確か小6から中3頃までの話。僕が小3の時に転校してきて間もなく、クラスの男子数人から「○○商店の近くにホモオヤジいるんだよ」「マジ頭おかしいオヤジだよ」という噂を耳にしたんです。話を聞くと、僕の家から数キロ離れたところにある個人商店の近くに住む、当時50歳前後のおじさんで、その噂の他にも周囲から変わった人だと思われている人物だったようです。
そもそも何故そんな噂が広まっていたかと言うと、どうやら先輩の誰かが下校途中に「裸の写真撮らせてくれたらお金あげるよ」的な内容で、そのおじさんに声をかけられたことがあったんだそうです。もちろん初めてその話を聞いた頃は笑って流したんですが…。
小6年くらいになり、親が隠していたエロ本や捨ててある週刊誌の袋とじなど、性にも興味が出てきた頃、父親の部屋でエロビデオを発見し、初めて女の人の体と勃起した大人のチンポを目の当たりにしました。まさに衝撃的で、今でも鮮明に覚えています。初めてオナニーしたのもこの頃でした。
そのころクラスの間では、電車で小一時間ほど離れた町まで遊びに行くのが流行っていて、僕も友達と月に何度か参加していました。ただ、やはり小学生のお小遣いでは限界が…。もっとお金があれば、ゲームセンターももっと遊べるし、お菓子もジュースも、何ならファミレスだって入れるのに…と歯がゆい思いをしていました。
親に言えば何に使うのか聞かれるし、お年玉なんて年に一回、お爺ちゃんお婆ちゃんは家が遠い。どうにかこうにかお金を手に入れる手段が無いものか子供ながらに考えていた時、あの『噂』を思い出したんです。
不安と欲求で数日間悩んだ挙げ句、お金欲しさに僕はおじさんの家に向かいました。インターホンを鳴らして引き戸を少し開けて首だけ突っ込むと、奥からおじさんが出てきて「………誰だお前?」と低い声で言いました。噂のせいもあり、おじさんの目つきは少し怖くて、第一印象は最悪。逃げようかと思いましたが、僕は勇気を出して応えました。
「写真でお金くれるって本当……ですか?」
おじさんは少しの間黙った後、「誰から聞いたんだ?」「お前一人で来たのか?」と続けて質問してきました。僕が「友達に聞いて、一人で来ました」と応えると、おじさんは部屋に上がるように指示し、僕は恐る恐る家の奥へと入って行ったんです。