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2020/07/05 05:09:38 (SWWJoNpF)
アナニー、いわゆるアナルオナニーという言葉を知ったのはいつだったか。中学生くらいだっただろうか。それを知った当時はそんなものもあるのか、と思った程度で、自分のアナルに物を挿入れるなんて露ほども思っていなかった。

 大学に入って彼女ができたり童貞を捨てたり失恋したり、それなりに人生経験を積んでから、そういえば、と再びその存在に巡り合った。
失恋でやけになっていた当時の俺は、好奇心に端を発して手を出してみたものの、最初は全くと言っていいほど気持ちよくなかった。それよりも異物感で痛いというより気持ち悪くて、やっぱりここは出口だ、俺のアナルの役割は一つしかないと後悔した。
 それでもそこは性欲に溢れる男子大学生、男のそれとは全く異なるという快感への興味を捨てきれなかった。
もしかしたらやり方が悪いのかと思い、ネットでやり方を調べて、ケツをシャワー浣腸で洗浄し、ローションも揃えて準備万端で挑んだ。時間をかけて何度か試すうちに少しずつ気持ちいいと感じるようになってきた。
アナルに入れてから動かして、前立腺を探り刺激しながら前を扱いて射精すると、抜群に気持ちよかった。これまでのどんな性体験よりも。正直、童貞卒業のときより気持ちよかった。

 そこからはもう、肉体的な快感と背徳的な行為に対する精神的な快感、トライアンドエラーの快感などがないまぜになってどんどん後戻りができなくなっていった。最初は細いペンから始めたそれも、じきにエネマグラ(これに手を出したのがいけなかったと今では思う)、小さなローター、果てにはディルドにまで行き着いた。ネット通販様々だ。
 履歴を見られたら死んでしまう。
 とにかく今では通常の、自分のそれと同程度の大きさのディルドを易々と咥え込めるまでに俺のアナルは拡張されたのである。

 ここまで来ると恐ろしいことに、体は更なる快感を求める。好奇心とはげに恐ろしいものである。
 未知なる快感、どうしても本物のチンポをケツで味わってみたかった。
 男に抱かれたいわけではない、好きになるのは今だってちゃんと女子だ。おっぱいは至高。
 ただ、本物の体温のあるチンポがほしい。好奇心の範囲で。ホモとかじゃなく。
 多分一回挿れたらこんなもんか、と落ち着く気がする。一度でいいから生身の人間に穿たれたい。めちゃくちゃにされて前後不覚になるまで気持ちよくなりたい。
 さて、ここで一つ問題が生じる。チンポをどこで調達するかだ。
 「悪い、ちょっと消しゴム貸して」のノリで悪い、「ちょっとチンポ貸して」簡単に借りられるものではない。
 調べてわかったのは一番手っ取り早いのはその手のサービス、ゲイ向けデリを利用することだろう。しかしいかんせん金が無い。しがない学生の身にはたった一回に1万円以上も払うのはかなり痛い。
 ただでさえアナニーグッズにかなり注ぎ込んでるし、来月にはサークルの旅行も控えている。こんなアナニー狂でもサークルの代表を務めてるので、金がなくて行けないなんて情けないことになるのは困る。よってプロ案は却下。
 かといって通りすがりの見知らぬ人にチンポを貸して言えるようなものでもない。金をかけないならゲイ向けの出会い系アプリとか、ゲイ向けの発展場なんていうものもあるらしい。
 だが、それは怖い。俺は全くもって男に興味があるわけではない。ギブミーリアルペニス、その純粋な気持ちしか持ち合わせていない。生半可な気持ちで立ち入っていい領域ではなさそうだし、どんな目に遭うかわからないし、病気とかの安全面から知らない人との行為は却下とする。
 とにかく、いくらチンポが欲しいとはいえ、その持ち主は色々な意味で慎重に選ばなくてはならない。
 となると、必然的に身の回りの人間から選ぶしかなくなる。そうなるともう俺には一人しか浮かばなかった。
 そうと決まれば思い立ったが吉日。俺は件の人物を家に呼び寄せることにした。ほんもののチンポが欲しいとぐずる前立腺を、よしよし、もうすぐ本物をやるからなとディルドでなだめる日々ともおさらばだ。


 サークルの旅行の打ち合わせと称して(というか、実際にその話をしたかったのも半分以上ある)後輩の上遠野を家に呼んで、諸々来月の旅行に向けて詰めるところを詰めた。
 そのまま家で飯を食わせて酒に付き合わせる。ちなみに我が家で飯と言った場合は金がないので99確率で鍋になるのだが、上遠野は毎度文句も言わず平らげてくれる。細身なのに意外なほどに健啖家で見ていて気持ちいい。
 今日はこれから行われるメインイベントに向けてお腹に優しく、豆乳鍋にした。これがキムチ鍋だと刺激が強すぎて、大変なことになりそうだ。
 安い時に買った冷凍していた豚肉を鍋に放り込んで、ガスコンロの火力を上げる。まだ半解凍だけどなんとかなるだろう。もやし(安くて量がある、学生のヒーローだ)をこれまた適当にどさっと入れる。たまに具を入れる順番に口を出してくるやつがいるが、俺は腹に入ればなんでも一緒だと思っている。ケツに挿入れるチンポは本物を求めてるけど。

「足りる?」
「多分大丈夫です」
「まあ後で麺入れるしな」
「なんかすいません、ご馳走になっちゃって」
「まあまあ、呼んだの俺だし」

 俺にはメインディッシュが待ってるからいいのだよ。
 ちらりと上遠野の股間に目をやるが、対面に座っている上に卓上の鍋に邪魔されて見えなかった。まずは腹ごしらえだ。腹が減っては戦ができぬ。期待する下半身を沈めて、まずは食欲を満たすことにした。いただきます。
 締めのスーパーで買った1玉20円のうどんまでたらふく食って、満腹になった腹をさすりながらシンクに皿や鍋を突っ込んだ。片付けは明日に回すことにする。

「俺洗いますよ」
「いーっていーって、明日やるし」

 イカン、三大欲求のうちの一つが満たされてしまったことで少しだけリビドーが押され気味になっている。

「小川さん家マジ居心地いいですよね」
「だろー、もうみんな居座っちゃって困るわ」
「多岐川さんとかめちゃくちゃいるイメージあります」
「あいつさぁ家で今ではここで筋トレ始めやがってフンフンうるせーから最近出禁にしてんの」
 常備している5リットルの安い焼酎をちびちびやりながらだらだらとテレビを見る。もうこのまままったり寝ちゃってもいいんじゃないか。酒も入ってるし。
「上遠野さー、もう泊まってけば?」
「いいんですか?」
「雑魚寝だけどね」
「全然いいっす、ありがたいです」

 床に半分だらけてた上遠野がひょこっと起き上がる。嬉しそうな顔しちゃって、まるで大型犬だ。垂れた耳と大きく揺れるしっぽが見えるようだ。

「じゃあ先風呂入れよ」
「じゃあ、お言葉に甘えて……」

 大学に近い我が家はサークルメンバーの溜まり場になっていて、ディスカウントショップで沢山買った、共有のスウェットと買いだめしてある新品のパンツの束が常備されている。
 上遠野とは付き合いが長いのもあって、勝手を知っているので楽だ。いちいち説明もいらない。Tシャツを脱ぎながら風呂に消えていく上遠野を見送った。
 上遠野との出会いは高校時代まで遡る。同じ高校のサッカー部の後輩、俺が二年のときに一年として入ってきた。その頃からひょろひょろと背がでかくて痩せていた上遠野とは、DFのポジションも同じで一緒に練習することも多かった。

 そして俺が高校卒業、上京して関わりがなくなったと思ったら、同じ大学の同じ学部に入学してきた。
 当時から真面目で素直な大型犬タイプで、調子に乗りやすい俺をさりげなくフォローしてくれる気の置けない後輩だ。いいやつだからこそ今回白羽の矢を立てたのだ。

「お先頂きました」

 髪を拭きながら上遠野が出てくる。上半身裸で、パンツだけは常備の新品パンツをみつけたらしい。共有寝間着を洗濯物の山から漁っている。
 男の裸に興奮する趣味はないが、5枚1000円の破格のパンツに包まれた中身には興味がある。上遠野も興奮していないので大きくなっているわけではないが、パンツ越しに見えるチンポの質量に思わずゴクリと喉を鳴らしてしまった。
 ここまで来たのだ、やるしかない。
 上遠野は無事スウェットとTシャツを発掘したらしく、お宝(いわば珍宝)は隠されてしまった。後でまた相見えん。

「じゃあ俺もシャワー浴びてくるわ」
「はーい」
「AV見てていいよ」
「見ませんよ」

 いや、マジで見てていいんだけど。上遠野は彼女だって以前はいたはずだし、俺に興奮するはずがない。でも俺は勃起したチンポに用がある。できるだけ大きくしておいていただけると助かる。

「ほらほら、動画でもいいから。俺の秘蔵のフォルダここだから」

 怪訝な顔をする上遠野にPCのエロ動画フォルダまで見せて、風呂場に閉じこもった。
 人の出入りが激しいこの家だからこそ、こっそりと俺のアナニーグッズセットは風呂の点検口の中に隠している。
 軽くアナル洗浄を済ませてローションを手にまぶす。指先にしっかり塗り込んで、左手の中指の先を窄まりに忍ばせた。

「っ……」

 蕾はローションのぬめりを帯びた指先にあっさりと侵入を許した。ずぶずぶと根本まで埋め、異物感に耐える。
 慣れてきたところで薬指も添えて二本の指を割り込ませた。少し苦しいけど、俺の体はもうこの先にある快感を知っている。学習してしまっている。

「ぅ、ぁ……」

 はあはあと息を整えているうちにその先を期待した体が熱くなり始めた。早く太いモノですっかり入り口になってしまった穴を埋められたい。気持ちいいところをずぽずぽ突かれたい。しかもこの扉の向こうには生身の成人男性がいるのだ。本物の男根を所持する人間が。
 逸る気持ちを押さえて、三本目、人差し指をゆっくり挿し込んだ。

「っ、く……」

 この圧迫感を乗り越えれば、指が三本入るようになれば俺の持っているディルドもなんとか挿入るようになると経験上知っていた。
 上遠野のチンポはでかいんだろうか。長い付き合いだし合宿や旅行や銭湯で一緒に風呂に入ったこともあるが、そんなところをまじまじ見たことはなかった。
 あくまで俺はノンケだからだ。
 このディルドよりでかいのだろうか。いつもアナニーのときに愛用している肌色のディルドを取り出して、ローションを垂らす。満遍なく塗り込めて、アナルに充てがった。

「っ! ふ、……っ」

 ずぶ、とエラの張った亀頭が隘路を押し拡げる。先端を飲み込んでしまえばあとはずるずると吸い込まれていった。
 浴室の壁に吸盤を貼り付けて、縋り付くようにして後ろに手を回し、細かく抜き挿しする。ローションがくちゅくちゅ音を立てるのが外に聞こえないか気が気でなかった。今からとんでもないことをしようとしてる自覚はあるのに、情けない格好で一人遊びをしている様は見られたくない。
 このまま気持ちよくなってしまいたい、このままいつものようにおしりを自分でめちゃくちゃにいじめてかわいがって絶頂に達したい、と喰らいついてくる胎内をなんとかなだめすかして、ずるりとディルドを抜き去った。
 これだけ慣らせばきっと問題ないはずだ。猛ったチンポをぶち込まれて、自分の意志とは無関係にガツガツと欲望のままに突き上げられて、ゴリゴリに張った亀頭で前立腺をめちゃくちゃに嬲られて、声も殺せず情けない雄叫びを上げながら絶頂に押し上げられても大丈夫。
 もちろん今から自分が襲う方だし、そんな風にめちゃくちゃにされることはないはずだ。このアパートは角部屋で隣にも下の部屋にも入居者はいない。快楽による咆哮を上げても多分聞かれることは無い。
 酒盛りしてどんちゃん騒ぎしても文句を言われたことも無かった。
 とにかく、準備はできた。太腿まで垂れたローションをなんとかして洗い流して浴室を出た。

「遅かったですね」
「んーのんびり湯船に入っていた」

 確かに普通の風呂にしてはかなり時間が経っている。ここでネタバラシ、実はお前を襲うために風呂でアナニーしてケツを慣らしてたのさ!
 ……と打ち明けてしまうにはまだ早い。もう少しのっぴきならない状況になるまで追い詰めてからだ。獲物に逃げれてはかなわない。
 上遠野はあれだけ言い含めたにも関わらず俺の動画たちには手を出していないようで、深夜番組を聞き流しながらスマホゲームをしていた。
 これじゃあ一から勃たせないと駄目だな。
 ドライヤーで雑に髪を乾かして上遠野の隣に腰を下ろす。

「小川さんいつもドライヤー短いですよね」
「だって半分くらい乾けば自然乾燥でいけんじゃん」
「ハゲますよ」
「……お前怖いこと言うなよ」
「乾かしてあげましょうか」
「んー、今度ね」

 今日はそれどころじゃない。

「つーか、お前見なかったのかよ俺の秘蔵の女子社員シリーズ」
「あ、これ女子社員シリーズだったんですか?俺も見たことある」
「ほら」
「いや見せてくれなくてもわかりますって……なんで先輩ん家で性欲抱かなきゃいけないんですか……」

 それは俺がお前の勃起チンポに用があるからだ。

「まあまあ、他にもほら、あんなのとかこんなのとか」
「……小川さん結構Mですか?」
「えっ」
「なんか……そういうラインナップ多くないですか?」
「……バレたかー」

 実は俺にはちょっとその気がある。アナルの開発に手を出してからは、すっかり女に責められる系ばかりに偏ってしまった。アナルを責められる動画はこの中には入ってないが、隠しフォルダが存在する。

「まあ、Mっぽいと言えばぽいですけどね」
「えっ」
「よくイジられて喜んでるし」

 あ、そっちね。外から見てもアナニー大好き野郎に見えてるのかと思って少しだけビビった。
 アナニーは紳士の秘めたる遊び。大っぴらに楽しむものではないと考えている。

「上遠野は逆にM女が好きなの? うーん、そういうのあったかな……」
「なんでそんなに俺にエロ動画見せてくるんですか!?」

 フォルダをスクロールしていると上遠野が訝しげな眼差しを向けてくる。流石に無理があったか。
 本当はエロ動画ですっかりビンビンのギンギンに勃起したチンポをちゃっかりアナルで頂いて、こちらが満足するまで楽しませていただいた後お返ししようと思っていたのだが。仕方ない、作戦変更だ。

「単刀直入に言うよ? チンポ見せて!」
「……えー……」

 あ、ドン引きだ。顔が引きつっている。そりゃそうだよな。

「……小川さん、なんか悩みとかあるんですか? タートルネックの男の広告とか見ました? 俺が言うのもあれですけど、大きさとか皮とか人によると思いますよ……あんまり悩まなくても……」

 呆れたように諭されてしまった。そうじゃないのに。

「いや、そういうんじゃなくて」
「じゃあどういうんですか……」
「うーん……引かない?」
「これ以上引くことあります?」

 このままでは協力を得られそうにない。仕方なく、俺はこれまでの経緯を簡単に説明にした。

「……つまりは率直に言えばアナニー好きが高じて本物のチンポを入れてみたくなった。だからちょっとチンポ貸してくれ」
「えっそんなノート貸してみたいなテンションで来ます?」
「……確かに、お前の大事な息子さんをお借りするんだから誠意が大事だよな」

 俺は居ずまいを正して上遠野の股間に向かって頭を下げた。

「息子さんを僕に貸してください」
「言うと思った……小川さんプライドとかないんですか?」
「プライドはあるが余りある性欲が接戦の上打ち勝っている」
「絶対接戦じゃないでしょ、プライド完封負けじゃないですか」
「男子大学生の性欲と好奇心を舐めるなよ!」
「俺も男子大学生だし……」
「一回だけでいいから! 頼む!」
「回数の問題ですか?」
「とにかく協力してくれ、なんでもする!」

 
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8
投稿者:タツヤ
2020/07/12 11:28:15    (tiwQek9i)
とっても素敵なお話で、興奮させられましたよ!
しかも読みやすいし、読み応えもあって、情感が伝わってきました!
ぜひ、続編を期待してます、その後の関係や感情の変化、そして、いろいろな経験を経て今に至るところを、ぜひお願いします。
7
投稿者:雅人
2020/07/06 04:16:52    (5MiZgBpW)
コウジさんに同意。
長かったけど面白かったです。不要な部分もあるけど、やってることはホモSEXなのに、書いてる感性がノンケなんだなあと思いました。
彼が引っ越してきた編、中出し編、社会人になってから編等、お願いしたいです。
男同士の信頼関係て、いいですね。

6
投稿者:ゆうじ ◆jhG6XmMY0U
2020/07/06 03:57:02    (P/dozZIQ)
この体験談はノンフィクションでしょうか?
とても全体的にバランスがよく書いていて、
例え、コピペであったとしても続きを読みたい体験談ですね。
この様な体験談が読めるサイトがこの他にあるのでしょうか?
5
投稿者:コウジ
2020/07/05 20:28:55    (4iY/RUiA)
長かったけど、メチャメチャ面白かったです。
小川さんの体験談をもっと読んでみたい。
出来れば駆け足で省略した、同棲までの道のりを詳しく話して欲しいです!(*^^*)
4
投稿者:小川
2020/07/05 05:15:00    (SWWJoNpF)
男とセックスをしてしまった。
 
呆けたように快楽の余韻に浸っていると、上遠野がゆっくりと体を起こし、くったりと萎えて力を失った上遠野のチンポを引き抜いた。ズルズルと中から抜かれる感覚が心地良い。
 横の寝転がる上遠野のゴムの付いたままチンポを見つめる。白濁した汁で満たされたゴムが垂れている。
 このチンポが、今まで俺に挿入ってたんだ。俺を気持ちよくしてくれたんだと、まだぼんやりしている頭でそう思った。自分でゴムを処理しようとする上遠野より早くチンポからゴムを外して口を結ぶ。その辺にあったティッシュに包んでゴミ箱に放って、上遠野の股間に顔を埋める。

「っ、小川さん!?」

 上遠野の焦ったような声が聞こえたけど、俺にはやらなきゃいけないことがある。
 硬度を失ったチンポを労るように唇を落としていく。気持ちよくしてくれてありがとう、頑張ったな、よくやった。気持ちよかったよ。
 先端からタマに至るまでちゅ、ちゅ、と優しく。
 そして残った精液を搾り取るべく、咥内に迎え入れた。根本まで咥えこんで、頬を窄ませながらじゅる、と吸い込む。

「ちょ、おがわ、さんっ」

 いわゆるお掃除フェラだ。残ザーを吸い出してごくりと飲み込んだ。しょっぱくてえぐい。でも俺とセックスして出してくれた精子なんだから、俺が飲むのが筋なのだ。
 見上げると、上遠野がまた顔を手で覆ってOMGとでも言わんばかりに天を仰いでいた。
 さすがに(一度は射精してないとはいえ)二回もイくと脱力感に襲われる。ホワホワした気持ちも少しずつ落ち着いてきて、やっと自分のゴムを処理した。なかなかの量が出てる。気持ちよかった。めちゃくちゃ気持ちよかった。本物のチンポってすごい。

「……小川さん」

 上遠野の恨めしそうな声がする。
 ……そういえば俺、今とんでもないことしなかったか? さっきまで初めてのトコロテンの余韻で頭が浮かれていて、当たり前のようにお掃除フェラを披露してしまった。もちろん生まれて初めてだ。
 でも、そんなのノンケの(俺もだけど)こいつにとってはめちゃくちゃ不快なことなのではないか。
 今更ながらその可能性に行き当たって、やばい、と思い始めた。

「いやー……すまん、気持ち悪かったよな。ついうっかり」
「うっかりでフェラするんですか小川さんは!」
「なんかめちゃくちゃ気持ちよかったからトんでて……頭おかしくなってた……ごめん……」
「本当に初めてなんですよね?」
「は?」
「男とヤるのも、フェラも、初めてなんですよね? あんなにエロかったのに」
「エロかったかは知らんけど、初めてに決まってるだろ」

 あんなの一度味わったら引き返せない。身持ちを崩しかねない。
 ……まあ、たった今経験してしまったんだけど。大丈夫か、俺。
 一回だけ本当のチンポを味わってアナニー卒業のつもりでいたけど、今日のそれは本当に気持ちよかった。
 うん、冷静に考えたら本当のチンポを使ったアナニーってホモセックスだわ。浮かれてて気付かなかった。
 引き返せるのだろうか。というか、もう既に引き返せない一線を越えてしまったのではないか。
 今更頭を悩ませていると、

「もう一個聞いていいですか」

 と上遠野が真剣な表情で聞いてきた。お互いフルチンなんだけど。

「うん」
「なんで俺だったんですか? 俺との仲なら、壊れてもいいと思ったんですか」
「お前だったら壊れないと思ったんだよ」

 これは本当だ。今思えばバカな計画だが、快楽の前に我を失った俺は、身の回りの人間から候補を探そうとして、上遠野一択だな、とすんなり決めた。

「だって……例えば多岐川さんとか、浜野さんとか仲いいじゃないですか」

 俺の同期の名前を出されて思わず噴き出しそうになった。

「多岐川はこの部屋は出禁食らわしてんだって……マッチョだから暑苦しいし、じっとはしてくれないだろうから、乱暴なことされそうだし、浜野にそんなこと頼んだら絶対に一生強請られるじゃん!あんな陰険メガネは、弱みを握られるのは絶対にやだ」
「じゃあなんで俺なんですか?」
「だから、お前なら付き合い長いし、俺の情けないところいっぱい見せてるし、いつも助けてくれるじゃん。お前なら悪いようにしないと俺はお前のこと信じてるから」
「はぁ……」

 上遠野はまた溜息をついた。

「もう、さっきも言ったけど、小川さん、ほんとそれです」
「どれだよ」
「小川さんの『信じる』ってやつ……」

 呆れられたのかと思ったけど、目元を覆った手の下から覗く上遠野の口元は笑っているようだった。


 上遠野と俺の出会いは俺が高校二年の頃のサッカー部だった。ポジションも同じMFで、ついこの間まで中学生だった初々しい上遠野に練習のことや部活内での立ち居振る舞いについて教えてやりながら、楽しく過ごしていた。
 学生にとって、部活内での人間関係の占めるウェイトはでかい。先輩に気に入られるかどうか、同級生とうまくやれるかどうか、それで部活の楽しさが変わってくることだってある。
 俺はどちらかというと当時から「力の掛け方を間違えない」を信条としてやっていて、手を抜けるところは抜く。ただし、人に咎められない程度に。それを心がけていた。人間関係でもなるべく摩擦が起きないように、のらりくらりと生きていた。
 それに対して上遠野はわりと真面目で、言われたことは言われた通りに受け取るし、先輩から言われれば素直に実行する。キツめの練習でも。
 そんな上遠野には、大して活躍していない俺のサッカーのテクニックよりも、先輩の攻略法を教える方が役に立つのではないかと思った。
 俺がうまく手抜きしたり避けたりしていたことに正面からぶつかる少し不器用な上遠野に、もう少し肩の力を抜けよ、とアドバイスをしてやったり、逆に上遠野に感化されてもう少し真面目に取り組むか、と手を抜きがちだったトレーニングとまともに向き合ったり、互いに影響し合っていた。
 上遠野が入部して半年後、俺は次期部長に抜擢された。ちゃらんぽらんで人と摩擦のない付き合いをする俺が上遠野の影響によって少し真面目になったことで、教師や先輩方の間でウケがよくなったらしい。
 頼まれたからには引き受けるしかないと思っていたが、部長という役職は想像以上に大変だった。単純にやることは多いし、人間関係にも気を配らないといけない。
 人の間に立ったりうまく手を抜くことは得意だと思っていたが、さすがにキャパオーバーしてしまったようで、ある日部内でトラブルが発生した。
 一年同士の喧嘩で、どうやら長引きこじれて一年の空気が悪くなっているらしい。部長として介入せねばと双方の話を聞いたが、俺の摩擦を、もっと言えば面倒を避けるコミュニケーションは二人の堪に触ったらしく、むしろますます信用を失う結果となった。

「小川さんみたいに誰にでもいい顔して、その場限りの適当なこと言ってる人に言われたくないです」

 後輩にそう拒絶され、他人にバレない程度に手を抜いてるつもりだったが、テキトー、そこそこ、それなり。そんな生き方は真面目に生きてる他人にはすぐバレるのだと悟った。
 さすがに取り付く島もなく途方に暮れていると、上遠野が
「俺に任せてくれませんか」
 と声を上げた。
「あいつら、引っ込みつかなくなって八つ当たりしてるんで。小川さんのこと、誤解してるんです」
 だから自分が誤解を解いて、二人の拗れた関係も戻してみせると、そう言ってきた。
「わかった、信じる」
 と俺はその問題を上遠野に託した。
 自分ではもう解決できそうになかったのもあるが、上遠野を信じたかった。俺が二人に悪く言われていることを「誤解」だと、「解いてみせる」と言ってくれた上遠野を。
 結果として上遠野は双方の言い分を聞いて、諍いを丸く収めた。
 そもそもうちの学校は強豪校というわけでもなくて、俺が部長を務めた年だって前年度と同じ成績しか残せなかったが、上遠野が部長を務めた上遠野たちの代はトーナメントで俺たちの代の一つ上まで駒を進めた。俺は人を見る目があるなと自画自賛したものだ。(上遠野を自分の次の部長に推したのは俺なのだ)
 俺が引退する頃には、入部した頃は四角四面なところがあった上遠野もだいぶ角が取れて、周りが見えるようになり、周囲からも信頼されていた。だから部長を任せるときも上遠野なら問題ないと信じていた。
 そして引退後、俺は大学受験を経て上京した。大学ではサッカーのサークルに入って気ままに緩くプレーしたり、部活や受験でいっぱいいっぱいだった(モテなかったわけではない、はず)高校時代とは異なって彼女ができたり、童貞を捨てたり、あんなこと、こんなことをしているうちに次の春が来た。
 と思ったら、上遠野が入学してきたのだ。学部まで同じだった。全然地元にも帰ってなかったので、一年ぶりの再会だった。これ幸いとサークルに勧誘して、またそれからしばらくして俺がサークルの代表になって、今に至る、というわけだ。

「小川さんは覚えてないかもしれないですけど、俺はずっと、小川さんの『信じる』に助けられてきたんです」
「……そんなの、俺だって覚えてるよ。もう長い付き合いだしさ。だからお前がいいと思ったんだよ……お前じゃないと、ダメだと思った」
「……そうですよ。小川さんには俺じゃないとダメです。絶対、今日、味占めたでしょ? 今日で辞められるんですか、アナニー」
「……いや……うん、辞める……気ではいるよ……」

 思わず目が泳いだ。ついさっき、こんな気持ちいいの、病みつきになるって実感したばかりだ。
 でも、上遠野には一回だけという約束で付き合ってもらった。上遠野以外の知り合いは論外。いよいよ俺も知らない人にお尻掘られるしかないのか。なにそれこわい。

「相手が俺だからよかったものの、同意なくやったら犯罪ですよ? わかってますか?」
「はい……親父が法学部だったので知ってます……」
「それ関係ないでしょ」

 うん、関係ない。親父法学部だったけど弁護士じゃなくて普通のサラリーマンだし。俺も別に法学部じゃないし。実家で押し入れ開けたら六法全書が落ちてきて頭に直撃して、しかも間から親父の秘蔵のエロDVDが出てきたっていうエピソードが俺の鉄板ネタである。
 上遠野なら優しいし俺の言うことを聞いてくれるのではないかと思っていたが、もし本当に嫌がられたら止めるつもりではあった。さすがに大事な後輩を失ってまで性欲を満たそうとは思わない。

「次からもちゃんと俺に連絡してくださいね」
「えっ」

 次? 次ってなんだ。

「気持ちよかったんですよね? アナルセックス。小川さん絶対我慢できないですよ」
「ぐぬぬ……」

 否定できない。快楽に流されやすくなかったら今ここで後輩とフルチンで対峙することにはなってなかったはずだ。

「大体、チンポっていう呼び方がもう挿入れられる側の呼び方ですよ……」
「それはさすがに人によるだろ!」
「いや、普通はちんこって言いますよ、普通の男子大学生なら」
「呼び方の自由くらいあるだろ、誰だって」
「まあそれは置いといて、小川さんがチョロすぎて心配なんですよ。またアナニーしたくなったら呼んでくださいね」
「なんで?」
「絶対アナニーじゃ足りなくなって、本物を求めてホモの出会い系に手を出して怖い目に遭うからです」
「俺のことナメてない!? 今日だいぶお前の信頼失ったな、俺……」
「大丈夫です。心配はしてるけど、なんだかんだで小川さんのこと尊敬してるんで、俺」

 尊敬してくれているかわいい後輩の前で見せてはいけない姿をたくさん見せてしまった気がするが、上遠野は俺に説教しながらもなんだか嬉しそうだ。やっぱり犬の耳が見える気がする。
 よくわからんが、上遠野に突き放されなくてよかった。無事目的は達成できた。気持ち良かったし。

「うん……とりあえずシャワー浴びてくるわ」
「終わったら俺も借りていいですか?」
「おー」

 
 そして安堵していたこの頃の俺はまだ知らなかった。
  程なくして上遠野が同じアパートの隣の部屋に引っ越してくること。
 それからアナニーにするものの、やっぱり物足りなくなって、上遠野に頼った挙句毎晩のように上遠野のチンポで突かれるようになること。
 ゴムがない時に、生のチンポを味わってしまい、生で中出しをしてもらうようになり、病気が怖いので風俗に行くことが禁止になったこと。


 大学卒業後は高校の時と同じように上遠野にサークルの代表を引き継いで、就職した。
 だが、上遠野が同じ会社に入社して、いつの間にか同じマンションに引っ越してきた。
 その頃には上遠野と同じベッドで寝るようになっていた。

3
投稿者:小川
2020/07/05 05:13:54    (SWWJoNpF)

「小川さん、いいですよ」
「うん……」

 心臓がバクバクうるさい。興奮がピークに達していた。
 上遠野を跨いでゆっくりと腰を下ろしていく。M字開脚で男のチンポをアナルで飲み込もうとしている、傍から見ると情けない格好だったが、上遠野は局部から目を離さない。亀頭の先端がぴと、とアナルの縁に触れる。

「っくぅ……」

 蕾は拒むどころか悦んで男根に吸い付こうとする。
 ローションのぬめりもあって、ずぶ、と先端が埋まるとそのままずるずると根本まで飲み込んでしまった。体温を持った、熱いチンポが柔壁を擦り立てて侵入してくる。亀頭のエラが前立腺を掠めて、びくりと大きく腹筋が震えた。

「っあ~……あ、あ! っ、あ!」

 俺の臀部が上遠野の太腿に触れる。
 挿入った……。挿入ってしまった。本物のチンポ。
 無機質なオモチャと違って、硬くて、でも柔らかくて、温かくて、脈打っていて。俺の胎の中でどくどく言うそれが愛おしくなってしまって、思わず下腹部を擦る。チンポが挿入ってる……。

「挿入っちゃいましたね」
「うん……」

 俺の手に上遠野が更に手を重ねてきた。

「どうですか? 本物のチンポの味は」
「すごい……熱くて、硬くて……びくんびくんしてる……」

 念願のチンポは想像以上で、ずっと熱に浮かされたような頭が更にのぼせたようにふわふわしてくる。気持ちいい。もっと気持ちよくなりたい。それしかもう考えられない。チンポ、もっと欲しい。

「いいんですか、動かなくて」
「っ、いま動く……」
「小川さんが動かなくても俺は結構気持ちいいんですけどね。めちゃくちゃぎゅうぎゅう締め付けてきて、とろとろで」

「っ……」
「もうこれ、立派なおまんこですよ」
「あ……」

 その言葉が引き金となって、限界だった。
 そうだ、俺のアナルはチンポを飲み込んで、すっかり女性器になってしまったのだ。チンポを締め付けて、精子を搾り取るのが本来の役目なのだ。チンポを気持ちよくして、チンポで気持ちよくなる、おまんこになってしまった。
 剛直に侵された胎内がじんわり熱くなってきた。

「っ、くぅ、あーっ」

 仰け反るようにして上遠野の太腿に手をつき、腰を上下に動かした。

「あ、あ、あーっ あ、は、あぁっ」

 カリに前立腺を擦り付けるようにしてへこへこと腰を振ってしまう。止まらない。バキバキのチンポで快楽の源を蹂躙されている。
 ベッドに立てた足の爪先がぎゅっと丸まってシーツを手繰り寄せる。

「はっ、あっ あっ、あ……」

 腰を上下する度に、俺のチンポが上遠野の腹の上でぴたんぴたん揺れてしまう。これを見たら上遠野が萎えるんじゃないかと思ってたけど、上遠野のほうを覗い見ると上遠野は顔を上気させ、眉根を寄せながら俺の顔を見つめていた。

「っあ、お前、見んなよ……」
「見ますよ、見たいんで」
「っ、あっ、も、気持ち悪くなっても、知らねーから……っ!」
「大丈夫です。小川さんの中、めちゃくちゃ気持ちいいんで」
「っくぅ……」
「アナルの縁が輪っかになってチンポを締め付けてきて、中が絡みついてもっともっとって強請ってきます。気付いてますか? こんなに俺のチンポ歓迎してくれてるの」
「っ、あ、知らない……」

 俺はあくまでアナニーのためにチンポを借りたかっただけであって、俺の腸内がどんなに蕩けてて、どんな風にチンポに縋り付くかなんて、考えてもみなかった。
 それなのに、実際に本物のチンポを受け入れたそこは、オトコを気持ちよくするために蠕動し、勝手に収縮を繰り返し、精液を搾り取ろうと動き出す。

「あ、あー……」

 もう腰を必死に振り立てなくても、勝手に腹筋が戦慄いて、快感を貪ろうとしていた。

「ほら、もうちょっと頑張ってください」
「ぅ……」

 力が抜けてへたり込みそうになる腰をなんとか持ち上げてずるりと落とす。この体位だと気を抜くと自重でかなり奥まで切っ先を受け入れてしまうので、ちゃんと自分でコントロールしないと多分未知の奥まで割り開かれてしまって、大変なことになる。
 ぎゅう、と上遠野の太腿を掴んでいた手に力を入れると、

「ちょっと痛いんで、こっちに手ついてください」

 上遠野の腰のあたりを掴まされた。

「ひぅ……っ」

 後ろでチンポを咥えたまま前かがみになったせいで、猛ったカリの部分が前立腺をダイレクトに擦れて、目の前に火花が飛んだ。

「動いていいですよ」
「あ、あ……」

 もう上遠野の許可を命令として捉えるようになってしまった俺は、額から流れた汗が上遠野の下腹部を汚していくのを気にすることもできずに必死で腰を振った。

「あ! あ、あっ、はぁっっ、あ、あっ」
「汗だくですね、小川さん」

 上遠野の手が目に入りそうな汗を拭ってくれる。ことのほか優しい手付きと手の温もりに、胎だけでなく胸の奥まで少し疼いてしまった。なんだか急に恥ずかしくなって、上遠野の顔を見たくなくて目を瞑って快感に没頭した。

「っ、ふ、あ、あっ」

 ゴム越しにも白濁混じりの先走りが滲んでいるのがわかる自分のモノを扱きながら、気持ちいいところが抉られるようにぬぽぬぽ出し入れする。

「あっ、あ、くぅっ、イ、イきそ……っ」
「へー、小川さんチンポでイくんですか? ケツに他人のチンポ挿入れられて気持ちよくなっちゃうんですか?」

 嘲るように言われてぞくりと体が粟立った。そうだ、俺、今、男に犯されてる。挿入れるところじゃないのに、ケツに勃起チンポを受け入れて気持ちよくなってる。
 改めて脳がその事実を受け止めて、頭が甘く痺れた。腰がかくかく揺れて、前立腺が亀頭に押し潰される。気持ちいい。目の前が真っ白になる。

「あっイく、チンポでイくぅっ上遠野のチンポで、けつまんこずぽずぽされてイっちゃうぅ あ、あっ、あーっ!」

 がくがくと仰け反りながら体を大きく痙攣させて、俺は絶頂に達した。
 せり上がってくる精液の最後の一滴まで扱き出すようにチンポを握る手を上下させて、足指の先を目一杯曲げて、直腸の肉壁で剛直をぎゅうぎゅう締め付けながら、これまでの人生で一番気持ちいい射精を迎えた。

「あ、あ、あ……」

 一気に上りつめた絶頂からなかなか帰ってくることができず、ぼんやりする頭ではぁはぁと息を吐くことしかできない。
 すごい、今までで一番気持ちよかった。本物のチンポ、すごい。ケツがじんじんしてまだ気持ちいい。

「っは、はぁ、はぁ……っ」
「気持ちよかったですか? 汗すごいですよ」
「ん……気持ちよかったぁ……」

 また上遠野の手が頬を伝う汗を拭ってくれた。

「はぁ……」

 深く息を吐く。まだぼんやりするが、これで上遠野のチンポの役目は終わりだ。人質を解放してやらないと。
 そう思ってゆっくり腰を上げようとすると、上遠野にがっちりと両手で腰を掴まれた。

「落ち着きました?」
「うん……ありがとな」
「じゃあ今度は俺の番ですね」
「は?」

 気を抜いていたところに上遠野が挿入ったまま俺を押し倒し、足を持ち上げてチンポで一気に奥に突いてきた。

「っあーーー!!!」
「も、こっちも、限界なんですよ……っ」
「あっあっあ! だめ、上遠野、やぁっ、あ!なんで、あっ、あぁっ」
「借りたチンポの面倒くらい最後まで見てくださいよ……っ!」

 なに? カリ? チンポ? 尿道? もうだめだ、容赦ないピストンのせいで何もわからない。なんで上遠野はこんなことを?
 イッたばかりでじんじんと疼いて敏感になってた柔肉を激しく擦られ、前立腺をごりごりと抉られ、さっきまでとは違って主導権が完全に上遠野にある形で蹂躙される。自分で気持ちよさを制御できない。頭が弾けそうだった。

「っあ、あ、んぅっ」

 上遠野が俺の足をしっかり押さえつけて、体重をかけて突いてくるからか、今まで挿入ったことのないような奥に先端が当たっている。これがめちゃくちゃ気持ちいい……。
 口が閉じられなくて声やらよだれやら、色んなものが垂れ流しになってしまう。

「っ、か、上遠野ぉ、そこ、深い、やらぁっ」

 喘ぎ声というか半分泣き声のような声になってしまう。

「上遠野ぉ、やぁ、そこ、挿入ったことないぃ、らめらからぁ」

 呂律も回らない。人間、ホントにらめぇとか言っちゃうんだな……。

「っ、小川さん、気持ちいい、ですかっ?」
「きもちぃ、あぁ、やらぁ、ダメになるぅ……」
「本物のチンポが欲しい時点でだいぶダメでしょ……っ」
「っあ! あ、あっあっ、やぁっ」

 奥が弱点だと気取られてから、上遠野は細かいストロークで奥のほうをぐちぐちと突き上げてきた。そこはだめだ。はじめての場所。S状結腸とかいうやつなんだろうか? 俺のやり方のせいなのかオモチャでは届かなかったのか、アナニーでは、自分では刺激できなかった場所。こんなに脳髄が揺さぶられるほど気持ちいいなんて。
 耐えられなくて、力が入らなくなった。上遠野の腰を振る動きに身を任せるしかなくなっていた。
 足を折り畳み、胸にくっつくようになってしまった。そんなに体が柔らかくないのでぺったりくっついたわけではないが、そのせいで顔が近付いて、上遠野の吐息が近くで聞こえて鼓動が早くなった。
 上遠野は俺で興奮している。性器に成り下がってしまった俺のアナルを使って気持ちよくなっている。その事実にどうしようもなく興奮してしまった。
 俺が付けていたコンドームは後始末もしないままに再び勃起していて、白濁が先端に溜まっている。もう二度目の絶頂がすぐ近くまで来ている気配がした。

「小川、さん……っ、くっ、もう、出そうです……っ!」
「ん……」

 俺も二度目にも関わらずすっかり屹立したそこを握ろうとすると、片手を上遠野の左手に掴まれてしまった。

「っ、え……」
「ケツだけでイくやつ、できそうですか?」
「っ、そんな、むり……したことねえし……」
「でもこんなに気持ちよさそうですよ?」
「っくぅ」
「これならどうですか?」

 抜けそうなギリギリまで引き抜かれて、ずぶ、と下から大きく突き上げられる。

「っあーーーっっ、あ、やら、ぅくぅっ、あーっ」

 腹側にある前立腺も、奥の窄まったところも一気に刺激される。
 こんなの、こんなのだめだ。馬鹿になる。チンポのことしか考えられなくなる。

「これ、気に入りました?」
「ひぅっ、あ! や、あーーーっ あっ、らめ、かどのぉっ!」

 じゅぼじゅぼと激しい音を立てながら上遠野が腰をピストンしてくる。
 俺の尻と上遠野の下腹部がパンパンぶつかる音がして、これはもうチンポを借りたアナニーなんかじゃない。セックスだ。俺は今、男と、上遠野とセックスしてる。ぶわあ、と脳からエンドルフィンが溢れた。

「あっ、あん、あっ!上遠野、かどのぉっ」
「っ、小川さんっ、めっちゃエロ……っ」

 これはアナニーじゃないんだから、上遠野のチンポでイくのが正しいんだ。俺のケツはおまんこなんだから。
 そう思うとどんどん顔が上気してきて、目には涙まで浮かんできた。

「っあ、あ! 上遠野のチンポでイくぅっあっあっ、出る、イく、トコロテンしちゃうっ」
「っ、いいですよ、出して……っ! 俺も出そうです……!」

 上遠野が激しいストロークで責め立ててくる。弱いところを全部ごりごりと擦られ、抉られ、蹂躙されて、目の前がスパークした。

「あっ、あんっ、あーっあーーー!!!」

 俺は頭を仰け反らせて絶頂を迎えた。目の前がちかちかして、脳が焼き切れそうだ。
 射精とはまるで違う感覚だった。奥から押し寄せた快感が背筋を突き抜けて頭で爆発するような。閉じることを忘れた唇の端からよだれが一筋垂れていったが、全身がびくびくと痙攣して拭うこともできなかった。

「っ、くっ、出る、出ます……ッ! っく、う、あぁ……っ!」
「あっ、は、あ、はぁっ、あぁっ」

 胎内でチンポがびくびくと跳ねる。薄い膜越しに、上遠野が射精してるのがわかる。俺の肉壁もそれを搾り取ろうと貪欲に絡みついて、まだ押し上げられた絶頂から降りきってない俺はその無意識のうねりに更に反応してしまう。
 ずっと気持ちいいのが続いている。いつものアナニーにも増して。
 アナニーで達すると普通のオナニーとは異なって、絶頂に押し上げられるような感覚になる。上りつめた絶頂は射精直後のように急激に冷めることはなく、波間を揺蕩うように快楽が続く。多幸感に包まれる。それが癖になってアナニーにハマってしまったのだが……。
 今もはあはあと息を吐きながらも、頭がじんじん痺れたようになっている。
 

2
投稿者:小川
2020/07/05 05:10:57    (SWWJoNpF)
ここまで打ち明けたのだからなんとしてもチンポを勝ち取りたかった。もう性欲とプライドがチンポを獲得せんとタッグを組んでいる。
 手を合わせて上遠野を拝む。

「……なんでもしてくれるんですね?」

 あ、まずいことを言ったかもしれない。

「お、俺のできる範囲で……」
「お得意のアナニー、見せてください。今ここで」
「えっ」

 なにそれこわい。変態じゃん。

「……なんでそんなドン引きするんですか……小川さんの言ったことのほうがヤバかったでしょ」
「いや……まさか見たいって言われると思ってなかったし……」
「ほら、見せてくれたら勃起するかもしれないですよ?」
「だから勃起なら俺のエロ動画たちを……」
「言うこと、なんでも聞いてくれるんですよね?」

 悲報、上遠野はドSだった。有無を言わせぬ笑みで見下され、ちょっとだけお腹の奥がきゅんと疼いた。……悲報、俺は、ドMだった。

「……ほんとに勃つのか? 男のアナニーだぞ? ケツの穴だぞ? しかも俺のだぞ?」
「見てみないとわかんないじゃないですか」
「見せたら挿れてくれるんだな?」
「それは約束します。よしんば勃たなかったとして、なんとかして勃たせるんで」
「……よし、信じる」
「……小川さんって、そういうとこですよね……」
「ん? 何が?」
「……いや、何でもないです。早くケツまくって見せてください」
「きゅ、急にドSかよ……」

 なにはともあれ、せっかくチンポの持ち主がやる気になってくれたのだ。このチャンスを逃す手はない。
 スウェットとパンツをまとめてずるりと下ろして下半身裸になった。

「思い切りいいですね」
「アナニーは紳士の遊戯なのでね」

 浴室に隠したアナニーグッズをフルチンで持ってきて(持ってきてから脱げばよかった)再びローションを指に塗り込める。

「実はさっき風呂で慣らしてきたんだよな」
「……めっちゃ用意周到じゃないですか……計画的犯行……まさか俺呼んでくれたのもそのためですか!?」
「いや、旅行の話したかったのも本当」
「はあ……『も』ね……」

 上遠野が片手を顔に当てて天を仰いでしまった。
 上遠野も男が好きなわけではないはずなので、俺の体が丸見えなのは萎える原因になるかもしれない。

 普段のアナニースタイルは仰向けでエネマグラでじっくり快感を高めてからバックからディルドでぐずぐずになったアナルを苛める。吸盤で立てたディルドに跨って腰を振ってフィニッシュ、というのが黄金パターンだが、今回はバックで慎ましやかにエネマグラを咥えて静かに快感に浸ることにした。
 上遠野に背を向けて四つん這いになり、ローション塗ったの中指を既に綻んでいるアナルにつぷりと侵入させる。

「っ、……」

 それだけで期待して絡みついてくる胎内をなだめるように数回抜き挿しして、今度は愛用のエネマグラにローションをとろりとかけた。
 エネマグラは大きさを楽しむものではなく、前立腺にフィットしたエネマグラが筋肉の反射で動いて快楽をもたらしてくれるものなので、ローションでぬるぬるにしすぎてもいけない。俺ほどのプロになると加減も心得たものだが。
 ちょうどいいぬめりを帯びたエネマグラをひくつく窄まりにあてがう。

「っ、ふ……っ」

 あれほど慣らしたおかげで痛みは全くなかった。それどころか、早くいつもの場所に来て、と言わんばかりに柔肉が蠕動してエネマグラが奥へ誘い込まれていく。
 指を引っ掛ける取っ手を残して、あっという間にエネマグラはアナルの中に吸い込まれてしまった。

「それなんですか?」
「っ、エネマグラ……」
「あぁ、聞いたことはあります。めっちゃ簡単に入っちゃいましたね」
「うぅ……」

 これまで俺にとってあくまでアナニーは一人遊びだった。こんな風に観察されたり言葉をかけられたことはなかった。俺のそこがどんな風になっているか、他人から教えられるのは初めてだった。

「俺アナルに何か入ってるの初めて見ました……痛くないんですか?」
「痛くない……」
「じゃあ気持ちいい?」
「っ……」

 気持ちいいと声に出すのが憚られて、上遠野に背を(というか尻を)向けたまま頷いた。

「そうですよね、ずっぽり咥え込んでひくひくして、めちゃくちゃ気持ちよさそうに食ってますもんね」

 くぅ、と喉から子犬のような声を漏らしてしまいそうで、慌てて息を殺した。
 アナルを開発するのはあくまで純粋に気持ちいいからで、そこに被虐的な思考はなかったはずなのに、上遠野が楽しそうに言葉をぶつけてくる度に背筋に甘い痺れが走る。本格的にMに目覚めてしまったかもしれない。俺にはまだ未知なる性癖が残されていたのか。

「なんでしたっけ、ケツの中の……前立腺? それが気持ちいいんでしたっけ?」
「そ、そう……っ」
「そこに当たってるんですか?」

 再びこくこく、と首を縦に動かした。
 アナルは上遠野の声を聴いただけで悦んできゅうきゅうエネマグラを締め付け、それによって前立腺がごりごりと刺激されてまた胎内が快感を求めるように収縮する。悪循環というか、アクメ循環とでもいうべきか。
 快楽からは逃げられないのに思うさま声を上げることもできず、唇を噛み締めてふーっ、ふーっ、と獣のように荒い息を吐くことしかできなかった。

「そんな細いので足りるんですか?」
「ぅくぅ……っ」

 図星だ。足りない。
 そもそも俺は本物のチンポが欲しくてここまでやってるんだ。ディルドで慣らされた肉壺は奥まで剛直を受け入れる準備万端、とろとろに疼いて男を求めている。
 早く、もっと太くて長いものを突き刺してほしい。そう思うと後孔が切なくて、寂しくて、もどかしくてたまらなくなった。
 俺自身のものはもうすっかり勃ち上がって先端からだらだらと先走りを零している。見なくてもわかった。上遠野に情けない姿を見られて、言葉で責め立てられて、興奮しているのだ。

「どうなんですか?」
「っ、足りない……欲しい……チンポ……」

 四つん這いになって、頭を下げて腕に顔を埋めているので俺がどんなに蕩けた顔をしているかは上遠野からは見えないだろう。でも、発情した猫のように尻を上げ、しっかりとエネマグラを飲み込んで離さない蕾を見せつけて、チンポを乞う情けない声を上げている姿からはきっと想像されているはずだ。八の字に垂れ下がった眉も、涙に潤んだ目も、しまりなく緩んだ口も。
 上遠野はこんなチンポ狂いのはしたない俺をどう思うのだろう? それを想像するだけで恥ずかしく、恐ろしいはずなのにチンポの先からはとろとろと透明の涎が垂れ流されていく。

「もっと太いの、持ってるんじゃないですか?」
「うん……あるぅ……」
「使ってみてください」

 ちらりと視線だけで上遠野を覗うと、殊の外欲望を孕んだ熱い目で俺を見つめていた。その視線にじりじりと焼き殺されるようでたまらなかった。
 いつもはどちらかというと穏やかで冷静なタイプなのに、こんな顔もするのを知らなかった。もう知り合って5年以上にもなるのに。

「ひ、引かない……?」
「今更ですって」

 鼻で嗤われてまたアナルがきゅんと啼いた。どんどんMに目覚めてしまう……。
 なんで抜いちゃうの、と縋り付いてくるアナルからエネマグラをずるりと引き抜いて、肌色のディルドの先端でひくつく入り口をあやす。つぷつぷと焦らすように刺激していると、

「早くしてくださいよ」

 そうドSの声が聞こえた。命令されるとぞくぞくと背筋に甘い震えが走る。ぐ、と先端を押し込むと、待ち構えていたように縁が飲み込んでいく。

「ぁ……」

 オモチャとはいえそれなりの大きさがあって、寂しがっていた肉壁が悦んで迎え入れる。

「あ……あっ」
「うわ、すげー……根本まで全部入った」
「んぅ」
「もう性器って感じですね、普通にチンポ入りそう」
「うぅ……」
「動かしていいですよ、それ」

 上遠野に言われて手を止めていたわけではないが、許可を出されると急にそれがやらなくてはいけないことに思えてくる。熱に浮かされて力の入らない手でディルドを引き抜いて、一気に突き立てた。

「くっ……うぅ」

 悦いところをごりごりと先端に押されて、もう我慢ができなかった。そのままずぷずぷとディルドを抜き挿しする。

「っ、あ、あ!」

 上遠野の熱い視線を肌で感じながら疑似男根でアナルをぐずぐずに掻き回す。あまりの快感に腰はへこへこと揺れ、足の指はぎゅうっと丸まった。
 気持ちいい。頭がバカになりそうだ。
 通常のオナニーと違って、アナニーのときはいつも内側から満たされるような、湧き上がってくるような快楽に包まれる。
 もうこのまま上遠野に見られながらアナニーで精子を垂れ流してしまってもいいんじゃないか。唇の端からとろりと涎を垂らしながらそう思っていると、

「小川さん」

 上遠野に呼びかけられて、視線を向けた先には、

「小川さんの大好きなチンポですよ」

 いつの間にか下半身裸になっていた上遠野の、バキバキに怒張したチンポがあった。

「っ……」
「小川さんのアナニー見てたらこうなっちゃいました」

 はにかむ上遠野は、いつもの大型犬ような穏やかな顔をしてるのに、今ではチンポを扱きながら狼のような顔をして、瞳に凶暴な色を宿らせる。

「責任取ってくださいね?」

 ごくりと喉を鳴らしてしまったのは、恐怖のせいか期待のせいかわからなかったが、こうなると自分が挿入れているものが急に味気なく感じる。偽物は所詮偽物でしかない。目の前に本物があるのだ。
 自分にも付いてるモノなのに、初めて間近で見た他人のチンポはめちゃくちゃデカく感じた。
 いや、普通に俺のよりもデカいのか?このチンポは!比べたら傷つきそうだからやめておこう。
 先走りでてらてらと光るそれに吸い寄せられるようにしてまじまじと見てしまう。裏側ってこんな風になってるのか。色が肌色というか黒というかピンクというか、なんとも言えない肉の色だ。
 このチンポがこれから俺の直腸を犯し、前立腺を掠め、捏ね、奥まで蹂躙してくれる。そう考えると顔中が熱くなって、アナルがひくひくと収縮を繰り返すのがわかった。

「めっちゃチンポ欲しそうな顔してますね」
「うぅ……」
「触りますか?」
「いいのか?」
「どうぞ」
 あぐらをかいた上遠野の股間にそびえ立つ屹立に手を伸ばす。触るだけなら自分の物で何度も経験があるのに、他人のものだと思うとおっかなびっくり、処女の女の子みたいに恐る恐る触れてしまう。
 幹はびきびきと血管が浮いて、根本にはタマがでっぷりと、精子を蓄えて鎮座している。ツルツルでキノコみたいに嵩を張った亀頭とサオの境目はしっかりとカリが張り出していて、まさに美チンポと言って過言ではないのではないかと思う。
 まあ、他のチンポを画面越しにしか知らないのだが、ディルドとかよりも美しい造形をしていると思った。

「なあ、ほんとに挿入れてくれる……?」
「欲しいんですか?」
「うん……欲しい……上遠野のチンポを挿入れてみたい」

 もう俺は目の前に餌を置かれて待てを強いられた犬のようだった。
 まだ挿入されたままの偽物チンポを早く追い出して、本物に空洞を埋めてほしくてたまらない。発情丸出しの瞳でチンポに釘付けになってしまう。

「ゴムあるから……」

 片手は上遠野のチンポから離せないまま、左手でアナニーグッズ入れを探ってゴムを渡す。

「付けてください」
「は?」
「小川さんの中に挿入るものなんだから、小川さんが付けてくださいよ」
「えー……でも俺も付けようと思ってたんだけど」

 アナニーのときは盛り上がってくるとチンポそっちのけで腰を降ってしまうので結構汁が翔ぶのだ。片付け大変。

「じゃあ小川さんのは俺がつけます」
「えっ」

 なんか……それは……ホモじゃない? 
 ちょっと正気に戻りかけたが、上遠野が手早くゴムの封を開けて俺のものに被せてきた。

「人の初めて付けた……」

 独りごちながらもすんなり俺のチンポをくるくるとコーティングしてしまう。

「ほら、小川さんも」

 上遠野に促され、しぶしぶ、とドキドキ、の中間の気持ちでゴムを開封する。俺のチンポを見ても、あまつさえそれにゴムを装着してもなぜかビンビンのままのそこにゴムを被せていく。

「上手ですよ」

 上手で当たり前な気もするのだが、褒められるとちょっと嬉しかった。
 根本まで下ろして、ついでにローションを手のひらでくちゅくちゅ温めてから塗り込めた。いよいよチンポという感じがする。ごくり。いざ決戦。気持ちが昂ぶってきた。
 後ろにハメたディルドをずるりと引き抜いて、上遠野に向き直った。

「ごめん、アイマスクが小豆入りのやつしかないけどいい?」
「は?」
「いや、厳密にはゴルゴもあるんだけど、俺が笑っちゃいそうだから。それとも見えなきゃいいんだし、ただのタオルにする?」
「あの、何の話ですか? アイマスク? え、陵辱願望ですか? そんなにドMこじらせてたんですか?」
「いやいや、そんなんじゃなくて。落ち着け」
「小川さんに言われたくない……」
「チンポを借りると言うことはだね、上遠野くん。俺がお前に跨ってアンアン言うということなのだよ。視覚的にキツいだろ? だから目隠ししてもらおうと」
「はあ……」
「でもごめん、うっかりしてて蒸気のと前飲み会で使ったゴルゴの顔のやつしかない」
「いらないですよ、別に」
「え、でも俺途中で萎えられると困るんだけど……ちゃんと聴覚も催眠オナニー用の音声が」
「それもいらないです。俺、ちゃんとさっきの小川さんのアナニーで勃ってるじゃないですか」
「えっ」

 ……もしかして上遠野って……

「ホモじゃないですよ」

 先回って念押しされてしまった。

「ホモとか関係なく、正直結構エロかったんで……多分平気です」

 ……マジか。

「だって小川さん気付いてます? 小川さんのケツ、めちゃくちゃうまそうにディルド咥えてますよ。キツキツで締まりがよさそうで、挿入れたらすげえ気持ちよさそう」
「ぅ……」
「声我慢しようと頑張ってたけどだいぶ聞こえてましたし……いつもはもっとでかい声でアンアン言うんですか?」
「そんなこと、ねーし……」

 バレてる。
 思わず目を逸らすと、上遠野がニヤリと口の端を上げて笑った気配がした。

「チンポからだらだら涎垂らして、あのままアナニーでイッちゃうのかと思いました。ケツだけでいったりするんですか?」
「そ、それはまだ……」
「『まだ』なんですね」

 いわゆるトコロテンと呼ばれているそれにはまだ達したことがない。そこまでいってしまったら男として終わりだという焦りの反面、それほどまでの快感に押し上げられたらどうなってしまうんだろうという期待もどこかに眠っている。ギリギリのところで男としての矜持が押し勝っている状態だ。

「待ちに待った本物のチンポ挿入れたらケツでイけるかもしれないですね?」

 そうだ、目と鼻の先にもう本物の、待ち焦がれた本物のそそり立ったチンポがあるのだ。辛抱たまらん。

「っ、アイマスク、なくていいなら、もう、挿入れていいか……?」
「どうぞ。俺どうしてたらいいですか?」
「じゃあ、そこに寝て……」

 ベッドを指して、そこに仰向けになってもらった。いつものアナニースタイルが一番いいだろう。上遠野は大人しく寝転がると、二、三度チンポを扱いて、俺を待ち構えている。

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