2018/10/05 00:18:43
(8s4WYa8O)
別視点
物心ついた時から、女装に憧れていた。
スカートをはきたいと思い、映画やドラマ、小説、漫画で女装や入れ替わりものを探しては隠れてむさぼるように楽しんでいた。
『転校生』、『パパと娘の7日間』、『とりかへばや物語』、谷崎潤一郎、遠藤周作、『らんま1/2』、『海月姫』…
大学に入って女の子とつき合ったりして、それも楽しかったけれど同時に彼女たちの身体やファッションといった物を羨んでいた。
一人暮らしをするようになり、当時の彼女と遊んだ流れで
(というか仕向けた流れで)女装を始め、のめり込んでいった。
時々、理性が強くなって用品を捨てたりしながらも、
少しずつ服や下着、メイク道具は増えていく。
同時に、今となっては拙い姿ながら、彼女以外の誰かに認知されたいという気持ちが強まっていった。
初めは抵抗を感じながらも、ネットを使って他の人と会うようになり、
それでも性的なことには一線を引いていた。
ただその後一人になってから、自分が女性として扱われHすることを妄想し一人果てる、そんな状態。
踏み越えたきっかけは、何だったろう。
初夏の公園のベンチ、あたしはお水系のカッコだった。
ミニスカとキャミのスーツに、ちょっと派手目のメイク。
お酒でも飲んだのか、色々話した勢いだったのか、
「コンドームありなら、フェラするよ♪」と言っていた。
さんざん、ネットの書き込みや女装小説を読んで、試してみたくなっていたのだ。
初めて触れた他人のペニスは小ぶりだった。
コンドームをはめ、思い切って口を近づけ舌先で舐めてみる。
鼻をついたのは、ゴムの匂い。
唇を開き、ペニスの先から少しずつ、あたしの口の中に収めていく。
とうとう壁を越えたという達成感と、やっちゃったというわずかな罪悪感がないまぜになった昂ぶり。
根元に手を添えて唇で撫で、歯を立てないように舌を絡め、吸い込む。
彼の声や反応を窺いながら、こうしたらいいかなと探り、夢中になって取り組んだ。
口が疲れ、しばらく手でしごいてから、再び口に入れまた疲れそうになる頃、
「…いきそう。」と言われ、すぐに脈打つかのように痙攣した後、コンドームがふくらんだのが分かった。
あたしは、初めてを味わった充実感の中にいた。
振り返ると、キスや愛撫もなしでよく満ち足りた気になったものだと思う。
それから、公園に行ったりブログ漬けになったりした。
でも長くなったので、その辺はまたの機会に★