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鶴の廓
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1:鶴の廓
投稿者: モンスーン ◆LcZFM.jE8Y

“廓(くるわ)”

それは所謂、遊郭の別称。
美しくも艶やかな遊女達が妖しく舞い、夜毎、男と女の淫靡な駆け引きが繰り返される悦楽の園。

そんなものとはまったく無縁な地方の鄙びた村。
そこへ流れてきたひとりの旅商いの男。
彼はようやく見つけた一軒の屋敷で客人としてたいそうなもてなしを受けることになるが...


本編へ続く。


※この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

※時代劇風に仕上げておりますが、読者の方それぞれのイメージでお読み頂きたいため、時代設定はあえて曖昧にしております。また、作中の言葉・方言にも統一感を持たせておりません。表現上、一部に古語を使用している箇所もございますので、予めご了承ください。

 
2019/09/24 10:28:02(Tygwa.qX)
2
投稿者: モンスーン ◆LcZFM.jE8Y

暑さも和らぎはじめた秋彼岸の夕暮れどき。
とある屋敷の玄関先にひとりの男が立っている。
齢は四十過ぎと見える。
たいそう大きな籠箱を背負っているところをみると、男は行商のようである。

『ごめんくだせぇ、だれかおりませぬかぁ』


「はーい、ただいま」

屋敷の中から女の声がしてすぐ玄関の引き戸が開いた。
出てきたのは齢四十手前の女。
この家の嫁御、千鶴子である。

「...どちらさんですかぇ?」
『あの西の山ば越えて来た行商のもんで』
「それはそれはなんとまぁご苦労なこと」
『お願ぇです、今晩の夜風しのぎにこの軒下をお借りできんでしょうか?』


『おーい、どうした千鶴子、客人かぇ?』

屋敷の奥からこの家の亭主、庄吉の声。

「行商の人よぉ、今晩うちさ泊めて欲しいんですってぇ」

千鶴子が声高に答えると、すぐに庄吉が返す。

『おぉ構わん構わん、上がってもらいんさい』

「さ、うちの人もああ言ってますんで、どうぞお上がりください」

行商の男は深々と一礼し、千鶴子の後についていそいそと屋敷の中へと入っていった。

19/09/24 10:31 (Tygwa.qX)
3
投稿者: モンスーン ◆LcZFM.jE8Y

屋敷の居間には、家主の庄吉を筆頭に、隠居の爺婆と一人娘の妙子、そして嫁の千鶴子が皆揃っていた。

座敷に上がった行商の男は一同を見回すと、頭に巻いた手ぬぐいを取り、面目なさそうに頭を下げた。

『あっし、旅商いの勘兵衛と申します。初めての土地で宿探しばしておりましたらすっかり日が暮れてしもうて。なんとも恩に着りますだ』

『なぁに、困ったときはお互い様でしょうに。気にせんと一晩と言わず何晩でも泊まっていってくだされ。ささ、そんなとこさ突っ立ってねぇでこっちさ座って一緒に飯でも食わんせ』

そう言って庄吉は勘兵衛を自分のほうへと手招く。

『これはこれは、かたじけない。そんでは遠慮なく』

重い籠箱を部屋の隅に置き、庄吉の隣へと座る勘兵衛。
体格の良い庄吉に比べ、やや小柄な勘兵衛であったが、着物の裾から出たふくらはぎはまさに厳つい筋肉の塊であった。

『いやぁ流石は行商さん、ずいぶんと立派な脚ばしとるのぉ!』

庄助が勘兵衛の脚をポンポンと叩きそれを褒めた。

『なぁに、朝から晩まで竹籠担いで歩いとるだけで中身は能無し、ただの木偶の坊でやんす』
『勘兵衛殿は戯け話も上手じゃのぉ、さぁて、今夜は宴にすっど、ガハハハハハ』

彼の気さくな人柄に皆心を許し、客人として温かく迎えられる勘兵衛であった。

19/09/24 10:33 (Tygwa.qX)
4
投稿者: モンスーン ◆LcZFM.jE8Y

飯を食い始めてからしばし刻が経ったところで、なにやらそわそわと落ち着かない様子の勘兵衛。

『どうした勘兵衛殿、もしや、しょんべんかぇ?!』
『へ、へぇ、めんぼくない。便所はいずこに?』
『おい、千鶴子。勘兵衛殿ば便所さ連れてってやれや』

便所は屋敷の外の離れにある。
その夜は新月。真っ暗闇の中、千鶴子が提灯を持って勘兵衛を案内する。

「殿方のお便所はこちらです。足元さ気ぃつけて..」

『いやぁ、真っ暗でなんも見えんのぉ。奥さん、すまんが灯りばもらえんかね』

千鶴子は勘兵衛に言われたとおり、提灯の灯りを彼の方へそろりと向けた。

『なお、なお寄ってくれんかね。あぁ、そうじゃ、これでよう見えるわい』

勘兵衛は着物の裾をめくり、ゴソゴソとイチモツを取り出そうとしている。

千鶴子は提灯に照らされた勘兵衛の股間をそれとなく横目に覗いていた。

そんな千鶴子の眼前に、恐しく立派なイチモツがボロンとこぼれ出た。
ゆらゆらと揺らめく提灯の薄灯りに照らされた彼のイチモツは、それは異様な迫力であった。

そのイチモツから勢いよく小便を出し終えると、勘兵衛は何食わぬ顔でソレを着物の中へとしまい直した。

『奥さん、用足しが済んだでな、また屋敷に連れていってくれんかの』
「は、はい..こちらに..」

今来た道を屋敷へと引き返す千鶴子と勘兵衛。

『ほんに真っ暗じゃなぁ。この辺はさっぱり人が住んでおらんようで。先刻、このお屋敷ば見つけられんかったら今頃そこらの畑で寝るところじゃったわい』

勘兵衛の独り言のような言葉に千鶴子は何も答えなかった。

19/09/24 10:36 (Tygwa.qX)
5
投稿者: モンスーン ◆LcZFM.jE8Y

酒も進み宴もたけなわ、庄吉が千鶴子を呼びつけた。

『千鶴子ぉ、、風呂だ! 風呂の用意ばせぇ! 客人さ失礼のないようしっかと頼むど!』
「はい、かしこまりました..」

千鶴子は庄吉の言いつけ通りに風呂を沸かしに行くと、しばらくしてまた戻ってきた。

『そんではお客さん、風呂の用意ができましたんで、こちらへどうぞ』

それを聞いた娘の妙子が千鶴子の足元に駆け寄っていく。
どうやら母親と一緒に風呂に入りたいのだろう。
千鶴子はそんな妙子に何かを耳打ちすると、妙子は諦めた様子で千鶴子から離れ、つまらなそうな顔で庄吉の膝の上にちょこんと収まった。

「お客さん、どうぞこちらへ..」
『まっことかたじけない、旦那さんや御隠居さんを差し置いて一番風呂を頂くとは』

勘兵衛はそう言って庄吉と爺婆たちに頭を下げ、千鶴子に引かれて屋敷の奥へと消えていった。

19/09/24 10:39 (Tygwa.qX)
6
投稿者: モンスーン ◆LcZFM.jE8Y

薄暗い廊下の先にほのかに灯りの漏れる風呂場が見える。

勘兵衛の前を行く千鶴子の後ろ姿は、先ほどまでの嫁御としての彼女とはどこか違って見えた。
耳の後ろから垂れたゆるくうねる後れ毛。
着物の上からでも分かる膨よかな丸尻。
艶っぽい年増女の香りを漂わせていた。


脱衣場に入ると千鶴子は手慣れた様子でするりと勘兵衛の後ろにまわり、帯を取り着物の肩を摘んで丁寧に脱がした。
勘兵衛の浅黒く無骨な背中が露わになる。

千鶴子は前隠し用の手拭いを勘兵衛に渡すと、先に風呂場に入って待つよう伝えた。

「中の腰掛けさ座ってお待ちになって..後からすぐに参りますから..」
『奥さん、、あんたが湯女を?』
「はい..」

勘兵衛は風呂場の戸を開け、その通り椅子に腰掛けて待つことにした。

風呂場の中は立ち昇る湯気で真っ白に曇っていた。

19/09/24 12:49 (Mgg/3iEM)
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