時々デートする関係が半年から一年くらい続いて、それなりに楽しく過ごしていたのですが、このままズルズルと続けていてもRさん自身が幸せになれないのでは、という思いが強くなっていきました。
私の方は結婚5年目になった頃で、周囲からの子作りのプレッシャーを感じ、不妊治療を始めないといけないのではと精神的にも追い込まれていました。
そして、徐々に私から彼への連絡を減らし、出会ってから一年半を過ぎた頃にはフェードアウトしてしまいました。
私はとても自分勝手だったと思います。それは責められても仕方ないと、今も思います。
その後、主人と不妊治療を始め、初期の治療の段階で、無事に子供を授かり、今は女の子と男の子を育てています。それぞれの子を産んだ時には、この子は私が大切に育てていくんだと強く心に誓いました。
それから数年後、私に女性特有の癌が見つかりました。その結果を最初に聞いたとき、私は自分の死というものを意識しました。私が死を意識したのはこれが二回目でした。
一回目は最初の子を産んだ時です。その時は薄れゆく意識の中でいっとき生死の境を彷徨いました。
死そのものも怖いという気持ちもありましたが、それよりも、私がいなくなったら、残されたこの子達は大丈夫だろうか、寂しい思いをさせないだろうかと残される側の事が気がかりでとても不安になりました。
幸い、入院&手術で悪性のところを全て取り除くことができました。その後、何年か経過観察を経て、今のところは再発していません。
こんなふうに、30代で2度も死を意識し、「人間いつかは死ぬ、その前に自分が本当にしたいことはなんだろうか」と自問自答するようになりました。
そして、その答えが、もう一度Rさんに会いたいということでした。
続きます。
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