2016/05/25 13:14:46
(feoiTMgb)
(つづき)
そんな、お互いの「程合い」がわかり、じらし合い長引かせ合える感覚は、これまでの(女性を相手にした)どんなセックスにもなかったものです。
そして、そんな感覚で、やがて、お互いがもう我慢の限界に達したことも、よくわかりました。
どちらからともなくその行為をやめ、上体を起こしたあたしたちは、どちらからともなく抱き合い、深いキスを交わし合いました。
お互いのものから分泌した「味」が、口の中で混じり合い、あたしはそれに、しあわせを感じました。
‥‥この人となら、こんなふうにわかり合えるんだ。
その「しあわせ」は、こちらをやさしく見つめてくる彼の瞳の中にもありました。
でも、うずきつづけている体に「決着」をつけなければならないことも、お互いよくわかってました。
「ちょっと、待っててね」
彼の体から離れたくないという思いを抑え、そう言ったあたしは、ベッドを立ち、さっき化粧直ししたときにミラーの前に置いたバッグをとって、急いで戻りました。
そして、ふたたび強く体を抱いてきた彼の腕の中で、バッグを開け、ふたつのものを取り出しました。
ひとつはコンドーム(そのホテルにも、当然備え付けのものはあったんですが、それより、あたしの買ってきたものの方が、グレードが高そうだったので)。
そしてもうひとつは‥‥。
「なに、それ?」
「ん? ‥‥ローション」
あたしが顔を赤くして小さな声で言うと、彼は「やっぱり、そこまでシミュレーションしてたんだ」とからかうように言いました。
「もお」
あたしは、キスでその口をふさいでから、「『ロストバージン』に怯えてる女の子の気持ちがわからないなんて、男の子って、デリカシーないのね。クスン」とふくれてみせました(今度は実際に泣いたわけでなく「クスン」まで含めてセリフです)。
「ふふ、ごめんね」
彼はそう言って、キスをお返ししてくれました。
そのあと、あたしが、コンドームの袋を破こうとしたところで、彼がまた言いました。
「それ、つけないと、やっぱり心配?」
LINEや電話でのやりとりで、お互い、ここ一年以上、(配偶者を含め)誰とも性交渉はなく、その手の病気も持っていないことは、よくわかってました。
「ううん、そういうことじゃなくて、マアくんにいやな思いさせたくないから」
「かおちゃんとなら、いやな思いなんてしないよ。それに、そのために、さっきかおちゃんは、きれいにしたんだろ」
「‥‥いいの?」
「ああ。僕は、かおちゃんをナマで感じたいし、かおちゃんの中に証拠を残したいんだ」
その言葉に、あたしは、ふたたび彼に抱きつき、キスしてました。
「じゃあ、あたしが塗ったげるね」
彼の唇から口を離したところで、あたしはそう言って、ローションの小瓶を手に取りました。
とろっとした液体を手のひらに出し、あぐらをかいた彼の真ん中で突っ立っているものを両手で包むようにして、塗っていきました。
ぬるぬる滑る手の中で、彼のものがまた、ぐいッ、ぐいッと、大きくなりました。
あたしはそれを、(まるで子供の頃やった粘土遊びのように)楽しいことだと感じてました。
彼の方は、後ろに両手をついて上体をそらし、天井を見上げるようにして、その刺激に耐えています。
塗り終えたあたしは、そんな彼のほっぺたに「チュッ」とキスし、ローションの瓶を手渡しました。
「ここから先は、男の子がリードしてくれなきゃ、女の子には、どうしていいか、わからないわ」
あたしがまた、冗談めかして言ったのに対し、彼の方は、真剣な顔で見つめてきました。
「ほんとに‥‥いいんだね?」
その言葉と表情に、あたしは、彼が、これからしようとしていることを、重大なことだととらえてくれていることに、つまり、あたしのことを(女として)大事に思ってくれていることに心が震え、真顔になってうなずきました。
と、彼はあたしの頬を両手で包むように持って、キスしてきました。
そのキスにも、真剣味がこもっているように感じ、あたしも唇を強く押しつけました。
でも、そこに、真剣さと同時に、緊張のようなものがあるのも感じ、やっぱり、彼をもっと気軽にしてあげようと思いました。
「そうだ。こういう時、女の子には言わなきゃいけないことがあるのよね」
「‥‥ん?」
彼が問い返すように見てきたので、あたしは、うつむいて、上目づかいにおびえた表情をつくり、言いました。
「初めてだから、やさしくしてね」
一瞬、彼はまた真剣な顔で見つめ返しましたが、あたしの芝居がかった表情に、「ふふ」と笑い、今度は強引なキスをしながら、あたしを押し倒しました。
そこからしばらく、また、お互いの体をまさぐり合い、じゃれ合うようなキスをつづけましたが、やがて、彼の唇が、あたしの首筋から乳首、おへそ、ガーターベルトへと下りていき、もう一度、あたしのものを軽くくわえたあと、さらにその下へと移動していきました。
「‥‥ぁんッ、ぃや‥‥んん」
彼の唇がアヌスに触れたところで、あたしは大きく体をふるわせました。
そんなところにキスされるのは、もちろん生まれて初めてのこと。
そこへの物理的な刺激に感じるというより、その事実を前に(変な言い方ですが)なんだか自分の人格が崩れていくような、そんな心のふるえが、あたしの全身をふるわせてました。
さらに彼は、そこをなめてきます。
「‥‥ぁあん、だめぇ」
あたしが、大きな声を上げて悶えている間に、彼は、ベッドの上に転がっていたローションの瓶をとったようで、気がつくと今度は、ぬるぬるした彼の指が、そこをなでたり揉んだりしはじめました。
「ん、ぅん~ん」
その刺激に、あたしがまた身をふるわせていると、穴のあたりをこねるようにしていた指先が、そこに侵入しようとする感覚がありました。
思わず力が入り、あたしは逆に、そこをぎゅっと閉じてました。
さっきはバスルームで、自分の指を突っ込んで洗ったのですから、そこをゆるめる感覚はわからなくないのですが、他の人の指が入ってくると思うと、どうしても恐怖心のようなものが湧き、そこをとりまく筋肉が収縮してしまいます。
そんなあたしの反応に懲りることなく、彼はそのあたりをマッサージしては指を入れようとする行為を何度か繰り返しました。
たぶん、力づくでねじ込めば、突き立てることもできたのでしょうが、彼はそうはしませんでした。
「ごめんね。ちょっと‥‥怖いの」
首をもたげたあたしが言うと、ひざを立てたあたしの脚の間で、彼はやさしい笑顔をこちらに向けました。
「うん、焦らなくてもいいよ。僕の方こそ、初めてで、うまくできなくてごめんね」
と、そこでちょっと考えるようにした彼は、ふたたび、ローションの瓶を手に取りました。
そして、手のひらに、それを大量に出しました。
‥‥もう一回、塗り直すんだろうか?
あたしがそう思った瞬間、彼は、そのローションが滴る手で、ちょっと萎えかけていたあたしのものをつかみました。
強い力で握られた刺激と、それがシャフトや亀頭をつるつる滑る刺激とで、あたしのものはまた強烈に勃ち上がり、あたし自身も、腰を跳ね上げるようにのけぞって、大きな声をあげていました。
「あ、ああ~あ」
そして、跳ね上げた腰が、ふたたびベッドに着地した瞬間、お尻の穴に、なにかがぬるっと滑り込みました。
あたしの力が抜けた一瞬をとらえ、彼が指を差し入れてきたようです。
「‥‥んっっ」
お尻の中に入ったものが、もぞもぞ動きながらさらに深く侵入してくる奇妙な感覚に、あたしは、というより、あたしの体自体が、戸惑いました。
いち早く、気味悪い他者ととらえたらしい括約筋は、それを排除しようと、また収縮しました。
「ぉッ! ‥‥へえ、かおちゃんのおまんこって、ほんとにきつく絞まるんだね」
「‥‥ぃやん」
彼があえて使ったらしいその言葉が恥ずかしくて、あたしはベッドに押しつけた肩を揺らしました。
そのことでまた力が抜け、瞬間、彼の指がさらにずぶずぶっと体の中に入ってきました。
「‥‥ぁあッ」
さっきからの奇妙な感覚に、ちょっと痛みも加わり、あたしはさらにのけぞりました。
でも、(明確な感触ではないものの)その指が体の中をもぞもぞと探るのを、なんだか気持ちいいものとも感じ始めていました。というか、これまで誰にも見せていなかった自分の内面を、初めて誰かに知られるくすぐったさ、とでも言ったらいいでしょうか。
と、その動きがある一点に触れた瞬間、体の奥がじんとしびれました。
「‥‥ぁ、あんッ」
痛みのせいでまたちょっと萎えかけていたあたしのものが、いきなり、ぴんッと勃ちました。
それであたしは、知識としては知っていた「前立腺」というものを、初めて実感しました。
あたしの体がピクンと震えたことで、彼も、それに気づいたようで、もう一度そこを探るようにしたあと、何度も攻めてきました。
「あ、ぁん、ぁん、ぁん‥‥」
あたしは頭の後ろをベッドに押しつけ、首を振るようにして悶えていました。
と、彼が言いました。
「かおちゃんって、ほんとに女の子だね」
男独自の機関を刺激され悶えるあたしを見て、彼は、そう感じたようです。
「そうか、ここが、かおちゃんのGスポットなんだ」
その言葉を恥ずかしいと思うことで、逆に、あたしの中に多少は残っていた男としての照れが完全に崩れ、あたしは、これまで自分でも聞いたことがない甲高い声をあげていました。
「あ、あ、あ~ッ、ぃや~ん」
「かわいいよ」
彼がまたそう言ったことで、今度は、お尻の絞まりがゆるんだのが自分でもわかりました。
その瞬間、そこにまた、痛みが走りました。
どうやら、二本目の指が入ってきたようです。
その二本の指で、中をかきまわされ(その上、何度も「Gスポット」をなでられ)、あたしはもう、誰はばかることなく大きな声を上げていました。
「あッ、アッ、ダメ‥‥ん~ン、イヤ~ん」
そんなことがしばらくつづいたあと、突然、二本の指が抜かれました。
ぽっかり穴が開いたままという感覚が残り、そして、そこが、去っていったものを追い求めるように、ヒクヒクと動くのもわかりました。
と、彼は、ひざを立てて開いていたあたしの両方の足首をつかみ、さらに開かせながら、肩の上に担ぎ上げました。
そして、あたしの股間ににじり寄り、覆い被さってきました。
あたしの体は、彼の体の下で大きく折り曲げられ、腰も持ち上げられて、その部分もちょっと上向き加減に晒されました。
と、そこに、なにかが押し当てられる感じがあり、次の瞬間、彼が腰をぐいっと突き出したのにあわせて、ずぼっと入ってきました。
その瞬間まず感じたのは、「痛い」というより「熱い」という感覚でした。なにか強烈に熱を発するものが、体の中に入ってきた気がしたのです。
実際あのとき、彼のペニスは、そうとう熱くなっていたんだろうと、今でも思います。
それが痛みに変わったのは、彼がさらに奥へと進もうとしてきたときです。
「‥‥痛ッ! ‥‥お、お願い。ちょっとの間、動かないで」
あたしが懇願すると、彼はその動きを止めてくれました。
でも、あたしの括約筋の方が、その痛みに耐えかね、けいれんするようにヒクヒク動いています。そして、そのけいれんごとに、断続的に痛みが襲います。
それで、なんとか心を静めようと、息を整えていると、あたしはちょっと奇妙なことに気づきました。
あたしが痛みを感じるごとに、つまり括約筋がけいれんするごとに、彼も、「うッ‥‥うッ‥‥」と小さな声を上げます。
どうやらそこが急激に絞まることで、あたしの方は痛みを感じ、彼の方は(短い)快感を得ているようなのです。
それに気づいたことで、あたしは、そこの「使い方」が、なんとなくわかった気がしました。
それで、けいれんのような速い動きをなんとか抑え、そのかわりに、そこをゆっくりと、でも、ぎゅーっと絞めてみました。
「あーッ」
彼が、さっきまでより大きな声を上げ、首をのけぞらせました。
あたしの方も、(まだ痛みはありましたが)さっきまでの激痛は感じずにすみました。
そこで力を緩め、もう一度同じことを繰り返しました。
さらにもう一度そうしたところで、彼も、あたしの変化に気づいたようです。「いいの?」という目を向けてきました。
あたしもそれに、うなずき返しました。
彼のものがまたゆっくりと前進し、あたしの中へと入ってきます。
その途中、一瞬、腰の中心が、というか、あたしの本来の性器からつながっている奥の方が、じんとしびれ、全身が震えました。彼の亀頭が、例の「Gスポット」をなでたにちがいありません。
そして、それが、さっき指では届かなかったところにまで侵入し、彼の腰があたしのお尻に密着して体重を伝えてきたことで、道程の最後までたどり着いたのがわかりました。
「ふーっ」
そこで、あたしは、思わず大きなため息をついてました。
「だいじょうぶ?」
そんなあたしの顔を見て、彼が聞いてきました。
そのやさしいまなざしに、あたしは、この人の願望を叶えてあげるためならどんなことでも我慢できる‥‥この人にならすべてを捧げてもいい、と(本気で)思いました。
「ぅん」
あたしも彼を見返しうなずいたあと、こうつづけました。
「‥‥して」
‥‥「犯して」と全部言うのは、やっぱり恥ずかしかったんです。
と、彼の体がゆっくりと後退していき、一拍おいて次の瞬間、さっきより速く、強く、突いてきました。
「ひ、あーッ!」
体全体を貫くような痛みが走り、あたしは、後頭部をベッドに押しつけるようにして、悲鳴に近い声を上げてました。
さらに、それが、二回三回と繰り返され、あたしは必死でその痛みを我慢しました。
‥‥こんなに‥‥痛いほど激しく、この人は、あたしのことを欲しがってるんだ。
そんな思いが、あたしを耐えさせました。
さらに彼の突きが速さと強さを増し、そのたびにのしかかってくる体重で、不自然に折り曲げられた腰あたりにも苦しさがたまってきました。
でも、その頃になると、一方で自然に、そしてもう一方では、さっきなんとなく会得したアヌスの「使い方」を思い出し、あたしはその突きに呼吸を合わせられるようになってました。
文字通り彼の呼吸に自分の呼吸を合わせ、突いてくるときにはそこを絞め、引くときには緩める。
そうすることで、痛みは薄らぎました。いえ、薄らいだというより、その痛みをコントロールするコツがつかめたと言った方がいいかもしれません。
痛みは相変わらず感じていましたが、その間合いがわかり、それを、ある意味“スリル”ととらえられるようになってました。“彼に犯されていくスリル”と。
と、そこで、腰の奥に、さっき一度感じた、しびれるような感覚が起こりました。
「‥‥あッ!」
全身が、跳ねるようにふるえました。
さらにそれから、何度も、その感覚が襲いました。
彼の腰が往ったり来たりする、そのピストン運動に合わせ‥‥往きも、帰りも‥‥。
全身の神経を駆けめぐり、しびれさせるその感覚に、さっきまでの痛みも忘れ、思考も停止し、あたしはただただ、「あッ、あッ、あッ、あッ‥‥」と、体を波打たせました。
でも、そんな状態がちょっとの間つづき、多少慣れたところで、あたしは唐突に、この刺激の正体がわかった気がしました。そして、あたしの中を往ったり来たりしている彼のペニスを実感しました。勃起すればするほど反り返るその「かたち」を。
反り返ったその先端が、例の「Gスポット」を、圧迫しながら往復しているにちがいありません。
これまでの人生で一度も味わったことのないその強烈で連続した刺激に、あたしは、また唐突に、相性ということを感じました。
あたしと彼との相性の良さを。
彼のペニスの形や角度と、あたしの前立腺の位置や感度は、奇跡的にぴったりなのにちがいない。そう思いました。
だから‥‥
‥‥もしかしてあたし、運命の人と出会えたのかもしれない。
そんなふうに思いました。そして‥‥
‥‥そうか。これが、セックスの悦びってことなのね。
そんなふうにも思いました。
その悦びをもっと完璧なものにしたくて、あたしは、あえぎながら、言ってました。
「‥‥あッ、あッ‥‥マアくん‥‥キス、して」
その言葉に、彼は、さらにあたしにのしかかり、顔を近づけようとしました。
でも、あたしの脚を両肩に担ぐようにしているせいで、ある程度以上は進めず、求め合う唇どうしに、微妙な距離が残りました。
それが、あたしの背骨や腰の柔軟性の限界でした。
そのきしむような痛み以上に、彼の唇に触れられないことが悲しくて、あたしは、必死で首をもたげ、さらに体を折り曲げようとしました。
と、速いピストン運動をつづけながら、そんなあたしを見ていた彼が、あたしの両脚を肩からはずし、その内側に腕を回してベッドに手をつき、顔を寄せてきました。
ところが、そのせいで、今度は、「重し」のなくなったあたしの体が伸び、持ち上げていた腰の角度が保てなくなりました。
そして、さらにそのせいで、体の中でつづいていた強烈な、でもしあわせな刺激が遠のき、ついには、彼のものが、あたしのそこからはずれそうになりました。
「‥‥あ」
あせったあたしは、両腕を自分の両腿にまわし、そこを強く引き寄せ、抱きかかえるようにして、なんとか元の姿勢に戻しました。
と、体の中の刺激も戻り、さらに、彼の唇があたしの唇に届いて押し当てられ、その舌が(腰の動きと連動して)口の中をかきまわしました。
体の上と下の粘膜でつながっているその感覚に、あたしはさらに大きなしあわせを感じました。
そして、その「しあわせ」を、さらに実感したくて、腰が伸びないように気をつけながら、腿を押さえている手を徐々にお尻の方に這わせ、彼の腰が激しくぶつかっている部分に差し入れました。
ごわごわした彼の陰毛を感じながら、指先をその位置まで持って行くと、指の間で、これまででいちばん太くなった彼のものが、あたしのそこを出たり入ったりしているのがわかりました。
「‥‥あッ、あッ、‥‥あたし、マアくんと、つながってる」
彼の口の中に向かってあえいでいたあたしは、ちょっと唇を離し、思ったままを声にしました。
でも、その言い方ではまだ、あたしが今感じている心のふるえをちゃんと言い表せてない気がして、より具体的な言葉で言い直しました。
「‥‥マアくんの、おちんちんが、あたしの中に、入ってる」
その言葉に、彼の動きが強まったのを感じ、あたしは、彼の耳元に口を寄せ、ききました。
「ああッ‥‥あたし‥‥あたし、女?」
「あ、ああ‥‥そうだよ。かおちゃんは、女の子、だよ」
その言葉に、あたしはさらにしあわせを感じましたが、それでもまだ物足りない気がして、首を振りました。
「だめぇ、‥‥かおるって、呼び捨てにして」
と、少し顔を上げ、こちらを見つめた彼は、腰の動きに合わせるように、言いました。
「そうだ!‥‥かおるは、‥‥俺の、‥‥女だ!」
「かおるちゃん」でなく「かおる」と呼ばれたことに、彼が、ふだんの「僕」でなく「俺」と言ったことに、そして「女の子」でなく「女」と認めてくれたことに、あたしは、さらに心のふるえを感じました。
そして、つづけました。
「もっと‥‥、もっと‥‥、かおるのこと、女にして」
さらに――
「マアくんの、おちんちんで‥‥男だってこと、全部、忘れさせて」
――と口走ってもいました。
と、そんなあたしの願いを忠実に実行するとでもいうように、つまり、あたしの中の男の要素を粉砕するとでもいうように、彼はそのハンマーを、強く、激しく、打ちこんできました。
それに合わせ、彼の睾丸が、あたしのお尻を、ひたひた打つのも感じ、あたしは大きくあえいでました。
「ああーーーッ」
と、彼も、「う、うッ‥‥」とうなったあと、言いました。
「‥‥イキ、そうだ」
「ああ‥‥、来て、来て。‥‥あたしの中に‥‥いっぱい、出して」
あたしは、ほとんど叫んでました。
その瞬間、彼の体が、折り曲げたあたしの全身を押しつぶすとでもいうように、強くぶつかってきました。あたしの体の中で、何かが跳ねるような、というか、はじけるような感覚が伝わりました。
彼はそこで、「うッ、うッ、うッ」といううなりとともに、これまでとはまたちょっとちがう、押しつけるようなピストン運動を数回しました。
そのせいで、あたしの体はさらに折り畳まれ、苦しい思いもしましたが、同時に、お腹の中に温かいものが満ちていくのも感じ、あたしの心は、文字通り満ち足りていきました。
この時点では、あたし自身は射精しませんでしたし、(たぶん)オルガスムには達してませんでしたが、それでもあたしは、じゅうぶんに満足してました。
突っ張っていた力が抜け、あたしの上に崩れるようにのしかかってきた彼の体を抱きしめ、汗がにじむその背中をなでながら、さっき、彼が言ってくれたことを、かみしめてました。
‥‥あたし、ほんとに、女になれたんだ。
そんな体勢になったせいで、彼のものがはずれ、ぽっかりと開いたままのあたしのそこからは、まるでお漏らしでもするように何かが逆流していましたが、それすら、あたしにはしあわせの証に感じられました。
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それからあとも、あたしと彼との間には、しあわせなことがいろいろつづいてます。
この日のことにしても、翌日の昼近く(ホテルの延長料金を払って)、二人でいっしょにシャワーを浴びながらしたことまで、書きたいことは、まだまだいっぱいあります。
でも、さすがにこれだけ書くと疲れます(まあ、書いてる途中、その時の興奮がよみがえってきて、余分なことをしてたせいで、ということもあるんですが)。
いえ、それ以前に、これだけしつこく、くどく書いてると、もうすでに、みなさんから嫌われてる感じもします。
だから、この辺でやめときます。
それでも、もしよかったら、感想とか、ください。