急展開。
昨日は学校で作業があり妻に電話で連絡をとった。
「相談があるんだ」切り出す。以下、会話の再現。
「あらたまって、なに?」妻
「俺のクラスにヒイラギって子がいてさ」
「ん、で?」
「母子家庭で二人っきりの子なんだよ」
「ん」
「母親ってのがデリヘルやってるよつで今夜は一人なんだって」
「でりへるってなに?」
「ああ、まあ、電話出張で男のストレスを抜く、一晩限りの自由恋愛だな」
「ああ、ああ~そういう……ね、へえ~?」
「苦労してるし優しくていい子なんだけど」
「女の子?」
「うん、ヒイラギミコトって子だ」
「わかった、いいよ連れてくれば?」
「話が早いな」
「いいよ、お友だちもみんな家でクリスマスなのにさ、うちでよければ一緒に」
「悪いな、頼むよ」
「悪くなんかないよ、◯◯(娘)もお姉ちゃんがいたほうが楽しいだろうし」
「じゃあそうする」
柊に電話を入れると遠慮がちに小声で「いいの?」と言う。
「俺の娘と遊んでやってくれよ、一人っ子だから寂しいだろうし」
「うん、ちいさい子すきだし」
「だけど、パパとのエッチな話は……」
「いははは、いっちゃおーかなー?」
「こら、」
「いははは、じょーだんだよ、ゆーわけない」
「じゃあ5時には迎えに行くからな」
妻が慌てて買ってきたというクリスマスプレゼントの洋服を着てみてもらった。合わなければ取り替えにいくと妻が言ったが幸いにサイズはちょうどよかった。
子供とはいえ女の子だからと言って嬬が着替えにリビングの隣の和室を使ったが俺と柊とはとっくに裸ん坊の付き合いなの着替えくらいどうということもない。
俺の顔を見る柊の目が笑う。柊も同じ事を思ったのだろう。
娘とたくさん遊んでくれて娘も楽しいクリスマスとなったようだ。
帰り際にプレゼントの紙袋を胸に抱えた柊が妻にお礼を言って頭を下げると涙を溢したのだ。この驚くべき演技に妻はすっかりやられてしまった。
柊の体を抱き締めると「またいつでも遊びにきてね?」自分も涙声になって柊に言うと「いいの?」と柊。
「もっちろんよ、◯◯も喜ぶから」
柊が涙を拭きながら頷いた。
車に乗り込むと窓を開けてやる。
妻がお菓子の入った大きなレジ袋を柊に手渡すと
「学校で先生をいじめないであげてね」冗談をいうと柊が口を滑らせた!
「うん、でもパパ、クラスにんきある……」途中でパパと言ってしまったことに気付き言葉を詰まらせた。
妻も僅かだが目の色を変えたような気がした。
「あのね?、みことパパがいないから先生をね?ときどきパパって………だめ?」 うつ向きながら甘えて誤魔化した。
「いいわよ、時々なんて言わないでずっとパパって言ってあげてよ、娘が二人になったって喜ぶから」
柊が俺を見ながら「パパって、よんでもいいの?」と聞く。恐ろしい位の演技だった。
「学校でなければいいよ、ウチに来た時はパパになってあげるよ」
柊が笑顔で頷くと妻がまた涙声で柊にいつでも遊びにおいでと言う。車を走らせると窓から身をのり度して妻と娘が見えなくなるまで手を振った。
シートに座るとベルトをかけながら足を組む柊。
「ヤッバ……バレるかとおもったぁ~」
「おまえ、女優になれるな、涙なんか流してすげえな」
「え、……だって」
「ん?」
「あれ、マジだから」窓の外を眺めながら呟いた。
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