サブタイトル【彼好みになってく】
初めて彼に証のキスマークを胸にもらったものも、ほとんど消えてしまった。またつけてくれる?とは、私からは言えないけど、つけてほしい・・・私はあなただけのものだから、いいのよ。
水曜日の夜、彼にメール。「たまには、パンツでもいい?・・・」彼からの返事は、「だめ・・・」そうですか・・・(汗)
彼の好みに合わせ、洋服合わせを考える。彼の好きな膝が見える、膝上のスカート。そして、淡いブルーのアンサンブル。
木曜日の夕方、いつもの場所で彼の助手席に滑り込んだ。その頃には、隔週の木曜日は、会社の会議のお手伝いで少し遅くなるから、と息子には説明していた。
「いつもの香りが、懐かしい・・・」と彼。私も彼の男の臭いを感じたかった。
彼が運転中、自然と、どちらからともなく、指を絡めていた。温かい手。包まれるように、彼は握り返してくれた。
赤信号で、そっとこの日初めてのキス。私ははにかんで、彼は苦笑した。
「今日のピアスも、綺麗だね・・・」「ありがとう・・・」そっと、耳に触れる彼の指先。感じてしまった・・・
夕陽を見に、少し遠回りした。民家もない農道に止め、彼と手を繋いで歩いた。夕陽が綺麗に落ちていく。立ち止まり、見た。私の背後に彼は回り込む。背後から、私をぎゅっ~と抱きしめてくれる。
肩に顔を乗せ、私の耳元で囁く。「いつまでもこうしていたいね・・・」「うん・・・していたい・・・」私の髪の香りを、彼は吸い込む。「いい香りだね・・・」すごく、一人の「女」として満たされている時間。
彼の手は、私のくびれた越しまわりを撫でる。腰から降りていき、ゆっくりとスカート上から臀部、お尻へと掌が撫でる。下着のラインを見つけ、指先がそのラインを繰り返しなぞる。「もう・・・エッチ・・・」彼はフフフと笑う。
そのラインを下半身に沿って這わせる。スカート越しだけど・・・確実に感じている・・・その部分に彼の指先が来て、腰を引いた。お尻で、彼の固くなっているものがわかった。「あ、建・・・当たっているよ・・・」「美奈子のせいだからね・・・」
「私のせいなの?・・・」「美奈子のせい・・・」私のせいね、やっぱり・・・
スカートの裾から、彼は指先で内腿を撫でる。そっと、微妙に触れるか触れないくらいに・・・じらされている・・・腰をくねる私・・・
「それ以上だめ・・・」「どうして?・・・」「だって・・・」「言ってごらんよ・・・」「意地悪・・・」建の指先は、その部まで這い上がってきた。「あっ・・・だめ」その手を私は優しくつかむ。でも・・・指先だけは、その部分を撫でる・・・
「建・・・もう・・・」「濡れてきた?・・・」「いやだあ~・・・」もう濡れているのがはっきりとわかっていた・・・
「行こうか・・・」「うん・・・」彼と、手を繋いで、車まで歩いた。
ホテルの部屋、いつものように、先に彼を脱がしてあげる。パンツを下ろすと、硬直したものが私の目の前に・・・直視できない・・・
彼の手で、私も脱がされていく・・・ブラウスのボタンを外され、脱がされる。彼は、スカートよりも先にストッキングを脱がす。なんて優しく脱がされるんだろう・・・
スカートを脱がされると下着だけ。ブラのホックを外される。感じてしまう・・・そして・・・最後の一枚を・・・彼は背後からゆっくりと優しく下ろしていく・・・足元から抜かれる。この瞬間が、私は好き。最後の一枚を脱がされる・・・彼の前で女になる。
ピアスを外し、二人でシャワーを浴びる。彼のものも洗ってあげる。少し意地悪すると、もう噴火しそうになっている彼の顔が可愛くて大好き。彼も、私の部分を洗ってくれる。どちらかといえば薄いヘアの中のその部分を指先で、丁寧に・・・敏感な部分を撫でられると、彼にしがみについてしまう・・・もう私も体の芯が熱くなって我慢できそうにないくらいに・・・
この時、初めて彼に提案されたこと・・・後の約束指きり(汗)のひとつとなっていく・・・
ベッドの中、彼から充分過ぎるくらに愛された。時間をかけ、耳から足先まで、愛してくれた。私のすべてを知り尽くされるように、調べていくように・・・
脇に下を舐められるのは今でも恥ずかしい・・・でも・・・彼は愛してくれる・・・女の部分も時間をかけてくれる・・・
その恥ずかしさも、彼だけのもの。自然な裸の私を包んでくれる。
背後から・・・今日も私は崩れ落ちた・・・
髪を解かし、部屋を出る。彼と手を繋いで車まで戻る。廊下ですれ違うカップル。互いに、視線をそらす。
車で、次の約束をした。
いつもの路上、彼は車を止める。「帰りたくない・・・」私は本心を言った。彼は、ぎゅっ~っとしてくれた。うれしかった・・・
「帰したくない・・・」と彼。気持ちは一緒。窓の外は、そこには日常の空間。息が詰まった。
彼は、キーボルダーから、鍵を1本、私に手渡してくれた。「俺の部屋の合鍵・・・もし、飛び出してしまうことがあるなら、使ってほしい」彼を見詰め、私は泣いてしまった・・・
「ありがとう・・・」いつかは、彼の部屋で・・・約束指切りした。最初のお泊りは彼の部屋・・・喜んで、指切りした。彼の肩に頭を乗せ、泣いた。彼は抱きしめてくれた・・・
もうひとつ、彼からもらったもの・・・小さな黄色い巾着袋。「御守りだよ・・・」「ありがとう・・・」中身は?
「開けてもいい?」「帰ってから、見て・・・」
家路を一人歩く。いつもの建物。鍵を開け、部屋に入る。息子は、まだ帰っていなかった。しばらくして帰って来た。一緒に、遅い夕食を食べた。
お風呂に入り、お化粧を落とす。部屋に戻り、鞄から彼からの合鍵を手に取る。愛しかった・・・キーケースの中にしまった。彼の部屋と私の部屋の鍵が隣り合わせで・・・
そうだ・・・巾着袋の、あれ。鞄から取り出す。開けてもいいよ、と彼は言っていた。ドキドキした。
開けてみた・・・ええ?? これなの? これが御守り??
未使用のコンドームが一袋・・・笑えるような、そうでないような・・・複雑な気分・・・
彼にメールした。「ありがとう・・・素晴らしいものを・・・」すぐに、返信あり。「絶対に、使っちゃだめだよ・・・」使わないよ(汗)・・・もう・・・「使いません・・・」返信した。
どこにしまおうか・・・化粧ポーチの中に、しまった。私だけの密室空間だから・・・誰も開けない
その夜は、遅くまで、なぜだか寝付けなかった。
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