20歳、大学2年の頃。
実家暮らしで毎日大学とバイトでつまらなかった俺はたまたま見つけたゲイ向けの掲示板サイトに書き込んだ。
返信が来た奴に片っ端に近所の有名なコーヒーショップのテラスで待ち合わせってメールする。
実家はマンションの10階でそのコーヒーショップは向かいの通り沿いにあり、ベランダからよく見える位置にあった。
もちろん実際に待ち合わせには行かず、いつもどんな奴が来るのか面白半分で観察していた。
そんなある日。
その日も朝から掲示板に書き込み返信が来た奴にいつも通りテラスで待ち合わせと返す。
そして現れたのは、同じ階の隣の部屋に住む旦那さんだった。
隣の部屋の夫婦の事はあまりよく知らないが、30代くらいで旦那さんは出張が多いのかあまり家にいないイメージだった。
でも俺にはすごく優しくて、エントランスなんかで会うと大学の話とか色々聞いてくれるおじさんだった。
実際同性のチンコには興味があって、知らないおっさんのは無理だけどおっちゃんのなら・・・と。
いつもなら相手のメッセージはブロックして諦めて帰るまで眺めて終わりなのだが、俺は慌ててメールを返す。
「すいません、急用で・・・今晩にずらせませんか?」
しばらくして「わかりました」とだけ返信が来ておっちゃんは車で去っていった。
その日の夜、昼の間にメールして場所は同じコーヒーショップだが駐車場で会うことになっていた。
俺はニット帽を深めにかぶって「これなら誰かバレないだろう」と向かった。
閉店後のコーヒーショップの駐車場の一角に止まるおっちゃんの車を見つけ窓をコンコンと叩く。
少しビックリした顔でおっちゃんが窓を開ける。
「こんばんは。」
「こんばんは、君がけんじくん?(掲示板サイトでの俺の偽名)」
「はい」
「助手席座る?」
俺の心臓はバクバクだった。