5年前、21歳の時に初めて彼女が出来ました。
同じバイト先で親しくなった、ふたつ年上の紗菜さんです。
笑顔が素敵で、ちょっとハスキーな声も魅力的で、私はすぐに彼女を好きになってしまいました。
ですが、恋愛経験ゼロ、キスはおろか女の子と手も繋いだ事も無い、奥手な童貞の私には、彼女の告白なんてする勇気はありませんでした。
転機は、バイト先の飲み会でした。
彼女はおじさん達に囲まれた席、私の席は苦手な女子ばかり、当然のようにイジられ役になっていました。
彼女がいないのはみんな知ってましたから、好きなタイプを訊かれたり、彼女に立候補してきて私をからかって、面白がっていました。
「でも、◯◯君の好きな人って、紗菜さんだよね、もう見ててバレバレだよ」
ひとりが