不倫八人目 幸〇(庇〇の出現)パートⅡ
別れを決意して、自分の怒りを手紙に書き玄関のポストに投げ込んだ。
主な内容:9月11日子供を失い、16日にはお母さんを失ったお前が子供の49日には男と長野へドライブ、お母さんの49日頃には部屋へ連れ込んで泊まっている。山〇の子供ができて、手術代を負担すると「あなたは神様みたいな人ね!」と言い、それから1ヶ月ちょっとで新しい男を連れ込む、どうゆう神経をしているんだ。人間としての最低の機微をも失ってしまったのか?女房にバレたと言った時、居酒屋で流した涙を信じていた。土足で心を踏みにじられた。 サヨウナラ!
その夜電話が来て激しく泣きながら・・・。
①これも貴方の想像でしょう、想像で言わないでよ。…そうだ、でも俺の想像は当たるんだ。夜遅く二人で酒を飲んで帰ってきてあのベッドでセックスをし、朝起きて俺の席に男が座りコーヒーを飲んでタバコを吸って、歯ブラシもお前達のが2本仲良く並んでいるんだろう。
②これじゃ私は、ただのやらせ女じゃない。…そんな事は知らない。
③男はいないわよ!…それはお前が一番良く知っている事だ。
④貴方には奥さんがいる、私には自由はないの?…自由にも人間としての節度があるはずだ。
⑤私みたいな女は貴方の前に二度と現れないわよ!…ああそうだろう、でも仕方無いさ。
⑥引っ越すからね…その男と二人で暮らせばいいじゃないか。
⑦この手紙や写真を自宅に送るからね…ああ、いいよ。
⑧憎み合いながら判れるの?…仕方無いじゃないか。
13日夜、検証に行った。やはり、ベッドのゴミ箱の中に精液の付いたテッシュが有った。この前の手紙にも全然こりていない。しかし<電話であんなに泣くと言う事は、そんなに嫌いなった訳じゃないのかな?>と都合の良い事を考え、スナックへ行った。働いているユキは、男にチヤホヤされ女のフェルモンを発散しまくっていた。つい、怒りとは別に、抱きたくなってしまう。ユキに「泊まる?」とにこやかに言われ、フラフラと一緒に帰った。クンニしながら<ここに来ている男にも、こんなふうに舐めて貰っているのかな~?>と考えてしまう。しかしまだ、気分的には私が勝っている様な気がした。翌朝、モーニングセックスを楽しんだ。一緒に出勤し、別れるとき「明日まで一泊研修会で、お疲れさん会で遅くなるから!」と暗にアパートに居ないと言った。その時は、不自然にも思わなかった。
しかし、翌日の18時頃いるはずのない部屋に電話をしてみるとユキが出た。私もビックリしてしまった。その電話の途中、別の電話が来たらしくキャッチホンで切り替えその間、待たされた。再び、電話を切り替えてしばらくして切った。どうもおかしいと思い、30分位して電話をかけてみた。話し方が、さっきとは違いよそよそしかった。おかしいと思い「そこに男がいるだろ?」「いないよ!」「お前は、俺に尽くしてくれた。そして、俺の気持ちを虜にしておいて何故そんな事をするんだ!」「何言っているのよ!私は、今までの人にも同じように尽くしてきた。貴方だけが特別じゃないのよ!」と言われ唖然とした。「じゃー、今から行くから!」「何でそんな事をするの!」と、半べそで叫ぶ様に言った。そこに居た庇〇はどんな気持ちで聞いていたのだろうか?別れようとしない旦那からの電話と言って、同情を買っているのかも知れない。その日は行かなかったが、翌日ユキの不在を狙って行ってみた。案の定、何時もの光景を見ることになった。台所には、料理を途中で止めた状態で食材が置いてあった。庇〇に、料理を作ってあげようとしていたのだろう。私の電話の後、逃げ出す様に二人で外出し食事をして頃合いを見て帰宅し、何時もの様にセックスをして眠った感じだ。私に振り回された二人の光景を想像し愉快だった。その後は、精神的にも疲れてしまい秘密に作ったキーで検証に行く元気もなくなった。
料理というと、こんな事もあった。ある夜、二人でソファーに横になっていると「鍋の火、止めといて!」と言われ、レンジの火を消した。その鍋には、豚の角煮が入っていた。その時ユキは「貴方も食べたい!」と含み笑いをしながら言った。もしかしたら、庇〇の為に準備していたのかもしれない。それが事実だったとしたら俺はいい笑い者だ。またある日、買い物に一緒に行った時、毎月の2万円を渡そうとすると「良いの!これから貰わないことにしたの!」と言われた。私に恩を買いたくないと言う事だろう。
21日にはユキから会社に電話が来て「電話料金を払っていないから止められちゃった。払っておいて!今夜、会いましょう!」と。不本意ながら内心喜んで払い込んだ。何で、ハッキリ断れないのか?今考えると、どうにかしている。その時は<やはりユキは俺を頼りにしているんだ!>と馬鹿な事を考えた。恐らくユキは、私を試したのかも知れない。その夜は、久しぶりに楽しくセックスしてベッドで眠った。翌朝、モーニングセックスの後寛いでいると電話が鳴った。ユキは急いでベッドから全裸で飛び出す勢いで電話に出た。庇〇からであろう。私に裸の背を向けヒソヒソ話をしている。<俺は何のために電話料金を払ったのだろう?ユキは庇〇からの電話を待っていたのだ。それに、まんまと利用された。電話代が、宿泊とセックス代と言うことか?と思い侘びしさを感じた。
この頃は、腑抜け状態の日々が続いた。そして、30日久しぶりに行ったスナックで「泊まる?」と言われ、ノコノコとアパートへ。シャワーを浴びようと浴室へ行くと、庇〇とユキの歯ブラシが堂々と並んで置いて有り、私の物はなかった。ガッカリしてユキに「歯ブラシが違う!」と言うと「なに言っているの!何時も貴方が使っていた物でしょ!」と言った。その時の私の顔は、半泣きの状態だった。以前であれば真っ先にその歯ブラシは隠したのであろうが、今はそんな気遣いもしない。完全に俺より庇〇の方が優位に立っていると実感した。肩を落とし、そのまま椅子に座っていると「私は、貴方のものじゃない。誰のものでもない、私は私のものなの!どうするの、帰る?」と言われたが、終電もない。踏ん切りのつかないまま、シャワーを浴びた。ベッドでは、何時もの様に自分から全裸になり私の横に寝てくる。また、それを拒めない自分も狂っていた。その時のセックスでは、気乗りのしない前技に「貴方は、背中をなめるとかして相手を喜ばせようと考えないの!面白くないんだから!」となじられて気持ちがシュンとしてしまった。庇〇に、さぞ喜ばせてもらっているのだろう。そんな複雑な心境で、楽しめるものでもない。また、何も言えない自分が惨めだった。
翌朝は、ユキから抱き付いてきた。少しは悪いと思ったのか?夕べよりは、少しましなセックスが出来た。昼前、デパートでネクタイ2本とパジャマを買ってくれた。どういうつもりで買ってくれたのか、あとから考えれば庇〇と海外旅行に行く機嫌取りだったのかも知れない。食事をしながら「今、為替はいくら?電卓持っていないの?」と聞いて来た。不思議なことを聞くなと思ったが、尋ねる気もなかった。疑問を持ったので、アパートに検証に行って書類からグアム旅行に行っているのが判った。庇〇と行ったのであろう。
帰国しているのかどうかわからず、12月6日アパートへ行き、秘密に作ったキーで鍵を開けた。ユキは既に帰国していて、ベッドに寝ていた。そのユキに「よーく判ったよ!庇〇か?」と尋ねると「何言っているの?お姉さんと行ったのよ!」と真っ赤な嘘「楽しかったか?」「えぇー、楽しかったよ!」と小馬鹿にしたように言った。そのまま会社に帰った私に、ユキから電話が来た。「鍵を大家さんから借りたと思って、大家さんに貸さないようにと電話したら貸してないって言われた。合い鍵を作ったでしょ!今日、スナックの前に持って来なさい!」と怒鳴られた。言われたとおり、スナック前から店に電話した。そこに出てきたユキに、すれ違いざまに視線も合わさず無言のまま鍵を渡した。「これで終わりだ!」と思った。そして、重くどんよりと曇っていた心がパッと晴れ渡り、今まで知らず知らずのうちにうつむきかげんに歩いていた姿勢がシャキッとなった気がした。<7月にあんな辛い思いをしながら、また同じ事を繰り返しちゃったな・・・>と自分にあきれながら駅に向かって歩いた。
ただ、9月の山〇の子供を堕す手術費用(20万円)を出した時「貴方は、神様みたいな人ね!」と言われたのが癪に障ってしょうがなかった。こうなった、なぜ俺が、他人の男の尻拭いをしなければいけないのだ!と思い。12日(火)20万円の請求と振込先を書いた手紙をポストに入れておこうと行った。その日は、まだ早い時間だったのに部屋の照明がついていたのでブザーを鳴らした。のぞき窓から私を確認すると、ドアのチェーンをして入れない様にしてからドアを少しだけ開けた。それを見て既に、ユキと庇〇の新しい生活が始まっていると感じた。勿論、部屋に入ろうなんて更々考えていなかったので気にもしなかった。ユキが、手紙を受け取ろうとしないので玄関に放り投げて帰った。関係が始まって9か月間、148回のセックスと44回泊まっていた。
11月から、悩み苦しんだ。私自身こんな惨めさを感じたのも、女に弄ばれたのも初めてだった。この9ヶ月間はいったい何だったのだろう?ただ、苦しさと惨めさだけが記憶に残った。ユキと別れた反動で、12月は女房と激しいセックスをした。それからは、ユキの事を少しも思い出す事なく家族と楽しい平成8年の正月を過ごした。清々しい新年であった。
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