2023/01/11 15:40:20
(h1.uEOkJ)
耳を疑いました。
ほんの30分ほど前、向こうの社長から私の会社の社長に連絡があったそうです。
私の事が気にいったから、しばらく運転手として貸して欲しいと。
しかも、私を向こうの取引に同席させて勉強もさせて返すからと、新たな取引受注と共に依頼して来たらしい。
準備ができ次第という話だったらしいが、失態が一転、大きな取引になったもんだから、ウチの社長は上機嫌で私に今日からすぐ行くようにと、いきなりの出向命令でした。
引き継ぎもそこそこに、私はY物産に向かい、受付で名前を告げるとすぐに社長室に通されました。
ホテルで別れてから、まだ3時間も経っていませんでした。
社長室に入ると、社長の隣にはモデルのような容姿の、凜とした知的な女性秘書の方が居ました。
二人に挨拶をし、私の仕事内容を尋ねました。
「硬くなるな、お前の仕事は決まってるだろ、ワシの愛人、ワシの性欲を満足させる事じゃ」
「ちょ、ちょっと社長、彼女の前でそんな冗談を」
焦りました、第三者の前で、しかもこんな美人の前で男の愛人だなんて言うなんて。
彼女は何も言わなかったが、明らかな軽蔑の眼差しに、穴があったら入りたかった。
こんな事言われて、私はこれからしばらく彼女と一緒に仕事をしなければならないのに、どうしていいかわかりませんでした。
彼女は、鼻で笑いながら狼狽える私をスルーして、社長に当日のスケジュールを説明を始めていました。
ひとつの大きなミスが、こんな地獄を招くなんて、悔やんでも悔やみきれませんでした。
「おい!聞いてるのか?早く車の準備をせんか!」
あまりのショックに、何も耳に入っていませんでした。
正面に車を付け、社長を後部座席に乗せ、反対側のドアを開けて彼女を乗せようとしたのだが、彼女はさっさと助手席に乗り込んでしまった。
初めての私の道案内だからということだった。
彼女の指示の通り車を走らせる。
「そこの駐車場に入って」
あり得ない場所だったので、思わず彼女の顔を見てしまいました。
「ちょっと危ないじゃない!ちゃんと前向いて走って!もう!通り過ぎちゃったじゃない、ぐるっと回って」
彼女が入れと言った駐車場は、私がさっきまで社長に凌辱されていたラブホテルでした。