こうして俺たちは二軒目のバーに行くことになる。もちろん聡明な麻結は酔っ払うこともなく冷静ではあった。
しかし二軒目でショートカクテルを飲んだ彼女はついに酔いが回ったようだ。
「すみません、私少し酔ってしまいました。せっかくお話いただいてるのにもうダメですわ。続きは次回お願いします。今日は失礼しますわ」
そう言って麻結は席を立とうとする。しかし酔っているためか足がふらついて上手く歩けない。
「大丈夫か?会社の車で送っていくよ」
俺は役員用のレクサスに運転手を待たせていたので、彼に麻結を送るよう頼んだ。
翌日麻結からLINEがあり、昨日の粗相を詫びる内容が綴られていた。
俺は「そんな気を使わなくていいよ、気楽に行こう!」と送っておいた。
そして俺と麻結はそこから週に一度の頻度でイタリアンかフレンチに食事に行き、毎回二次会はバーで飲み直す仲になった。
仕事の話も尽きてきてだんだんとお互いの話や家庭の話などになってきた。
俺は年下の麻結が慕ってくれていることが嬉しく、だんだんと恋心を抱くようになっていった。麻結も例外ではなかろう。俺と会う時は楽しそうで、LINEも頻繁に来るようになった。ただ、知り合いの社長の令嬢だということがブレーキになり健全な仲が続いていた。
※元投稿はこちら >>