母はその日彼に質問したそうだ。
女性との経験はあるのかと。
彼は学校では男子と疑似セックスをしていたが、しっかり女性経験もあった。
それもアラサー以上だ。
母が吹っ切れたのはそれだろう。
自分が理性を保って彼を退けたとしても、結局彼はどこかの私くらいの餓えた女の餌食になってしまうのだ。
私がもったいぶっても彼の趣味が変わる訳ではない。
次を求めるだけなのだ。
彼は一番見られたくない人に恥態を見られてしまったけど、本来なら話す機会すらない教頭先生とこんな接点ができた。
絶対に縁があると言って、これで一段落は嫌だと母に迫ったらしい。
母に迷惑は絶対かけないという大前提で。
まだ若いのに母の立場まで考えている彼に、母はますます心を奪われていく。
狂ったようにオナニーしたあと、自責の念に苛まれながらも自分ももう彼への気持ちは抑えられないと感じていた。
これは教師としての一期一会で、もし不義を犯すなら彼以上の相手は今後現れないと思った。
母は裸のまま彼に電話をした。
脱ぎ散らかした学校には着けていかない淫らな下着を眺めながら挨拶もそこそこに、
「今度うちにいらっしゃい…」
と、決意を告げた。
彼曰く、静かで淡々と言う母に湖の水面を思い起こしたようだ。
湖水の中は見通せない。何が潜んでるかわからない不気味さ…
穏やかだけどそんな未知の怖さを感じたらしい。
それでも彼は歓喜したのだろう。
彼は母に言った。
「やっぱり先生大好き…今も今日の先生とのことを思い返したりしながらしちゃってました。」
「あっゴメンなさい。最中だったの?」
「それは大丈夫です。もう少し早かったらあぶなかったですね…だから、今は先生にめちゃくちゃ甘えたい気分です」
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