社長からの思いもよらない言葉に、私は照れくさい恥ずかしい、でも凄く嬉しい気持ちでした。
『いや、俺なんかまだまだ』
みたいに口を濁すと、ある先輩がそれを遮るように言いました。
『馬鹿野郎!お前何年車いじりしてるんだ!何年俺や場長から教わってんだ!自信持ってやれ!』
私は、はい!強く返事をすると、ニコニコしていた晴子につい目が向いてました。
そうか、俺はずっとまだまだとか、ダメな奴とか思っていたけど、そうじゃないんだ、それを気づかせてくれた晴子に、さらに恋心を強く持つようになりました。
彼氏とかいるのかな?
仮にいなかったとしても、二つ下の俺なんかなぁみたいな気持ちでいました。
私から女性にアプローチなどしたことないですから、どうやったらいいかもわからない情けない私です。
休みの日、街を私がブラブラしてると、晴子を偶然発見しました。
誰かと待ち合わせをしてるように見えました。
あぁ、やっぱり彼氏いるんだなぁ、そう思って見てました。
私はそこから立ち去ろうと、方向を変えました。
すると晴子は私に気づいたようで、走って追っかけてきました。
『あ~やっぱり修治さん、声かけてくれたら良かったのに』
『いや、誰かと待ち合わせしてるみたいだったからさ』
『え?あ~妹とね。でも子供が熱出したってキャンセルメール来て、途方にくれてたとこ』
彼氏じゃなかった、それにドタキャン、これってチャンスじゃない?しかも晴子が私を見て追っかけてきた。
時間はお昼ちょっと前、ランチに誘ってみようかな、そう思いました。
『お昼、一緒に食べない?』
そう言ったのは私ではなく、晴子でした。
『俺もそう思ってた』
ランチ中、私は晴子が彼氏か誰かと待ち合わせしてると思ったことを話ました。
するともう彼氏なんか何年もいない、妹に先に結婚され子供も産まれ、私はおばさんになったとか話てました。
なんとなく何を話てもいいような感じになり、私は小中高時代のことを話てました。
『私もこんなだから、似たようなこといっぱいあったよ』
先にも触れた通り、太めのブスと言える晴子、それでも明るいのは何故と思いました。
『負けん気が強かったからかな』
そう答えた晴子でした。
ランチ終了、姪の様子見に行きたいと言った晴子と別れるとき、今度は私から言いました。
『来週、どこか行かない?今日みたいにランチでもいいし、ドライブでもいいし』
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