既婚者との出会い、関係が始まる瞬間──525人が明かす“その一線”の正体

不倫は文化。(男)

それは誰かの言葉ではなく、私たちの中にも眠っている感情かもしれない。

今回ナンネットが実施したアンケートは、“既婚者との出会い”をテーマにしたもの。
男女合わせて500人以上の声が集まり、その多くが「経験がある」と答えた。
しかもそれは、一度きりの火遊びから、十数年に及ぶ関係までさまざまだった。

出会いは偶然だったのか、必然だったのか。
相手が既婚者だと知っていたのか、知らなかったのか。
身体が先か、心が先か。
——その境界線は、思っているよりも曖昧だ。

実際、自由回答の中にはあの有名な一言「不倫は文化」とだけ書き残した人もいた。
彼にとってそれは開き直りではなく、“自分に正直に生きる”というポリシーの表れだったのかもしれない。

彼ら・彼女らがどこで線を引き、どこで踏み越えたのかを探っていく。

読み終えたとき、あなたの中の“線”も、少し揺らいでいるかもしれない。

出会いはすぐ隣にある

出会いは、確率だ。（男）

彼らはどこで出会ったのか？
その答えは、思いのほか日常の中に転がっていた。

【Q：どこで出会いましたか？】（複数回答あり）

マッチングアプリ／出会い系：282人（53.7%）
SNS（X、Instagramなど）：190人（36.2%）
職場・仕事関係：155人（29.5%）
近所・行きつけの店：62人（11.8%）
オフ会・イベント：57人（10.9%）
趣味・習い事・ジム：35人（6.7%）
子ども関連（保育園・学校）：19人（3.6%）
その他：64人（12.2%）

最も多かったのは「マッチングアプリ／出会い系」。
続いて「SNS（X、Instagramなど）」、「職場・仕事関係」と続く。
一見すると不倫の温床のように思えるが、自由回答を読むとその印象はやや変わってくる。
そこにあったのは、“出会おうとして出会った”人たちだけではなく、“出会ってしまった”人たちの声だった。

20年前のことで、相手はいつも行っているクリニックの看護師さんとの出来事です。クリニックでは患者とスタッフなので、院外での一瞬の隙間に関係を持ちました。(男)

家庭の問題について相談を受ける回数を重ねる度に同情から愛情に変わっていった。年齢差は23歳差。(男)

こうした声に共通するのは、「狙っていたわけではない」という点だ。
もちろんアプリやSNSを通じた意図的な接触も少なくはない。
だが、それ以上に、ほんの少しの“隙間”が、境界線を曖昧にしてしまう。

【Q：最初の接点や会話のきっかけは？】

自由回答の中には、「共通の趣味」「職場の相談」「性的な話題」など、様々な入口があった。
その中でも印象的だったのは、以下のような声だ。

🔸共通の趣味・話題（件数最多：76）
人間的な親しみから始まる関係は、不倫の“意図”を超えたところで芽生えているケースも。

お酒の趣味や好きな食べ物が似てたところ。(男)

プロフィールに書いた好きなバンド。(男)

共通の趣味がきっかけで、最初は友人のつもりだったけど、気づいたら特別な存在に。(女)

🔸仕事・職場での接点（件数：19）
上下関係、長時間の接触、業務の中での信頼——境界線が曖昧になる要素がそろっている。

上司として仕事を教えていた。（男）

「転属さきの相手（♀）から『公私共に宜しく』と言われ、『私』の意味を深く考えてしまった」（男）

🔸性の話題・性的雰囲気（件数：12）
相談や愚痴が思わぬ方向へ転がることも。関係の芽は言葉の奥に潜んでいる。

「お互いレスの悩みを話しているうちに、『じゃあ試してみる？』って冗談から本当に」（男）

メル友募集からお互いパートナーの愚痴を言い合ってるうちに肉体関係に発展しました。歳の差が15歳以上ありましたが、逆に相性がよかった。(男)

どの回答にも共通していたのは、「いきなり恋に落ちた」のではなく、まずは“人としての距離”が縮まったということだ。
つまり恋愛の前段階としてではなく、「人としての親近感」や「打ち明け話」が先に訪れているケースが目立つ。

偶然の出会いが必然に変わる瞬間は、案外誰にでも起こりうる。たとえば、他愛もない日常のやりとり——趣味の話、職場での雑談、パートナーへの愚痴。
そんな“よくある会話”の中に、ふと心を許したくなる一瞬がある。それは狙ったわけではなく、気づけば互いの心が重なっていたようなもの。

つまり出会いは、行動の総量（どれだけ人と関わるか）と、偶然の交差（どのタイミングで心の隙が生まれるか）のかけ算で起こる。
その場所がネットであれ、現実であれ、人が“隙間”を抱えて生きている限り、出会いは起こり続ける。

その人は、誰かのパートナーだった

彼女に旦那がいることは知っていた。でも、その存在を感じたことは一度もなかった。（男）

関係を持った相手が、既婚者だったかどうか。
この問いに「はい」と答えた人の割合は、実に8割を超えていた。
しかも男性に至っては、「最初から知っていた」と明言する声が目立つ。
これは、単なる“過ち”や“うっかり”ではない。
そこには、「知っていても惹かれてしまう」──そんな現実がある。

【Q：その相手の婚姻状況は？】

既婚：409人（77.9%）
未婚：245人（46.7%）
離婚歴あり：159人（30.3%）
不明：38人（7.2%）

もっとも多かったのは「既婚」。
次いで「未婚」「離婚歴あり」と続くが、既婚を含む複数回答（既婚＋未婚、既婚＋離婚歴あり）も多く、
境界の曖昧さがここにも表れていた。

【Q：出会いの相手が既婚者であると知っていて関係を持ちましたか？】

男性：
はい：337人（82.0%）
途中で知った：51人（12.4%）
いいえ：23人（5.6%）
女性：
はい：69人（69.0%）
途中で知った：20人（20.0%）
いいえ：11人（11.0%）
その他：
はい：12人（85.7%）
途中で知った：0人（0.0%）
いいえ：2人（14.3%）

男性は「はい」が8割超、女性ではやや下がるが、
それでも「途中で知った」「知らなかった」という声は少数派。
つまり多くの人が、“わかっていて踏み込んだ”ことになる。

彼女に家庭があることは、知っていた。けれど、話しているときはそんなこと忘れていた。(男)

最初は独身だと思っていたけど、途中で結婚していたことを知って、それでも関係は続けた。(男)

既婚でも好きになってしまうことはある。その気持ちは受け入れて、だけども駄目なことをしている意識は待ち続けて行動する。ハッピーエンドは無いし生産性もないので、そのうち自然と目が覚めてくると思う。(女)

私は35歳の人妻です。夫は55歳で、20歳差の夫婦です。SNSで28歳の男性と知り合い、最初は独身かと思っていましたが、新婚の奥様と喧嘩中とのことでした。数ヶ月後、彼から食事に誘われ、会話が盛り上がる中で、私もセックスレスだと打ち明けました。すると彼も「月1しかない」と不満そうに話してきて、お互い愚痴をこぼし合うようになり——その翌週、「1回だけ」の約束でホテルへ。ところが興奮してしまい、5回も重ねてしまいました。今では月2回、定期的に会っています。(女)

なぜ、既婚者だと知っていても関係を持つのか。
理屈では語れない“情”のようなものが、心を動かしていた。

一線を越えるまでのスピード

こんなに早く抱かれるなんて——そう思いながら、求めていました。(女)

関係が深まるまでの時間は、人によっても関係性によっても異なる。
だがアンケート結果を見ると、その“スピード”にはある種の傾向が見えてくる。

【Q：連絡先を交換したタイミングは？】

初対面当日：219（41.7%）
数回会ってから：111（21.1%）
長くやり取りしてから：133（25.3%）
覚えていない：62（25.3%）

もっとも多かったのは「初対面当日」。
「数回会ってから」「長くやり取りしてから」と回答した人もいたが、
関係が始まった人の多くは、かなり早い段階でLINEや連絡手段を共有していた。

【Q：肉体関係になるまでの期間は？】

すぐ：196（37.3%）
1週間以内：73（13.9%）
1ヶ月以内：136（25.9%）
数ヶ月：108（20.6%）
なし：12（2.3%）

「会ったその日」と「1週間以内」で半数を超える結果に。時間をかけて関係を育んだ人もいたが、多くは“気づいたら、そうなっていた”という展開だった。

LINE交換したその週末には会っていた。ホテルに入るまでが自然すぎて、笑ってしまった。(女)

1ヶ月くらいじっくりやり取りしてからだったけど、会ったらすぐに体の関係になった。(男)

マッチングアプリで出会ったその日に関係を持ちました。「よく飲みに行く」と言っていたので私から誘い、再び会うことに。そのとき偶然にも、私たちの家が近所だと発覚しました。奥さんとお子さんが留守の日には、彼の家に行ったこともあります。やがて私の気持ちは本気に傾いていきました。でも、彼が家庭を手放す気はなさそうで、私は「別れて」と言うこともなく……そのまま距離を置くことにしました。（女）

心が先か、身体が先か。
大人になっても、その順番に迷う夜がある。
交わした言葉より、重ねた肌のぬくもりが関係を先に進めてしまうこともある。
それが“過ち”だったのか、“運命”だったのかは、いつも少しあとになってからわかるものだ。

それは、愛だったのか

やさしく抱かれると、罪悪感は溶けていった。(女)

“既婚者との関係”に、人はどんな気持ちを抱くのか。
ドキドキする高揚感、不倫特有のスリル、少しの優越感、そして後に残る罪悪感。
それは甘く、揺れて、どこか後ろめたい——一言では言い尽くせない感情のグラデーションだった。

【Q：既婚者との関係に対して、どのような気持ちがありましたか？】

ドキドキして楽しかった（40.2%）
わからない／特にない（16.4%）
バレないか不安だった（13.9%）
優越感があった（8.6%）
本気になりそうだった（8.0%）
罪悪感があった（6.9%）
その他（6.1%）

もっとも多かったのは「ドキドキして楽しかった」。
次いで「不安」や「優越感」「本気になりそうだった」など、感情の揺れを感じさせる回答が並ぶ。
関係の始まりにあるのは“快感”だけではなく、“揺らぎ”や“確信”のない想いだった。
そして、そのすべてが“愛”と断言できないところにこそ、この関係の複雑さがある。

初めは後ろめたさでいっぱいだったけれど、会うたびにその気持ちは消えていった。(女)

家庭があるからこそ、本音で話せる関係だった。恋愛よりも穏やかで深かった。(男)

誰にも言えない関係だったけど、あの時間だけは“自分”を取り戻せた気がする。(女)

既婚者との関係は相手パートナーに対しての優越感。逆に自分自身にとっては、バレたら最悪社会的地位が危なくなる。という危機感と背徳感を味わう究極のプレイ？癖？なのではと。(男)

私は、いわゆるニューハーフ。女性と勘違いしてナンパしてきた男性と、その日のうちにホテルへ。服を脱いで初めて気づいたらしく戸惑っていたけど、好奇心が勝ったようでそのまま最後まで。既婚者だったけど、奥さんより良かったらしく激ハマり。今では「もうニューハーフにしか興奮できない」と嘆いています。(ニューハーフ)

倫理では測れない関係。
それでも、そこには確かに“誰かを求めた気持ち”があった。
間違いと知りながらも、心が動いた。それだけは、否定できない。

誰にも言えない、この関係

セックスは料理。(男)

誰かがそう答えた。深くは語られていなかったが、その一言に全てが詰まっている気がした。
時間をかけるか、即席か。火を通すのか、生で味わうのか。塩梅、タイミング、盛り付け——どれも、その夜の記憶を決める要素になる。
自由回答には、そんな“実感のあるエロス”がいくつも紛れていた。
それは感情や倫理では語れない、誰にも言えない体験そのものだった。

リアルでは誰にも言えないけど、掲示板には何度か書いたことがある。(男)

友達には相談できなかった。でも、誰かに聞いてほしくて、日記アプリに書いてた。(女)

高校の時の同級生でその時はキスまで。その後お互い違う大学に進み、何となく自然消滅。その後、高校卒業25年目の同窓会で再会。お互い既婚になっていましたが、昔と変わらない雰囲気に男女の中になってしまいました。(男)

交際期間は女になれた気分を味わえました。毎日が楽しく、家族にも優しくなれていたと思います。(トランス)

既婚者同士だったが、以前から知っていてタイプだった。職場の飲み会をきっかけに、二人でカラオケに行くようになり関係を持った。罪悪感はあったが、モテ期でもあり、相手もその気だった。家も近く、平日も週末も月に3〜4回会っていた。誰もいない職場で過ごしたり、日帰り旅行にも行った。転勤を告げた日に時間を作ってくれて嬉しかった。転勤後も月1〜2回会い、高級ホテルにも泊まった。やがて自然消滅したが、今でも逢いたいと思うほど良い思い出。(男)

表では語られないが、誰かの中では確かに存在した時間。
秘密ゆえに、それは強く、甘く、そして少しだけ苦い。
“倫理”や“罪悪感”では説明できない関係が、そこにはあった。
それは、他人には見えない“レシピ”で作られた夜だったのかもしれない。

線を引くのは、誰か

“既婚者との関係”に、正解はない。
出会いのきっかけも、惹かれる理由も、深まっていく過程も、ひとつとして同じものはなかった。

最初は軽い気持ちだったかもしれない。
あるいは、どうしようもない寂しさや、満たされない心の穴を埋めるためだったかもしれない。
けれど、その中にはたしかに、笑顔やぬくもりや、ほんの少しの幸せがあった。

今回のアンケートには、「この体験は紹介しないでほしい」と書かれた声も少なくなかった。
それはきっと、恥じているのではなく、誰にも語れないほど“本当”だったからだ。

間違いだとわかっていても、心が動いた。 その事実に、良いも悪いもない。
“線”を引くのは、他人ではなく、自分自身。

たとえ秘密であっても、それが“自分にとっての愛”だったなら—— それだけで、十分なのかもしれない。

・　・　・
「誰にも知られず、名前のない関係に、肌も心もほどけたくなる夜がある。」

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