2012/03/10 16:57:17
(tUm4.hyr)
悲しい不可抗力の過去を背負った苦労人・・・・
どこかにそんな評価を自分にしていたのか
小さな俺の女房が そんな俺の甘ったれた根性の腐れ加減を洗い出す
結局、弟は来なかった
意外に息子だけはパチンコで上がりがあった時には優遇されていて母親がどこかへ
連れていったりするのだ、 と、笑顔を作って話してくれるその笑顔に心が痛む
そんな時どこへいったのかは弟もはっきりとは言わないのだとか
疎外されている私をを気遣って言えないのだろう、と・・・
あまりの事にまた涙腺が痛み出したので強制中断をしてゲームセンターにでも行くか
と、明るく話題を変えてみたのだが、・・・俺の顔をちょっと見上げただけで俯いてしまった
どうした?行きたくないか? と尋ねると 少し考えたあとで こう言った
「 なんかね? ゲームセンターってね? パチンコ屋みたいなんだもん ・・・・ 」と
サバイバルナイフで心臓を抉り出されたらきっとあんな衝撃なのだろう
俺はただの「ばか」だったんだとその時に気がついた
長いあいだの勘違いがその抉られた傷口から汚物臭を放ちながら流れ出したかと思えた
所詮、この無垢に輝く体目当てのおぞましい変態野郎でしかなかったのか
この俺の3分の1もない小さなちいさな胸に受けて、そして戦ってきた悲しみと苦労を俺は
何一つとして理解していなかったのだ 俺は俯いた小さな女房を抱きしめて今度はこらえ切れずに泣いた
そう、数分で消える千円分の弁当を食べるためにこいつは何軒も何軒も子供のいる家を渡りあるいては
物乞いをし、媚をうり、そして罵声とともに追い出されて、・・・・
風呂にも入れず、何日もなんにちも同じ下着を履いて「この子くさああ~い」 と、笑われながら
それでも生きるために笑顔を作って耐えてきたのだ
何がゲームだ! なにが楽しむ権利だ!
この歳で俺にさせるセックスが楽しいわけがなかろうさ、 それでも目を閉じて、奥歯を食い縛って耐えるのは
「生きるため」以外になにほどの理由なんかあるものか!
ただその手段が「物乞い」から幼い「女体」へと変化しただけなのだ
そして物乞いよりずっと悲しみが少ない・・・・それだけだ
それだって、それだって同じ年頃はもちろん、そこら辺のババアなんかに決してわからない位の痛みを浴びている
俺は涙がとまらない
両手で抱きしめた背中を摩りながら泣いていた俺の腰に細い腕をまわして
「 ウチのために ないてんの? ・・・ だいじょうぶだよ? おじさんがいるから ・・・・・ ウチ、しあわせだよ? 」
俺は ・・・ おれは、なんと無駄に歳をくってきたのだろうか
返してあげる言葉など一言も思いつかずに、ただ抱きしめた腕に力を込めるしかなかった
その日、俺は初めて女房の体に手を触れようとはしなかった
そんな気分になど到底なれそうになかったのだ
俺が風呂の支度を終えて戻るとポットに水を入れてコンセントを差し込みながら振り向いて俺に言ったのだ
「 きょうは ・・・ ふふふっ! 」 照れ笑いをする
「ん? 今日は? なに?」 俺が返すと更に照れながら・・・
「 きょうはね? してこないんだなあ・・・って! いししししっ 」 両手で股を押さえてくねくね腰を左右に捻る
「 おじさんが・・・そんな事するの、嫌じゃやあない? 」 おでこを指先でくるくると摩って聞くと
「 ぜんぜええ~ん? きらいだとおもってた? 」 そう言うと俺の腹に顔を埋めて抱きついてきた
「そっかっ! よしっ! するかっ!! 」 いきなりお姫様だっこでベッドへ運ぶ
きゃあきゃあと手足をバタつかせておどけて騒ぐ小さな俺の女房をベッドに下ろすと ・・・ 真顔に戻ったかわいい顔を両手で包み
その小さなちいさな柔らかく甘い香りの唇を求めた・・・・・