友人が住むマンションに、引っ越しの手伝いに行った時、マンションのオーナーである彼と出会った。見た目の印象は大柄でガッシリ、年齢も少し年上くらいにしか見えないのに、オーナーというのに驚いた。そして出ていく人間の引っ越しの手伝いまでするのを見て、人柄の良さを感じた。
引っ越し作業が終わり、友人家族が去った後、彼にお茶まで頂いて、話のはずみで名刺をもらい、僕の番号も教えてしまった。
二日後に彼からのメッセージが届き、「良い空き部屋があるし、美味しいお酒が手に入ったので、遊びに来ないか」との誘い。マンションの勧誘かとも思ったが、あの時日本酒の話で盛り上がったこともあり、土曜に訪ねて行った。
マンションの一階にオーナー兼大家さんの彼の家があり、ざっと間取りの説明を受けると、直ぐさま酒宴となった。お互いの年齢や趣味から、やがて女性関係の話になり、「結婚はしないのですか?」と聞くと、「向こうにいるよ」と、ある部屋に連れて行かれた。そしてあったのは、女性の写真と位牌が置かれていて、病気で奥さんを亡くされたと知った。
心の深傷に触れてしまったと感じた時、後ろから抱きしめられた。怒られているのか不安になり振り向くと、彼の唇が重なってきた。
女性とのキスはあるが、男とのキスは初めてだし、される側だったので衝撃を受けた。「ごめん。初めて君を見た時から、とても気になっていてね。どうしても自分の気持ちを抑えられなかった。」謝罪の言葉を聞いても、自分の立場が理解できないまま、その日は終わった。
一週間後、「君にもう一度逢いたい、どうしても嫌なら来なくてもいい。」という連絡が入る。僕もこの間、何が起こったのか整理をしていて、衝撃を受けたけど、拒絶する気持ちにはならなかった。そしてその気持ちを確認するため、彼の家のドアの前に立った。
彼に招き入れられドアを閉めた時、ゆっくりと唇が重なってきた。彼の顔が近づいて来た時、またキスされると感じていたが、拒否することもなく、それを素直に受け入れていた。そのまま抱きしめられるようにソファーに運ばれると、舌を入れられるディープキスとなった。僕もなぜか彼に腕を伸ばし、彼の舌を味わっていた。
そして二度目の衝撃、「俺の彼女になってほしい」。 彼女!!?? ゲイのことは知識として知っている。女性の役目をする側がいることも。彼女になるということは、僕が女性側になるということだった。
頭が混乱する中、上から覆い被さる彼に抵抗も出来ない。そして再びディープキスされながら、お尻を触られる。やがてベルトを緩められ、パンツの中に手が入れられ、アナルに直接タッチされる。僕はどうされるのだろう?不安と妖しい気持ちで揺れる。そしてズボンとパンツを剥ぎ取られた。
「初めてかな?」僕はゆっくり頷く。「あっ!」指が入ってくる。
「あっ! ああーん!」中で指が動いた時、信じられないような女の声が出てしまった。三度目の衝撃を感じながらも、女のような喘ぎ声を抑えることが出来なかった。
アナルがこんなに感じるなんて、こんな性癖を持っていたなんて。全てが衝撃の連続だった。もっと知りたい、「もっとして下さい」彼にしがみ付きながら口走っていた。
指だけでこんなに感じるなら、アナルセックスはどうなるのだろう。不安よりも未知の快楽を知りたい僕は、「彼女になってくれるね」という彼の言葉に、「はい」と答えていた。