社会人になって3年目、25才の頃。
当時商社に勤めていた俺は新入社員の教育係に任命された。
そこで出会ったのが、りょう22才。
地元は田舎の地方で大学卒業後引っ越してきたらしい。
他にも新入社員がいて教育係に任命された同僚達と誰が一番優秀な社員に教育できるか競っていた。
その中でりょうは少し物覚えが悪く、エクセルの独特な使い方にも四苦八苦していてミスが絶えなかったため、俺はかなり熱心に教えていた。
その甲斐もあってか一年もする頃にはかなりミスも少なくなり安堵していたが、ある日りょうの作成書類にミスが見つかった。
当時働いていた商社は部下のミスは上司が責任を取るという風潮がかなり強く、その書類が翌日必要だったのもあり俺は勤務時間後に残って修正することになった。
作業を始めてしばらくした頃、退勤したはずのりょうが忘れ物を取りに会社に戻ってきた。
俺はりょうが責任を強く感じてしまう性格だったためそのミスのことは伝えておらず、全てを知ったりょうはかなり落ち込んで謝罪された。
それから2人で修正作業をして終電時間ギリギリに退社した。
「本当にすいませんでした・・・」
「謝りすぎ!もうえぇってwそれよりも手伝ってくれてありがとうな!」
「そんなん自分のミスなんで、当然ですよ・・・次からは全部自分でやるんで、教えてくださいね。ってミスしないのが一番なんですけど・・・」
「いや、最初の頃から考えたらかなり成長してるしりょうなら大丈夫やって!それよりも時間ヤバいから急ご!」
そう言って2人で駅まで走っていた。
その時。
「あれ?たくま??」
振り返るとそこには昔一時期だけ通っていた風俗嬢のサオリがいた。