ベッドサイドの鏡に映る、彼のモノを咥えこんだ黒いベビードール姿。
それが自分の姿だと自覚するたびに、あたしの気持ちは昂ぶっていきました。
家族から解き放たれたお正月、あたしは久しぶりにゆっくりと女の子の時間を愉しみました。
バスルームで念入りにムダ毛を剃ってから、
全身にボディクリームを塗り込んで肌を滑らかに仕上げ、
フェイスパックでしっとりさせてからメイク開始。
特にアイメイクは念入りに、最後はリップグロスで艶やかに誘う唇を完成。
そして、黒いガーター・ブラ・ショーツを着け、ベビードールをまとってから
白いミニスカートと、ピンクのオフショルモヘアニットを着る。
この段階で鏡を見たとしたら、
ベリーショートなのにセクシーを意識した、あたしとしてはチグハグな女が映るはずだ。
アクセサリーとウィッグを順に着けてから、実際に鏡でチェック。
乱れたウィッグを整えると、予定通りのあたしに仕上がっていた。
夜の歓楽街にしかいないような、男を誘うフェロモンたっぷりな姿のあたし。
妖しく光る唇、むき出しの肩に覗く黒い下着のストラップ、ミニスカから覗く網タイツ。
そんな姿であたしは、ネットで素敵な男性との出会いを求める。
何十と届く誘いから一番良さそうな人に返信し、残りのまともな方にお断りを入れる。
半分以上は、いきなり性器の写真を送ってきたりのまともじゃないメールなのだが…
やがて待ち合わせの時間が近づき、あたしは仕上げにかかる。
香水をほのかに漂わせ、ネイルを付け、ニーハイブーツを履き、
エナメルバッグを提げてドアを閉める。