投稿者:雅之 ジャンル:その他
「それ、新しい携帯だよね。どう? 使いやすい?」
いきなり声をかけられたのでかなりビックリした。
消極的な性格で、少ない友人からは顔が普通すぎると言われ、自分の世界に閉じこもっていた俺に声をかける女がいるなんて。
振り向くと、そこには美少女の笑顔があった。
当時の彼女は丸めの顔で髪型はセミロング、真ん中から前髪を左右に分けていた。シャンプーのCMのモデルみたいに艶のある黒髪だったような気がする。
適度に整えられた眉毛、クリッとした大きな目、細長く凜とした鼻、薄い唇、頬と額に少しだけ目立っていたニキビ。
一目惚れだった。彼女の自己紹介のときは照れ臭くて直視できなかったけど、ああいう風にまじまじと視線を繋がれると目を逸らすことができず、釘付けにされた。
今改めて彼女との思い出を振り返ると、彼女の美しさのピークは高2~高3の春くらいだったと思う。
彼女が一番美しい時期に俺は香苗という女子に恋をしたのだ。
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