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2015/09/15 11:28:37
(YjLq1UQy)
これは文字通りまだ毛も生えていない頃の昔話です。
住宅街にある学校への通学路には古びた、正直な言い方をすれば小汚い感じの民家が多く、その一人暮らしの老人の家もその内の1軒でした。
彼と初めて出会った日は少し激しい雨が降っており、いつものように一人で下校していた時に背後から
「そんなびしゃびしゃで歩いてちゃダメだ」
と声をかけられビクッとして立ち止まりました。
大人の男性に突然話しかけられ、しかもその口調は少し怒っているように聞こえたのでビビって立ちすくんでいると
「いったんうちに来て雨が弱くなるまで待ったほうが良い。こういう天気の時は車も危ないから、雨の日は事故が多いから」
と諭され、実際寒くて震えていたこともあり申し訳ないと思いながらも「うん」と頷いて老人に付いて行く事にしました。
老人の家につくまでの短い間、彼は僕の背中に手を当てながら「昔雨の日に事故があって小学生が亡くなった事を今でもよく覚えている」という話をしていました。
老人の家はよその家の香りがしました。
ダンボールに入った大量の雑誌が積まれた廊下を抜けこたつのある和室に入ると
「とりあえず全部脱いじゃえ、濡れた服を着ているのが一番よくないから、ほら早く」
と急かされ、老人のアシストもあり一瞬で素っ裸になってしまいました。
他人の家の玄関に入ってから1分も経たないうちにちんちん丸出しの姿になってしまい、これはどういう状況なんだろうと混乱しながらも恥ずかしくて前を隠してその場に座り込みました。
「何してんの?こたつに入らないと意味ないでしょ、服乾かしてくるから入って待ってて」
と言われ恐る恐るまだ冷たいこたつに入り老人が戻ってくるのを待つことにしました。