2020/06/01 13:30:30
(IwH.jrsb)
その人とは、新宿2丁目のとある女装子と女装子目当ての人が集まるお店で、お客同士という形で出会いました。
年齢は70代前半で、ちょっと片足が不自由な方でした。足は以前に脳梗塞をやった後遺症らしいです。
私はその日は、黒髪のウィッグにTシャツ、レディースのジーンズ姿でお酒を飲んでいました。その方はネクタイを外したスーツ姿でした。先に入っていた私に、来店してすぐ声をかけてきました。
何時頃来たの?から始まり、社交辞令で色々とほめてくれてという感じで話をしました。
紳士という感じではなく、気のいいおじさんという雰囲気の人でした。
やがて今コールセンターで時給1100円で働いてる話を私がすると、その人は、自分は〇〇で理事をしていたが今は定年退職して、そこからちょっとした仕事をもらってのんびり暮らしていると話しました。
理事をしていたという会社が、わりと大きな会社だったので、最初は嘘を言ってるのかな?と思いました。
けっこう大胆に私の手や太ももを触ってくるので、お店での遊びに慣れてるのかなと感じましたが、無邪気さがあって憎めないタイプでした。
当然のように、ホテルに行こうと誘われました。
私が断ると
「じゃ普通の飲み屋で飲み直しませんか?知ってるお店があるから」
そう言って誘ってきました。
なんだかんだやりとりして、結局は1時間だけということで、そのお店に向かいました。
お店は静かなバーで、2丁目から通り一つ越えた新宿3丁目の雑居ビルの二階にありました。
その人が足が不自由なので、急な階段をゆっくりと上がりました。
2丁目のお店とはうってかわってバーでは一切私の体に触ったりはしませんでした。
彼がウイスキーの水割り、私はカルーアミルクを飲みながら、色々なことを聞かれました。
「いつから、女装は始めたの?」
とか
「男性が好きなの?女性が好きなの?」とか
「休みの日は何してるの?」
とか……
そのうちその人が
「私のところで簡単な書類書きをするバイトがあるんだけどやらない?」と聞いてきました。
怪しい話だと思った私は「え…」とか「時間があれば」とか言ってかわそうとしました。
でも、正直、コールセンターの派遣で先が見えない中、その人の社会的立場が本当だったら自分を引き上げてくれるんじゃないかという不純な気持ちから、熱心に話してくるその人のバイトの話をOKすることにしました。
名刺を渡されて、連絡をする約束をして、その日は高田馬場のアパートまで一人で歩いて帰りました。
続く