彼とのカラオケ以来、メールは毎日数回、電話もほぼ毎日あったが、中々二人で会えなかった。
平日の昼間は仕事だし、夜はお互いの家庭がある。
また、支店のトップが、いわゆるパワハラで、彼は平日も10時11時だし、土曜日も出勤している。
たまたま会えた前回も、土曜日だった。
だから、ひたすら電話とメールで、愛を暖めていたつもりだった。
私が怖れていたのは、彼が前回の行為を、気の迷いとして、片付けられることだった。
彼も悩んでいるはず、今止めたら、終われるが、これ以上私と逢うと、もう抜けられなくなると。まあこれは、私の勝手な推測なんだけど。
その時の私は、彼との関係を続けることだけ、考えていた。だから、逢いたかった。でも、まだ誘う勇気はなかったし、彼の家庭や仕事の実情から、簡単に逢えないのは、わかっていた。
ところが、旦那(ソフトウェア開発の仕事)の仕事で、時々泊まり込みの日があり、たまたま旦那が出張の日の夜10時前に、彼からメール。
彼からは、パワハラの話はきいていて、酷い目にあった、辞めたいなあとか、メールがあった。
私は、
『今、うちで独りだよ、電話出来るよ』とメール。彼から、すぐに電話がある。
『大丈夫なの?』
「う~大変だよ」
『そう、大変なんだね』
少し会話が途切れる。彼のことが心配になり、
『今から逢いに行こうか?奥さんが大丈夫なら、今から少し逢って話そうか?』
「ありがとう、12時過ぎに帰ればいいから、何処かで待ち合わせ出来る?」
『うん、化粧してないけど、いいよね』
「うん、コニタンに、直ぐにでも逢いたい」
この瞬間、彼には私が必要だと感じた。
私は寝間着のまま、彼のとの中間点(道の駅みたいな施設の駐車場)へ向かう。
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