禁断の木の実

今日はママと◎◎◎、□□□の三人で夕食を作りました。
驚くなかれ、□□□にとっては我が家で飯を作ったのが初めてらしい。
ママと料理をしたことが無いんだと。そんな事を妹に笑顔で話してるのを聞いてたら悲しくてつい、
「ねえ、パパ、なんでないてるの？」
□□□が姪っ子とママを交互に見ながら俺が涙を流したのを不思議に思ったんだね。
「あのね？パパはさ、ときどきなくの」◎
「なんでなくの？」□
「□□□やさ、◎◎◎の可哀想な話を聞くと泣いちゃうんだよ、可哀想で泣いちゃうの」妹
「わたし、かわいそうだった？」□□□が俺を見上げました。
「□□□ちゃん、お願いがあるんだ」俺
「なに？」□
「ダッコさせてくれないかな」俺
「え？…いいけどなんで？」□
「いいの？」俺
「んー、いいよ？」□
前屈みになると両手を差し出した□□□を抱き上げました。
ただ黙ってギュッと抱き締めていたらね、□□□が胸の中で体がヒクヒクするので顔を見たら泣いてんだよね、それを見たら胸が痛くなって俺もまた泣いちゃって、改めて揺すり上げて抱き締めると□□□が声を出して泣くんだよ。辛いよ、さびしいよって言葉じゃなくても伝わってくるんだよ。
「ママ、二人でないちゃったよ？」◎
「さあ、□□□、料理のお手伝い、お願いね？」
ママの言葉で□□□を下ろすと三人で焼きそば作りが再開です。
何とかうちの子に貰えないもんだろうか……
そんな事をマジで考えながら三人の姿を眺めたよね。無理なこたわかってんだけどさ。


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