それからの数ヶ月は苦労続きであまり思い出したくない。
住まいも、仕事も、残してきたお互いの家族とのゴタゴタも…。
狭いアパートに住み、私はパートを見つけ、ユウマも学校を辞めて働き出した。
ろくに学校にも通ってなかったユウマが汗まみれになって働く姿に、頼もしさと申し訳なさを感じた。
その代わり、同時に自由も手にした。
お互いに仕事から帰ると、服を脱ぎシャワーを浴びたら、そのまま半裸のままで過ごした。
比喩でなく、本当に日に何度もセックスをしてたから。
彼の子を宿せない閉経した身体だけど、毎日何度もセックスできることはありがたく、相反する想いを抱えていた。
娯楽といえば小さなテレビしかない部屋で、何度も何度もセックスを繰り返し、お互いが休みの日なんて、裸でない時間がないほどだった。
あれから数年、私たちは飽きもせず一緒に暮らしている。
あの時、一緒に街を離れなければ、ユウマは地元で成人式を迎え、可愛いあの子と結婚していたかもしれない。
私は私で、平凡な主婦として生きていたのだろうか?
少し前に、残した家族が気になって、特急に乗ってかつての家に行くと、表札は知らない名前になっていて、全くの他人が住んでいた。
息子はもう成人、娘もそろそろ大学受験の筈だった。
それ以上詮索するのが怖くて、慌てて部屋に帰り、いつもより激しくユウマを求めた。
既に、元夫との20年でした回数よりも、遥かに多い回数をユウマに抱かれ、何百回もユウマは私の中に射精した。
それでも、50半ばを迎える私が彼の子を宿すことはない。
先の見えない2人だからこそ、今必死に抱き合うしかない。
彼の夜勤の日はすることがなくて、色んなことをぼんやり考える。
※元投稿はこちら >>