そうして俺は過去の経歴も考慮されて、現場ではなく総務部に配属になった。
かつての会社で総務部長までいった俺は今の会社でも重用され、あっという間に会社の中核となった。
そして、社長や会長の秘書業務にも携わることになった。
社長が長期で出張している時にはヘルパーさんを自宅まで送り届ける。その時には必ず良美とも顔を合わせるのだ。
そしてある日、
「陽君、ちょっとお茶でもしていって」
「仕事に戻るからいいよ」
「いいじゃない?少しだけ。」
「じ、じゃあ…」
そして良美の豪邸に入り、高級な食器で紅茶をいただいた。
「良美もすっかりセレブになったな」
「そんなことないって!」
「社長とは今でもラブラブなのかい?」
「まさか、もう結婚25年も経ってラブラブなんてありえないわ」
「でもいい旦那さんで、会社も絶好調じゃないか」
「でもね、色々あるのよ」
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