私の年齢は二十八歳で、中堅の商社の総務管理課に勤
務する普通の会社員ですが、今はある男性の愛人として
夜の大半を女装子として過ごしています。
私の男性というか、性への目覚めは小学校六年の時で
した。
近所に住む中学三年のお兄ちゃん(一人っ子の私はい
つもそう呼んでました)と、誰もいない家で二人で遊んで
た時、お兄ちゃんに奥座敷の方へ連れ込まれ、敷きっ放
しになっていた布団の上に横にならされて、いきなりズ
ボンとパンツを脱がされたのが最初でした。
お兄ちゃんは学校では柔道部に入っていて、僕よりも
ずっと背も高くがっしりとした体格をしていました。
唐突にそうなったというのではなく、奥座敷に入る前
にお兄ちゃんが僕に、
「コウジ、いいもの見せてあげるよ。誰にも絶対いう
なよ」
といってあるビデオを見せてくれたのです。
それは画質のあまりよくないDHVでしたが、外人の男性
同士がベッドの上で抱き合っているものでした。
否も応もなく僕はそれを漫然と見ていたら、いつの間
にかお兄ちゃんが僕の隣りに擦り寄ってきていて、片方
の手で僕の手を握り、もう片方で僕の肩を抱きしめるよ
うにしてきていたのです。
お兄ちゃんの鼻息がとても荒くなっているのがわかり
ました。
ビデオでは裸になった男性同士がベッドの上で激しく
キスしていました。
そしてキスし合っている画面がアップされ、男性の舌
と舌が激しく絡み合っているのが映し出された時、お兄
ちゃんがいきなり僕を畳に押し倒すように抱きしめてき
て、唇を僕の唇に押しつけてきたのです。
今でもおぼろげに記憶しているのですが、音でいうと
何かに電気のスイッチが入ったようなビーンという音が
僕の心の中でしたような瞬間がその時だったように思い
ます。
お兄ちゃんが僕の背中に手を廻してきつく抱きしめな
がら、舌で僕の唇を強引に押し開けようしてきました。
小学生の僕は訳のわからないままお兄ちゃんの舌を口
の中に入れることを許していました。
セックス、という言葉が頭に漠然と浮かびました。
男性同士という意識が不思議とありませんでした。
何も抵抗できないまま(というよりしなかった)僕はお
兄ちゃんにキスをされ続けました。
奥座敷の方へ手を引かれるようにして連れ込まれたの
はその後でした。
季節は多分初夏の頃だったと思います。
布団の上で僕はお兄ちゃんに素っ裸にされ、お兄ちゃ
んも全部の服を脱いでいました。
その間、僕からは何の言葉も発せず、お兄ちゃんにた
だ身を任せているだけでした。
布団の上でまた強く抱きしめられ、唇を塞がれました。
お兄ちゃんが僕から離れすっくと立ち上がりました。
布団の上に座るようにいわれると、僕の目の前にお兄
ちゃんの股間が見えました。
僕にはまだない黒い毛の真ん中からお兄ちゃんの固く
いきり立ったものが、天井に向かってそびえていました。
さっきのビデオの画面をふと思い出しました。
男性が男性の性器を口の中に入れ含んでいたのです。
お兄ちゃんの手が僕の頭にかかり顔を、自分の固く突
起したものへ近づけようとしてきました。
小学生の僕には当然初めての行為をお兄ちゃんにせが
まれていたのですが、僕自身に拒む気持ちがその時はな
かったのか、大きく口を開けて大人以上に太くて固くそ
そり立ったものをゆっくりと含み入れていったのです。
その時には当然わからなかった被虐感という熱い感情
の渦の中に、僕は自ら陥っていたのだと思います。
まるで太い鉄の棒のようなものを口のおく深くまで呑
み込まされて、僕は何度もえづかされながらも奉仕とい
う思い(その時にはそうは思ってなかったですが)で、お
兄ちゃんの顔を苦しげに見上げながら顔を前後に動かせ
続けていました。
しばらくしてお兄ちゃんの両手が僕の頭を強く押さえ
込んできて、両足の太い太腿の筋肉が固く締まるのがわ
かったかと思うと、僕の口の中に何かが激しく吹き出さ
れ口の中一杯に飛び散ったのです。
「ううっ…」
と僕はたまらずそれを口から放そうとしたのですが、
お兄ちゃんに頭を強く押さえ込まれていたので、その液
体の大半が否応なしに喉の奥に飲み込まれてしまったの
でした。
ようやくその鉄の棒のように太いものから解放された
時、お兄ちゃんがティッシュで僕の口元を拭ってくれな
がら、
「コウジ、気持ちよかったよ。お前は今日から俺の愛
人だ。いいな」
と肩に手を置きながら僕にいったのでした。
愛人という言葉の意味がどんなだかもわからないまま、
僕はこくりと首を頷かせたのでした。
それからまた布団の上で裸同士のままキスし合ったり
抱き合ったりしていて、お兄ちゃんが僕に四つん這いの
姿勢になるよういってきたのです。
いわれた通りに僕は布団の上でお尻を高く押し上げる
ような姿勢をとりました。
お兄ちゃんが僕の後ろに廻り、いきなり舌でお尻の穴
を舐めてきたのです。
「あっ…」
と僕は思わず短く声を上げてお尻を捩じらせました。
しかしお兄ちゃんの強い手の力で両方のお尻を押さえ
込まれ、僕はなす術なく下の愛撫を肛門の周囲に長く受
け続けたのです。
そうされている時、僕の下半身のまだ幼いものが固く
勃起しているのに気づきました。
「ああっ…き、気持ちいいっ」
僕は首を左右に激しく振りながら、そう小さく叫んで
いました。
肛門を舐められながらお兄ちゃんの手が僕の勃起した
ものを擦るように握り締めていました。
やがてお兄ちゃんの指が僕の肛門のずぶりと押し入っ
てきました。
その日のそれまでもそうでしたが、生まれて初めて感
じる性的な感覚に、まだ幼い小学生の僕の身体も心も酔
い痺れてしまっていました。
「お、お兄ちゃん…」
幼い肉体の肛門と性器への被虐的な責めに、僕はしか
し嫌悪感や汚辱感よりも、悦楽的な感情に浸っていると
いうのが正直な気持ちなのでした。
お兄ちゃんの指が僕の肛門の中に何か柔らかいものを
入れ込んできているのがわかりました。
ふと首を後ろにして見ると、ティッシュペーパーを小
さく丸め込んで何度かに分けて入れ込んできているので
した。
そういう変態的な行為ですら、その時の僕には嫌悪感
の欠片もなく、逆に興奮の度合いを深く増すばかりにな
っていました。
そして僕の性器に絶頂が訪れ、
「お、お兄ちゃん……ぼ、僕っ」
そういって全身を大きく捩じらせた時、お兄ちゃんは
素早く僕の身体に潜り込むようにして、激しく勃起した
ものを口の中に含み入れてくれ、僕はそこで生まれて初
めての射精をしたのでした…。
それから夏が過ぎ秋の終わり頃まで、お兄ちゃんとの
秘密の逢瀬は続きました。
お兄ちゃんの家のあの奥座敷に二人で入ると、小学生
のくせに僕は異様な興奮状態にいつも陥らされていまし
た。
お兄ちゃんと芝居劇のようなものをして、僕がいつも
女役でお姫様になったり、町娘になったりして、お兄ち
ゃんがいつも僕を虐げる悪役でした。
用意された縄で裸のまま縛られ鴨居に吊るされ性器を
嬲られたり舐められたりしました。
時には首輪をされ裸のまま畳の上を這い廻らされたり
したこともありました。
そうして秋の終わりのある日、お兄ちゃん奥座敷にい
た時でした。
「コウジ、俺明後日になったらこの村を出て行く。父
ちゃんが事業に失敗して、この家も何もかも全部取られ
てしまったらしい。違う町でやり直すみたい。だからお
前とももうこれが多分最後だ」
と突然の驚きの告白を受け、僕は何も言葉を返せませ
んでした。
小学生の僕に何もできるわけもなく、お兄ちゃんの寂
しそうな顔を悲しげに見るだけでした。
その日、布団の上でお兄ちゃんは激しく僕を抱きまし
た。
そして僕のお尻への愛撫を長く続けている内に、つい
に僕の肛門に自分の固く屹立したものを強く押し当てて
きたのです。
お兄ちゃんの唾液で多分僕の肛門は濡れそぼっていた
と思います。
「ああっ…い、いたっ」
お兄ちゃんのものが僕の肛門の中へ押し入ってきてい
ました。
裂けるような激痛に僕は一瞬襲われ、思わず声を上げ
ましたが、子供ながらに堪えなければという思いが強く
湧き上がり、そのままお兄ちゃんのものの侵入を顔を歪
めて堪えきりました。
お兄ちゃんの屹立が僕の中に深く挿入されたという実
感めいたものを、小学生でも僕は感じました。
「ああっ…いいっ…お、お兄ちゃん…いいっ」
お兄ちゃんがゆっくりと腰を動かせていました。
痛みはなくはなかったですが、それ以上に言葉にでき
ないくらいのめくるめいたような感覚が、幼い僕の全身
を熱く煮えたぎらせてかけ巡っていました。
被虐感もありましたが、お兄ちゃんへの深い愛情を僕
は痛みの中に感じ、涙を流しながら悦楽の坩堝の中へ身
を沈ませていきました…。
そのお兄ちゃんは二十歳の時、交通事故で亡くなった
というのを何年か経ってから風の噂で聞きました。