カラオケルームは、薄暗かったし、ドアは廊下の通行人の顔の辺りに目隠しがあり、外から見えにくい構造だった。私には、嬉しい環境だった。
最初に私が歌い、彼にマイクを回しながら、何度も彼の手を触ることがあった。
また、ソファーが一つなので、初めて彼の横に座り、肩や腕でお互いの暖かさを感じていた。
そして、デュエットソングを入れた、
『お互いの顔を見ながら歌いましょうよ、ダメですか?』
「え、恥ずかしいなあ」
彼は照れながらも、私の為に、デュエットソングを歌ってくれた。
デュエットしていたので、丁度リクエストが途絶えた。
私は、結婚一年目の新妻であることを忘れていたし、彼も奥さんがいるのを忘れていたと思う。
私は、我慢出来なくなり、ソファーの隣にいる彼の肩に顔を埋めて、目を閉じる。
彼は一瞬身を固くした、しかし、私の予想を越えた行動を彼は行った。
「キスしていい?」
期待していたが、まさか今、言われるとは思ってなかったので、答えを用意していなったため、思わず顔を上げて彼を見た。
私は眼が悪く、人をじ~と見る癖があり、彼をじ~と見詰めてしまい、返事をする前に彼の顔が近付いてきた。
望んだことだが、心の準備が出来ていなく、返事をする前に、彼に唇を奪われた。
ファーストキスみたいに、ジーンと来て、彼の唇を私からも求めた。
「ありがとう、会った時から、憧れていたから」
『え、本当?知らなかったよ』
「カラオケに誘ってくれてありがとう、僕も誘いたかったけど、勇気がなかったから」
『うん、でも、キスしていい?の、返事の前にしちゃったね』
「ごめん、見詰められたからYESかと思ったから、それに我慢出来なかったから」
『私もしたかったから』
「じゃあ、小西さん、もう一回していい?」
『もう小西じゃないよ、でも下の名前は嫌だし、コニタンと言ってね』
「じゃあ、今からお互い、敬語なしね。僕にはアキくんと呼んでね」
『うん、アキくん、いっぱいキスして』
私達は、ひたすらキスを貪った、高校生に戻ったみたいに。
当時秋だったので、私は薄着だった。彼はキスをしながら、服の上から、私の胸を触った。
『う、あ』
こんな積極的とは思わなかったので、思わず、感じてしまった。
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