最初は女装用品を少しずつ集めては、女の姿になって、鏡の前で自慰行為を繰り返すだけで悦に入っていた。
しかし、女装行為はどんどんエスカレートしてゆきます。
いつ日か(この姿で外を歩きたい....)と思うようになるのは必然。
ところが、女装初心者にとって最初の壁は「女装散歩」なのです。
男の自分がスカートを穿いて外を歩くなんて、、想像を絶する大冒険。
あの日、私は生まれて初めて女の姿で外を歩きました。といっても、中々、部屋から一歩踏み出す勇気がありません。シラフでは無理なので、お酒を飲んでほろ酔い状態での冒険。これが、後の失敗に繋がったんですね。
女装散歩といっても、深夜に近くの自販機で飲み物を買って帰るだけ。
たった5~6分の小さな冒険でしたが、私にとっては大きな第一歩。
それ以来、女装での散歩がやみつきになり、その移動距離、行動範囲をどんどん広げていきました。
あまり目立つような格好は避け、オーソドックスな黒タイトスカートに白いブラウスのような格好が多かったですね。勿論、下着はちょっとエッチっぽく(笑)。念入りにお化粧をして、セミロングのウィッグを被ると、ローヒールパンプスを履いて出掛けます。
いくら慣れてきても、やはり女装散歩は大変なこと。お酒を飲んで酔った状態で気を大きくし、夜遅い時間の女装散歩ということになります。
「おねえさん、オ○ン○舐めてあげようか!」
「ねえ、彼女。遊ばない?」
車の中から、あるいは通りすがりざま、色々卑猥な言葉を投げかけられましたね。中には「男だろ?」なんて言葉も浴びせられ傷付くこともありましたけど、大抵は卑猥なものでした。
その度に私はドキドキ、、恐怖と嬉しさの複雑な感情ながら無視を決めこんでいたのです。
部屋に戻ると、男である自分が、同性に女として声をかけられた余韻、その興奮が冷めやらず自慰行為。
女装行為はまだまだ過激に大胆にエスカレートしてゆきます。
最初は普通のオーソドックスな女装姿で散歩を楽しんでいたのが、セーラー服を買ってからというもの、どうしてもそれを着て外へ出たくなってきたのです。女装散歩は地味な格好でも、清水の舞台から飛び降りるような勇気が必要なのに、自分は女子高生になって外を歩きたくなってきたのです。
部屋でお酒を飲んで、深夜酔っ払ったら、私は女子高生になって外を歩きました。なるべく人と会わないように慎重に歩き、数回は何事もありませんでした。女子高生散歩もやみつきになってゆき、慣れてくるにつけ大胆な女子高生なっていくのです。
そして、あの事件?が起こりました。
夏用の白いセーラー服で、私は散歩に出ました。その日は、いつもより沢山お酒を飲んでいたと思います。
深夜、酔っ払って千鳥足の怪しい女子高生が徘徊しているのです。
今思い出すと、あれで巡回警察官と遭遇したら大事でしたね。
酔って気が大きくなって慎重さも薄れ大胆にもなっていたのかな?
「おねえちゃん、こんな遅くにどこ行くの?」
背後から不意に声をかけられ、肩口をポン!と、叩かれました。30代ぐらいの酔っ払った男でした。
女装の自分が他人から触れられたのは初めての経験です。
いつもの自分なら、無視を決め込んで足早に小走りに逃げるところ。
ところが、その日はかなり酔っていた。早歩きはおろか、普通に歩くのも足元がおぼつかない。それに、酔いが私を大胆にさせていた。
「これから、家に帰るとこです」
女装姿で知らない男と喋るのは厳禁です。女声を装っても、すぐにバレますよね? その男性もおかしいと思ったのか表情を変えました。
「もしかして、君、男じゃないの?」
男はそう言うと、私の顔をジロジロ見つめます。
「そうです。僕は男なので、向こうへ行って下さい!」
しかし、男はその後も執拗にあとをついてくるのです。
逃げたいけど、歩くのもやっとの状態でどうしていいのか?
「おねえちゃんは、一人暮らしなの?一人ならエッチしない?」
男はそう言うと、私の肩に手をかけたのです。
これは痴漢なのか? こんな酔っていては逃げるのも無理で女装男なので大声を出すのも無理。
「おねえちゃん、お酒飲んでるね?オレも飲んでるから、部屋で一緒に飲んでエッチしないか?」
この人は、私が男であると教えてやったのに、なんでこんなにしつこいのだろうか? 酔って見境が付かなくなっているのかもしれない。
このままでは、本当に部屋までついてきてしまうだろう。
「すいません! 家には彼氏がいるので手を離して下さい。着いて来ないで下さい」
男はそれでも手を離さず、卑猥なことを囁いてくる。
心底恐くなった私は、男の手を振り払うと走った。逃げるしかない。
次の瞬間、思いっ切り転んだ・・・。
苦痛から起き上がると男の姿はなかった。あまりの派手な転倒に、男は驚き立ち去ったのかもしれない。
ケガでもしていたら、女装の男と面倒なことに関わりたくないのだろう。
次の日は数か所に傷があり、痛かったですね。一番ショックだったのは、大切な白いセーラー服が汚れていたことでした。
男である自分がクリーニングにセーラー服を出すのは恥ずかしい。
酔っ払っての女装外出は要注意です。
女装行為はエスカレートする。
女装散歩の次は?
女になっての同性とのエッチですね?
それは、またの機会にでも。