嫌な所を見られたな…。
内心そう思ったが、優子と職場では良好な関係であり、他言するようなタイプには見えない事から、私は正直に、サボってTV観戦していた事を話した。
「あかんじゃないですか(笑)口止め料として駅まで送ってもらっていいですか?(笑)」
その日、子供の体調が悪く休暇をとしていた優子だが、回復したため保育園に連れていき、1人で駅前のショッピングセンターに行くところだったらしく、私は優子を営業車に乗せ、車を走らせた。
優子が旦那さん、娘と3人で住む自宅は、私のマンションから徒歩で5分程度。駅まではあと10分位徒歩で掛かる事もあり、
「助かったぁ。今日はラッキーやわ」
等と会話しているうちに、駅前のショッピングセンターに到着した。
優子を降ろす時に、私は冗談半分で
「これで会社には内緒な」
と言ったところ、優子から思いがけない事を言われた。
「課長、今日みたいに私が休みの日に、課長のマンション貸してくれません?」
私は何故その様な事を言うのか理解できず、優子に理由を聞いたところ、優子はこう答えた。
「私、家も旦那の両親が近くに住んでるから、休みの日も突然来られたりしてゆっくり出来ないんです。だから、会社に行った事にして、ゆっくり出来る場所が欲しくて…。」
それが俺の家?
正直そう思ったが、優子が少し天然であること、また、優子に対して異性として意識した事がなかった事もあり、部屋の掃除を条件に、次回の休暇に部屋を貸すことを了承し、駅前で優子を降ろした。
とは言え、実際に依頼してくることはないだろう…。
その時そう思ったのはよく覚えている。
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