不倫八人目 幸〇(アパートに男の痕跡)パートⅠ
激しく愛し合った事が4ヶ月後の6月末には、数倍の反動として帰ってきた。6月末(日)の夕方、車で行きユキの帰りを待った。翌日は休暇を取ってある。エステサロンでの仕事から帰宅したユキは、夕食を作ってくれてのんびりと過ごし、ベッドで愛し合った後、グッスリ眠った。翌朝もモーニングセックスを楽しみ、少し遠くまで買い物に行った。帰り途中、ショッピングセンターに寄って!と言われて寄った。今日は、17時頃帰るからと前もって言っていたのだが、ウインドウショッピングしながらなかなか帰ろうとしない。そんなユキを見ながら<色々理由を付けて、家を出てきたのに考えてくれないのか?子供たちと一緒に食事しないと、女房の前で一人で食べる事になり気まずい時間を過ごす事になる>と焦った。アパートに帰り着いた時には、18時少し前になっていた。お茶も飲まず、荷物をまとめ急いでアパートを後にした。ユキは、そんな私を見送りながら「早くね!」と悲しい顔をして見送ってくれた。もう少し余裕を持って対応出来ていれば苦しい日々を送る必要も無かったのであろうか・・・。
ユキに気まずさを感じて電話もできず、アパートにも行けなかった。どうにかしなければと想い、翌日・翌々日と駅の階段下や改札で2、3時間待ったが会えなかった。その翌日も会えず、思い切ってアパートへ電話をした。そして、この前の事を謝り、待っていた事を告げると「自分の都合で待っていて、恩をきせるような事は言わないで!この前、サッサと帰る姿を見てガッカリした。私は、変わるからね!」と一方的に電話を切られた。翌日のユキが休みの日に行くと言っても、居ないと言われた。こんなユキの初めての対応に戸惑い対応も判らず、翌日夕方行ってみた。ユキは、20時過ぎに帰宅し「昨日いないと言ったのに、何故来たの?出掛けるからね、実家に!お母さんが退院するの!」と言いながら厳しい顔で睨みつけられた。それなら、一緒に駅まで行こうと言ったが「やりたい事が一杯あるの、持っていて欲しくない!早く行って!」と冷たい言葉を投げつけられ、トボトボ歩きながら駅に向かった。期待外れの私にあきれ、更にお母さん事でも大変なのだろう。ユキの複雑な心境を考え申し訳ないと思った。翌週の月曜、思い切ってスナックへ行った。ユキは、お客さんと歓談していた。アパートに泊まれる訳も無いので終電に乗ろうと思い、支払いを済ませ店の外に出るとユキが待っていた。「今日は帰るのよ!もし居たら別な処に泊まりに行くからね!」と、帰るつもりの私は追い討ちを掛けられた感じだった。「うん、帰るよ!」と力の無い返事をして階段を降りた。直ぐに振り返ったが既にユキの姿は無かった。虚しい気分のまま電車に乗った。その日は男を泊める予定だったのかも知れない。
翌日、夜会う事が出来て、泊ってセックスだけは楽しんだ。その翌朝、タンスの上に「山〇で~す。〇〇〇〇」と名前と電話番号を書いてあるメモが置いてあった。何時貰ったのかは知らないが<店の客に何時もの様に電話欲しいと貰ったのだろう>と思い、気にも止めなかった。ユキが出勤の為に化粧をしている間、何気に口の開いたバックの中の公共料金の払込用紙が飛び出ていて、私が払わなければならない分かなと思い引き抜き見ていると「何で人のバックの中までことわりなしに見るの、何でも知っていないと気が済まないんだから、もう構わないでよ!」と、叱られた。更にバッグの中を確認しながら「この中からメモを取ったでしょ!」と激しい口調で言われた。知らないよと言いながらも、タンスの上のメモの事だろうと思い出し「タンスの上に有るんじゃないのか?」と答えると、直ぐにそこに向かい、そのメモを罰悪そうにバックの中にしまった。支度を済ませたユキは、一緒に通勤しようと待っている私を置いて、何の言葉すらなくそそくさと部屋を飛び出す様に小走りで私の視野から消えた。泊まれて何時もの様にセックスもして、元に戻ったと安心していたが、そうではなかった様だ。寂しい気分のまま、ユキの見えない道路を見つめ、<あの日、ユキも同じ様な気分で私を見送っていたのだろう!>と思った。時間が解決してくれるだろうと今は我慢だと思ったが、裏切りが始まっていたとは思ってもいなかった。
3日後の金曜日、午後行ったが休みのはずのユキは居なかった。テーブルには2つのグラスと食べ残しの摘みがあり、誰かが来た形跡があった。洗面所には、ユキの歯ブラシと並ぶ新しい歯ブラシ。そして、私の歯ブラシ・写真・お箸・整髪料・ワイシャツは、見当たらない。探すと全て同じ袋に詰め込まれ、押し入れの中に隠してあった。その後、帰宅したユキは「何か、聞きたい事が有るんじゃないの?夕べ友達が泊まったのよ!」と悪ぶれた様子もなく言った。私も、スナックの女の子だろうとその時は思った。ごみ箱を調べればセックスの痕跡を見つけられたのかも知らないが、疑っていたわけでもなく、そこまで知恵は回らなかった。あしらわれ、自分に自信が無くなり「もう俺の居る場所が無いような気がする。」と言うと「それなら、ふっちゃえ!」と涙を流しながらベッドに潜り込んだユキを、謝りながら抱きしめた。自然の流れでセックスをした。私は何も知らずに、他の男に今朝まで抱かれていた体を抱いてしまったのだろう。私も、過去に不倫の二人の女性を同時に抱いた経験があり強くは言えないものの、夫々の女性に知られない様に気を配っていた。
翌々日(日)の零時過ぎ、気掛かりで電話してみた。「店(エステ)を6時に出て、食事・カラオケに行った。楽しかった!心配しないで、いい人だから!」と明るく答えた。よそよそしく!<お父さんと会話している様に、部屋に居る男に見せ掛ける必要があったのだろう。>電話が長くなると「やりたい事も、一杯あるんだ!」と言い、早く切りたくてしょうがない様子が手に取るように判った。明日のスケジュールを尋ねると「朝になってみないと、判らない!」と、どうでも良い様な返事だった。「もう俺は、ユキのスケジュールの隙間にやっと入れさせて貰っているだけなのか?」と自分でも情けないような事を言ってしまった。その返事が「貴方に都合があるように、私にも都合があるの。私は、変わるって言ったでしょう!」と怒りだした。私も、今まで精一杯スケジュールを調整して努力したつもりだ。何かがおかしい!と思った。翌朝、電話すると「今日は、用事ができたから会えない。あと1時間位したら出掛ける!」詮索すると「うるさい!しつこいわね!チェッ、チェッ、もう切るよ!」と電話を切られた。昼頃電話すると、出掛けているはずなのに部屋にいた。ユキは、しまったと思ったのか、あきれたのか、薄笑いしながら「もう出掛けるよ!近所をぶらぶらしてくる。」と言って切った。明確に、私を避けていた。
その夜異動先の歓迎会の後、アパートへ行った。店に出勤していて不在である。ユキが居ない時に行って部屋の様子をみたかった。するとベッドのシーツは乱れ、毛や瘡蓋からの出血の様な小さな血痕が散らばっていた。この前の様に、私の物は全て隠されていた。台所には、セブンスターの吸い殻が棄ててあり、洗面所には生理の血の少し滲んだナプキン、ベッドの脇のゴミ箱には精液がベットリ着いたテッシュ、台所には精液が外側に染み出てきそうな状態になっているテッシュがゴミの一番上に置いてあった。夜は、ベッドでセックスし精液を処理した。朝生理が始まり、出掛ける前に居間でフェラし、口の精液をテッシュに出し台所のゴミの上に置いたものと容易に推察出来た。これで、夕べから此処に男が泊まっていた事が確認出来た。この前も、男が泊まっていたのだと確信した。そして、その男はメモの山〇だろうと思った。ユキに申し訳ない対応をしたあの日から9日しか経過していないのに、こんな大胆な事が平気で出来るユキに腹立たしかった。しかも、一緒に買い費用の一部を負担したいわば二人の部屋に男を連れ込み抱かれた。信じたくはないが今見ている光景は紛れも無い事実である。
こんな事をするユキの顔を見てみたくなり、スナックへ行った。店に入り、ユキがテーブルに来た。「(スナックに)来ていて良かったね!疲れていて、休もうかと思った!」とシャーシャーと言うユキに<夕べから男とそんなに疲れるまでやったのか?>と腹立たしく思いながら「誰か居たんだろう?」とぼけて聞くと「居ないよ、居るわけ無いでしょう!」と目をそらした。少しは、後ろめたい気持があるんだなと思った。また、このままアパートに行ったらユキはどういうふうに、あのティシュの始末をするのだろう?ユキに「泊まる?」と言われたので、行ってみるのも価値があるかもしれないと思い、ユキと一緒に帰った。ユキは部屋に入るとまず台所へ、すばやく吸い殻を始末すると同時にあのテッシュの上に別のゴミを積み重ね隠した。私は、わざとゆっくり部屋に入り、ユキの行動を横目で眺めながら着替えた。入浴後ベッドへ「やんないの?」と言われ、何となくセックスを始めた。クリニングスの途中「髭が痛い!」と言われ、やる気も失せ「下手で御免な!」と言うと「もういい!」と言い、サッサとテッシュで股間の濡れた部分を拭いて寝てしまった。私は、悔しい想いと、既に自分の女でない、仕方がないか等と、心の中で葛藤し、これからどうすれば良いのか考え、眠れなかった。
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