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裏切られた男、裏切らない女
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:裏切られた男、裏切らない女
投稿者: てんてん
宍道ユウトは誰もいない生徒会室で一人昼食を取っていた。
ほんの少し前まで同じ高2の仲間5人、面白おかしく過ごした昼食会が開かれることはもう二度と無い。
毎回のように恋人だった藤村カナコが用意してくれた弁当を食べることも無い。
アイツは一体どんな気持ちで毎朝、俺の弁当を作っていたんだろう?
俺への贖罪だったのか?
それとも自分がしている浮気を誤魔化すためだったのか?
ユウトは180を越える長身で引き締まった体型をしている。
無造作な短めの黒い髪型だが、かなりのイケメンで優しく落ち着いた性格だ。
生徒会の副会長をしていることもあり、芯は強く、人望も厚い。
女子生徒だけでなく、男子にも人気がある。
彼女だったカナコは165の身長、スラリとしたモデル体型で、人目を引くかなりの美形だった。
その見た目と違う控えめな性格のカナコからの積極的なアプローチで二人は四ヶ月前から交際を始めた。
周りからもお似合いのカップルと言われ、ユウトは二人の関係は順調だと思い込んでいた。
カナコの裏切りを知るまでは、、、
相手は仲間のうちの一人、親友の天下ナオキだった。
ナオキにもこともあろうか仲間内に広田マユという恋人がいるにも関わらず、、、
二人は互いに交際相手がいるにも関わらず、秘かに関係を続けていた。
しかも相手の親友と分かっていながら、、、
カナコは処女をナオキに捧げ、肉体関係を続けながら、何食わぬ顔をして俺に甘えて恋人を演じていた。
マユはユウトの中学からの友人だった。
カナコとはタイプが違うが、可愛い顔立ちの美形だ。
スタイルも女性らしさに溢れている。
社交的で明るい性格だが、かなり気は強く、思ったことははっきりと口にする。
ナオキと付き合い、カラダの関係を持ったことはみんなが知っていた。
それなのに二人の様子に怪しいものを感じていたマユが、もう一人の仲間である蛯名ルミナに相談を持ちかけた。
そしてマユとルミナが秘かに後をつけたところ、二人がラブホテルに入って行くのを見届けた。
三時間後に楽しそうに寄り添いながら出て来た二人を直撃した。
初めは必死に誤魔化そうとしていたが、マユとルミナに徹底的に問い詰められた二人は遂に白状した。
二ヶ月前から二人は関係を持っていた。
週に一度の割合で、二人は隠れてセックスし続けていた。
その瞬間、俺達の関係は崩壊した。
ルミナにすべてを聞かされた俺はカナコを呼び出し別れを告げた。
俺はカナコとキスまでしかしたことがなかった。
カナコのことを心から大切に思っていた。
いずれは互いに求め合ってそういう関係もと考えていた、、、
それなのに、カナコは他の男に、しかも俺の親友にバージンを捧げていた。
必死になって言い訳をして、許しを請うカナコを振り払い、俺はその場を後にした。
驚くべきことにカナコは愛しているのは俺だけだと口にして、二人の関係の再構築を望んでいた。
開いた口が塞がらなかった。
この女は自分がしでかしたことを許されると思っている。
すべてが終わりを告げた。
みんなで笑いながら過ごした日々は二度と戻らない。

つづく
2024/05/09 09:35:31(fG.HAKMz)
2
投稿者: てんてん
ヤツらはどんな気持ちでみんなと居たのだろう?
恋人と友人を裏切り、心の中でみんなを嘲りながら優越感に浸っていたのか?
みんなと集まる度に、皆を出し抜いて二人で密会を重ね、情事に耽っていたのか?
考えただけで胸糞悪くなる。
カナコから持ちかけられた、手作りのお弁当。
それを自分だけに与えられた特権だと喜んで食べていた。
秘かにナオキにも作っていたのだろうか?
そんな気配は感じなかったが、気が付かなかっただけかも知れない。
何しろ、俺は彼女の処女を奪われ、浮気を続けていることにも気付かない鈍感な男だったのだから、、、
そんなとき突然ドアが開いた。
そこには、、、
今、一番顔を見たくない男、ナオキが立っていた。
175程の身長で茶パツに染めた伸ばした髪。
ガッチリした体型でそれなりに整った顔立ちをして、チャラい面もあったが、まさかこんなことをするとは思ってもみなかった。
「ここに居たのか、、、」
ドアを閉め部屋に入るなり、ナオキはその場に土下座をした。
「ユウト、、、本当にすまなかった、、、」
「お前、、、そんなことで、俺が分かったと、許すと思っているのか?」
俺は冷え切った目でヤツを見つめた。
「ごめん、、、そんな雰囲気になって、、、俺の方から誘った、、、全部、俺が悪い、、、」
そんな雰囲気になったじゃなくて、そんな雰囲気にしたんだろう?
そして、、、カナコもそれを、、、受け入れた、、、
苦々しいおもいが込み上げる。
「お前たちは俺だけじゃない、、、みんなを裏切った、、、マユのこと考えなかったのか?お前はマユをどうするつもりだったんだ?」
「愛想を尽かされたよ、、、もう顔も見たくないとさ、、、仕方ないよな、、、マユには悪いと思ってる、、、」
「それだけか?軽いな、、、マユが可哀想過ぎる、、、お前のシタことは本当にクズだ、、、」
その言葉にナオキは顔を上げ、俺を睨むようにして口を開いた。
「でもな、、、アイツには他に好きなヤツがいる、、、」
「そんなはずは無い、、、」
「気付かなかったのか?お前だよ、、、ずっと前から、、、中学の頃から、マユはお前のことが好きだった、、、今でもな、、、」
「戯言を言うな、、、くだらない妄想だ、、、お前はどうかしている、、、マユは俺の親友だ、、、大切な親友、それだけだ、、、」
「分かっていないのはお前の方だ、、、お前がそうだから、アイツは俺になびいた、、、アイツはお前に惚れている、、、俺には分かるんだ、、、」
「くだらない、、、お前、その勝手な思い込みで、まさかカナコに手を出したのか?」
「それは違う、、、俺は前からカナコが好きだった、、、でも、お前と付き合い始めたから、、、諦めようと、マユと付き合って、、、でも、、、諦めきれなかった、、、」
「お前の言ってること、、、最低だぞ、、、マユをバカにしてる、、、お前は自分のことしか考えていない、、、そんな男だったんだな、、、」
「何とでも言ってくれ、、、でも、マユだって、きっとお前のこと吹っ切るために俺と付き合ったんだと思う、、、俺は、やっぱりカナコが好きだ、、、これからもカナコと付き合うつもりだ、、、」
「好きにすればいい、、、カナコはもう俺と何の関係も無い、、、後のことは二人で決めることだ、、、俺は知らない、、、」
「本当にすまなかったと思ってる、、、でも、カナコを幸せにする自信はある、、、カナコ、、、マユと違って、俺の腕の中で凄く乱れてくれたし、、、俺たち相性もいいと思う、、、俺に凄く甘えてくれるし、好きだと何度も言ってくれた、、、きっと俺たちうまくいくと思う、、、」
こいつはこんなに無神経な男だったのか、、、
「それと俺が言えた義理じゃ無いけど、マユのこと、、、頼む、、、俺はお前のこと、信じてる、、、」
殴ってやろうか、こいつ、、、
「俺は、お前のこと信じてないよ、、、何一つな、、、」
代わりに吐き捨てるようにそう言った。
余りにも独りよがりな言い草に込み上げる怒りを押さえ込む。
こんなヤツを殴っても自分が虚しくなるだけだ。
所詮はこんな男だったのだ。
ナオキはすっきりとした表情で出ていった。
こんなヤツを親友だと思っていた自分が愚かだっただけだ。
あんなに周りのことを考えられ無い自分勝手な男が、女を幸せに出来るはずが無い。
でも、そんな男を選んだ女もいる、、、
しばらくすると、今度はドアがノックされた。
入ってきたのは、そんな男を選んだ女だった。
恋人だったカナコだった。
こいつら示しでも合わせているのか?
そんな考えがよぎる。
仲がいいことだな、、、
更に気分が滅入る。
カナコはまっ青な顔色をしていた。
「ごめんなさい、、、わたし、、、本当に酷いことをしてた、、、」
もう信じられない女の言葉など、何一つ聞きたくなかった。
「でも、、、ユウトのことを愛しているの、、、わたし、ユウトのこと、、、誰にも取られたくない、、、」
「俺もそうだったよ、、、お前が浮気する前までは、、、」
「ウゥッ、、、ゴメンなさい、、、わたし、どうかよろしくた、、、ナオキとシて、、、すぐにユウトに打ちあけて、、、ユウトに抱かれようと思ったけど、、、知られるのが怖くなって、出来なかった、、、ユウトに悪いという気持ちから逃げたくて、ズルズルと関係を続けてしまって、、、凄く後悔してる、、、」
「そうか、、、ナオキに何もかも取られていたんだな、、、本当は心まで奪われていたんじゃないのか?」
「違うよ、、、あんな男、、、マユとユウトが中学の時からデキてるなんてウソをついて、、、わたし、イヤ、、、ユウトが他の女とキスしたり、セックスするの、、、絶対にイヤ、、、」
ナオキのヤツ、、、本物のクズだ、、、
そして、この女も、、、
そんなこと言ってるお前が他の男とキスやセックスをしまくっていたじゃないか、、、
「ナオキはお前と付き合うと言ってたぞ、、、カナコはもうナオキに夢中だって、、、セックスしながら何度も好きだと言って凄く乱れてくれるって、、、自慢してたぞ、、、」

つづく

24/05/09 16:50 (.0fM4Fda)
3
投稿者: てんてん
「それは、、、本気じゃなかったの、、、お願い、許して、、、本当に好きなのはユウトだけ、、、もう二度と裏切ったりしない、、、ユウトのしたいこと何でもしてあげる、、、セックスだってユウトが望むなら何度でも、、、」
「お前はそうやって、アイツの望むことを何でもさせていたんだな、、、もう遅すぎる、、、全部お終いだ、、、」
「そんなこと、言わないで、、、わたし、ナマではしてないから、、、いつも絶対にゴムしてもらっていたから、、、ユウトはしなくていいよ、、、ね、、ナオキとは直にはつながって無いよ、、、ユウトが初めてだから、、、本当のバージン、ユウトにあげる、、、だから、お願い、、、」
馬鹿げた話だ。
そんなことを認めるならゴムをしていたら、浮気じゃないことになる。
お前たちは合意の上で、キスをして唾液を交換し、互いの性器を舐め、セックスをして快楽を貪りあった。
バレなければその関係は間違いなく続けられていた。
そんな都合の良いことを考えつく自分の身勝手さに気付きもしないカナコが理解出来ない。
「もう話しても無駄だ、、、出て行ってくれ、、、」
カナコの頬に涙が伝っていた。
「わたしは諦めないから、、、ユウトを一番愛しているのはわたしだから、、、ずっと待っているから、、、」
見つめながらそう言うとカナコは部屋を出ていった。
こいつはどんなアタマをしているんだ?
何を考えているのかまるで分からない。
自分のしでかしたことを本当に理解しているのだろうか?
そんなとき、今度は後ろのドアが開いた。
会議室のドアだった。
そこには生徒会長、一年先輩の飛澤千夏が顔を覗かせていた。
「先輩、、、居たんですか?」
まるで気がつかなかった。
「うん、、、ちょっと用事があってな、、、」
千夏は学業ダントツの才女で、校内一の美女と誰もが認める存在だった。
家も裕福で佇まいも上品そのもの。
165とカナコと同じ身長で艶やかな黒髪を背中まで伸ばし、大人びた雰囲気と色気を漂わせた女生徒だった。
運動神経も抜群で大らかで生真面目な性格、浮いた噂も何一つ無く、学校全体が信者だと言っても過言ではないほど、みんなに慕われていた。
それでいて、それを鼻にかけることなど一切無く、ユウトは憧れと共に先輩として信頼を寄せていた。
「こんなことになっていたんだ?」
「先輩、もしかして、、聞いて居たんですか?」
「別に聞くつもりは無かったんだよ、、、でも、声も大きかったし、、、話が話だけにね、、、」
「あーあ、やっぱり聞いていたんじゃないですか、、、居るなら居ると言って下さいよ、、、」
「しょうが無いだろう?あんな雰囲気で、、、でもこの頃、ユウト君の様子がおかしかった理由が分かったよ、、、大変なことがあったんだね、、、」
「俺、やっぱりヘンでしたか?」
「うん、、、かなりね、、、わたし、心配していたんだよ、、、」
「すいませんでした、、、でももう大丈夫です、、、吹っ切れましたから、、、」
「そんなふうには全然見えないけど、、、でも、、、あの二人、スゴイね、、、自分のことばかりで、周りが見えていないというか、、、よくユウト君、今まであんなのと、、、あっ、ゴメン、、、無神経だったね、、、わたし、、、」
「いいんです、、、その通りだと思うし、、、でも前は二人とも、あんなじゃ無かったんです、、、
俺の見る目が無かったのかも知れないけど、、、」
「うーん、そうだ、ユウト君の気が晴れるように、わたしが話を聞いてあげるよ、、、」
「そんな、、、いいですよ、、、自分のことで会長に迷惑かけたくないし、、、」
「そんなこと気にしないで、、、上司が部下の悩みを聞くのは当たり前のことでしょう?」
「上司って、、、部下って、何ですか?」
「わたしは会長、ユウト君は副会長、、、分かるよね?」
「そうですけど、、、そうか、、、部下なのか、、、」
嬉しいような、悲しいような、、、
「細かいことは気にしない、、、今日はとにかく一緒に帰って話を聞かしてもらうからね、、、」
「会長、、、ひょっとして、、、興味本位じゃないですよね?」
「違うに決まっているだろう、、、本当にユウト君が心配なだけ、、、絶対に秘密にするし、安心して欲しい、、、少しだけ興味はあるけど、、、」
「やっぱり、そうなんだ、、、」
「ウソ、ウソだよ、、、ユウト君は本当に普段頑張ってくれているから、先輩として力になってあげたいんだ、、、何も出来ないかも知れないけど、、、」
真摯な目で見つめられると何も言えなくなる。
会長のこういった人の良いところはユウトも普段から気に入っている。
だから周りの人は先輩に惹きつけられる。
もちろん、その美しい外見もあるけれど。
ユウトは千夏の厚意に甘えることにした。
正直言って、誰かに話を聞いてもらいたい気持ちはあったから。
千夏はまさに適役かも知れない。

つづく
24/05/09 20:44 (mWWeppz1)
4
投稿者: てんてん
その日の学校帰り、話が話だけに余り人には聞かれたくない。
ユウトは本人の提案もあり千夏の自宅を訪れていた。
ユウトは初めてだったが、噂に聞くとおりのかなりの豪邸だ。
千夏は一人娘で両親は留守にしており帰りは遅いということだったため、ユウトは初め遠慮したのだが、千夏は意に介さず、部屋へと通して話を聞いてくれた。
「そんなことがあったんだね、、、」
「俺、カナコの浮気ももちろんショックだったけど、、、それより、二人が俺たちを裏切りながら平気で仲間たちと一緒に過ごしていたことが、、、どうしても許せないんです、、、」
「確かにそうね、、、うーん、でも、、、みんなの前で浮気してますなんて言えるはずが無いし、、、きっと、藤村さんは辛かったんじゃないのかな?だから、お弁当も一生懸命に作っていたんだと思う、、、」
「そう、、、でしょうか?」
「うん、、、確かに独りよがりな人みたいだけど、、ユウト君のこと本気で好きみたいだし、、、普通、何度もセックスして気持ちよくされていたら、心も移って行くだろうし、、、こんなことがあったら、浮気相手に簡単に乗り換えちゃうんじゃないのかな?それをしないということは、彼女なりにユウト君に対する想いはホンモノだったかも知れないね、、、」
「それなら、どうして?俺、、、キスしかしていないから、、、それじゃ物足りなかったということなんですか?」
「そうだとしたら、彼女は間違っている、、、それなら、その気持ちをユウト君にぶつけるべきだ、、、それを他の男となんか、、、それに、あの男、、、何か気に食わない、、、最初からそのつもりだったのかも知れない、、、親友の彼女をモノにして、、、腹の中でいい気になって、、、あっ、ゴメン、、、わたし、また、、、」
その通りだと思う。
ヤツの裏の顔を知ってしまった今は。
いずれにせよ、もう元には戻れ無いし、戻る気も無い。
「いいんです、、、俺、、、もう、、吹っ切れましたから、、、」
千夏が傍に来て、ユウトの瞳を心配そうに覗き込んだ。
「本当に?」
「本当、、です、、、」
「ユウト君は、、、まだキスしか、経験が無いの?」
「えっ、、、その、、そう、です、、、」
千夏の顔が近くにある。
あまりの美しさに顔が赤らむ。
「しちゃおうか?」
「えっ?」
「わたし、、、ユウト君の初めてが、、、欲しくなっちゃった、、、」
いつの間にか千夏にユウトの手は握られていた。

つづく
24/05/12 09:40 (QMC8hn7D)
5
投稿者: てんてん
思いもしない言葉だった。
千夏は見かけによらず、経験豊富な、しかも肉食系の女子なのか?
そして彼女に裏切られた憐れな後輩を慰めようとしているのだろうか?
いずれにせよ、今のユウトには拒む理由はない。
心の奥でずっと憧れ続けていた千夏が相手なのだ。
黙って頷くユウトに優しく微笑みながら唇を重ねてくる千夏。
二人はベッドに倒れ込み、舌を絡ませ合った。
千夏は美しいかった。
何もかも、、、
雪のように白い肌、、、
思っていたよりもずっと豊かな胸、、、
細身ながらに、柔らかそうでしなやかな体付き、、、
初めて目にしたオンナのカラダは最高の美しさと色っぽさを兼ね備えていた。
ユウトはそんな千夏に感じて欲しくて、丹念に愛情を込めて愛撫を続けた。
何度もカラダを弾ませ、声をあげる千夏。
そんな千夏に愛おしさが込み上げる。
初めてカラダを貫いたとき、千夏は痛みを訴えた。
それでもユウトにしがみついてきて、受け入れてくれた。
やはり、それほど経験は無いのかも知れない。
ユウトはそんな千夏がたまらなく可愛くて、初めてのセックスに溺れていった。
二人は休憩を挟んで二度交わった。
ユウトはもっと欲しかったが、千夏のカラダを気遣い、ガマンをした。
そして胸に頬を寄せてまどろむ千夏に想いを告げた。
「先輩、、、俺と、付き合ってくれませんか?」
その言葉を聞いて、嬉しそうにユウトを見つめた瞳が、何故かすぐに雲っていく。
「ちょっと、、、それは無理かな、、、」
ショックだった、、、
でも、予想はしていた。
千夏は落ち込んでいた俺を慰めてくれただけだ、、、
分かっていたことなのに辛くて胸が張り裂けそうだ。
こんなにしてまで自分を力づけようとしてくれた千夏に迷惑をかけたくは無い。
ユウトは千夏の家を後にした。

つづく
24/05/12 14:39 (QMC8hn7D)
6
投稿者: てんてん
表面上は普段と変わらない日々が過ぎていった。
しかしユウトの心は虚ろだった。
二週間たったころ、千夏に大学生の恋人がいると噂が流れた。
そういうことだったのか、、、
それはそうだよな、、、
俺なんかとつり合うような相手では無いということは初めから分かっていた、、、
自分をそう納得させ、生徒会の仕事も今まで通りこなしていく。
時折、何か言いたげな千夏の視線を感じながら、仕事以外の関わりを持たないようにしていた。
度重なる出来事に折れそうになる心を、何と
か持ちこたえているとき、久しぶりにマユからの誘いがあった。
とある休日、ユウトはマユの部屋を訪れた。

この部屋に入るのは久しぶりだ。
あれ以来、軽く言葉を交わすことはあっても、こうして二人きりで話をすることは影を潜めていた。
明るく振る舞おうとしているマユに痛々しいものを感じる。
あんなにいつも生き生きとしているマユだったのに、、、
顔色も良くない、、、
ショートボブの黒髪にあどけなさが残る可愛らしい顔立ちが台無しだった。
「わたしたち、、、バラバラになっちゃったね、、、」
「そうだな、、、」
「わたし、、、辛い、、、」
そんな弱音を吐くマユじゃ無かったのに、、、
「そうか、、、でも全部じゃないぞ、、、俺とマユ
、そしてルミナは変わらない、、、ずっと一緒だよ、、、」
「本当に、、、絶対に?」
「ああ、絶対だ、、、俺はもう誰とも付き合わない、、、マユとルミナを大切にする、、、本当の友達だから、、、」
嬉しそうな、それでいて寂しそうな瞳で見つめてくる。
そう、、、大切な友達、、、
「わたしって、、、本当にバカだ、、、好きでも無かった男と付き合って、、、好きになろうとして、処女じゃなくなって、、、あんな男のために、、、」
ユウトはマユに寄り添い、その背中を優しく撫でた。
マユの心のキズはまだまだ癒えていない。
そんなことしか出来ない自分が歯痒かった。
「あんなヤツ、、、散々恋人面をしておいて、親友の彼女に手を出して、、、カナコだって酷いよ、友達だと思ってたのに、、、言い訳ばかりしてたけど、、、わたしたちのことバカにして、、、用事が出来たとか約束をドタキャンして、二人で逢ってセックスしてたんだよ、、、」
初めて見るマユの弱りきった姿にその辛さがはっきりと伝わってくる。
守ってやりたい、そんな気持ちが湧いてくる。
そして、背中を撫でる指先にブラの感触を意識してしまう。
長い付き合いなのに、弱いところを決して見せようとしなかったマユ。
そう、マユも女だったんだよな、、、
魅力が無いわけじゃない、、、
女として見ないように自分に言い聞かせていただけだ、、、
「わたしがバカだったことは分かってる、、、でも、このままじゃ、、、わたし、壊れちゃうよ、、、」
「マユのこと、壊させない、、、俺が守ってやる、、、」
「本当に?」
マユが潤んだ瞳で熱く見つめてくる。
「ああ、約束する、、、」
「じゃあ、抱いて、、、わたしを今すぐ、ユウトのオンナにして、、、」
まさか、マユがそんなことを望んでいるなんて、、、
思いもしなかった言葉にユウトは戸惑いを隠せない。
「分かってる、、、今は彼女なんかつくる気にはなれないって、、、わたしもそうだから、、、でも、わたしはずっとユウトが好きだった、、、それなのに自分自身を誤魔化してわたし、、、だから、自分を取り戻したいの、、、今のままで、親友のままでいい、、、でも、時々でいいから、ユウトのオンナになりたい、、、それ以上は望んだりしない、、、、けど、わたし、、、汚れちゃたから、、ユウトはイヤだよね?」
「汚れてなんかいない、、、」
マユをベッドに押し倒す。
少し日に焼けた小麦色の肌。
いつもはもっと輝いているはずのマユ。
少しでも、それを取り戻してやりたい、、、
はねつけることなど出来ない。
優しく髪を撫でる。
「すごく可愛いよ、、、初めて逢ったときからずっと、、、」
「ユウト、、、アアッ、、、」
唇を重ねる。
マユの方から舌を求められ、絡め合う。
キズをしながら、お互いの服を脱がせ合う。
豊かな乳房が揺れ、ユウトの唇が近づいくる。
マユは両腕でユウトのアタマを抱き寄せた。
「アッ、ああん、、、ユウトに全部あげたかったのに、、、ゴメンね、ユウト、、、」
「これから貰う、、、全部、俺のモノにする、、、」
「あぁ、ユウト、好き、、、」
「俺も好きだよ、マユ、、、」

つづく

24/05/12 20:17 (QMC8hn7D)
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