絵画も得意で、何度も全国大会に出場してるそうです。
サラって名前、ユダヤ系かと思ったけど、ミューズのお姉様から聞いたところ、インドの芸術の女神である
サラスバティーからとったニックネームだそうです。
日本では弁天様だね。
チェリーとユッコちゃんが挨拶したけど、
「よろしく」
って簡単な返事しかしてくれないの。
海に着いて、チェリーとユッコちゃんはお姉様方の荷物や食材を入れたクーラーを運ぶんだけど、サラさん
は全くしません。
ミューズのお姉様方も、それが当然って感じです。
不思議な子だな?
荷物を運びこんだら、すぐ海です。
買ってもらったばかりの上が全く似会わないビキニを着けたチェリー。
うーん、やっぱり不自然だ。
青空の下のお姉様のすばらしい身体がまぶしすぎます。
お姉様方が海に入っている間、チェリーは砂浜で荷物の番。
ユッコちゃん、アズ様が呼んでるよ。
番犬はチェリーだけで十分だよ。行っておいでよ。
一人残ったチェリーの所に、理子様が海から上がってきました。
「チェリーちゃん、せっかく海に来たのに気を使わせて悪いわね。」
いえ、理子様。楽しいですよ。お姉様方のきれいな姿を見るだけで幸せです。
「あのね、サラちゃんのことだけど・・」
理子様のお話では、サラさんはミューズグループのマスコットのようです。
平たい話が甘やかされてるってことみたい。
「迷惑かかったり、嫌な思いするかもしれないけど、ごめんね。」
いえ、理子様。御心使いありがとうございます。
サラさんって、それだけ芸術的な才能に溢れてるんでしょうね。
チェリー、うらやましいな。
「チェリーちゃん、貴女、良い子ね。」
理子様、にっこり笑ってくださいました。
ユッコちゃん、アズ様が荷物の番を代わってくださって、チェリーもお姉様と波に戯れました。
わざと波にさらわれそうなふりをしてお姉様の足にしがみついたり、お姉様から引っ張られてバタ足したり。
とっても楽しかったです。本当に。
夜は定番のバーベキュー。前の日、チェリーとユッコちゃんで仕込みしました。
火をおこしたりお皿を配ったり、色々気を使うけど楽しいの。
チェリーは若いから、お姉様方のために働かなくちゃ。
お肉が焼けて、飲み物が回ったら摩耶様の音頭で乾杯です。
チェリー達はジュースですね。
ワインの炭酸割りを飲まれる方が多いんだ。
アズ様はやっぱりビールです。
お姉様はハイボール。ウイスキーを冷えた炭酸で薄くわったやつ。
お姉様、あまりアルコールはお強くないから・・。
乾杯の後、全員の紹介がありました。
最初は摩耶様の事を理子様がご紹介。
それから理子様から始まってお姉様方が自己紹介、仲間による紹介と続きます。
いよいよ15歳組。
ミューズのリーダーが
「ニューフェイスを紹介します。」
って言って、サラさんの紹介を始めました。
芸術面で凄い才能。たぐいまれな美貌。凡人の及ばない鋭い着想力の持ち主。
創造主から愛された恵まれたる少女。ミューズの秘蔵ッ子。
だそうです。
サラさん、照れ笑いもせず、真面目な顔で紹介を受けてます。
さすが、芸術家の集団だなって思いました。
アズ様、ビールの酔いが早いみたい。
負けじと、ユッコちゃんを誉めたたえる演説を始めたけど、やや格調が下がってます。
ユッコちゃん自身は、恥ずかしくて堪らないみたい。
お酒飲んでないのに、アズ様と一緒に真っ赤になってます。
最後にチェリーの紹介。
お姉様が立ち上がりました。
「これが、私の奴隷犬チェリー。
できることはあまりありません。
家事一般のほか、普通の人並みの事ができるくらい。
弱点は多いです。
弱虫、甘えん坊、目の前の事しか見えない視野の狭さ。
すぐ突っ走るおバカ。
困ったら聞けば良いのに、乏しい自分の力で何とかしようと焦って、自分を追い込む。
その他、諸々。
良い点
特にありません。
自分では、私が地獄に行く時は一緒に行くつもりのようです。
私もそれは拒否するつもりはありませんけど。
以上。」
チェリー、恥ずかしいけど涙が出てきちゃったよ。
嬉しくて。とても嬉しくて・・。
飼い犬にとって、最高の誉め言葉だよ。
バイヨネットの皆と摩耶様は、意味を分かってくれたみたい。
ミューズの方々には、分からないだろうね。それで良いんだ。
それからは。サラさんを中心にして盛り上がりました。
サラさんの歌はさすがに素晴らしかったです。
アヴェマリアなんか原曲で歌うの。
夜の海に流れて行く歌声は感動的。
チェリーは、皆さんが上手く盛り上がって楽しんで頂けるように気配りです。
汚れものを下げたり、飲み物をおつくりしたりなの。
解散したのが10時です。
チェリーとユッコちゃんがお片づけ担当。
ごみ袋を車に乗せようとしてたら、お姉様、摩耶様、理子様が近くに来ました。
チェリーに気が付いて無いみたい。
摩耶様、理子様がお姉様に話しかけてます。
「スノー、何故なの?」
「貴女、チェリーちゃんに何か言ったの?」
「何も言ってません。チェリーの意思です。」
「チェリーちゃん、せっかくの海が楽しめなかったんじゃ・?」
「いいえ、あの子は楽しんでますよ。
皆のお世話することでも、チェリーは嬉しいんです。」
「スノーから誉められるから?」
「近いけど、違うと思います。
自分のことで、私が誉められるのが嬉しいんです。」
「つまり、良い奴隷をお持ちですねって事?」
「上手く説明できませんが、そう思って下さってけっこうです。」
えーっと、またチェリーのことでもめてるみたい。
でも、お姉様はチェリーの気持ちが分かってくれてます。
それだけで、チェリー幸せなの。
一晩明けた今日になって、急にサラさんの態度が変わりました。
「私にできることないですか?
なんでもするから、教えてね。」
どうしちゃったんだろう?
ええ、じゃあお部屋のゴミを集めてくれる?
「はい、ゴミ袋これでいいんですね。}
サラさんが出て行った後で、ユッコちゃんが教えてくれました。
「アズ姉様、サラさんに言ったんだって。
チェリーちゃん、成績が県下4番で、生徒会長で、男性3人を敵に回して大立ち回りして、怪我
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