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駅に迎えに行く道中、妙な興奮と心配がごちゃ混ぜみたいな感じでした。
駅に着くと程なく妻が「ただいま~。迎えに来てくれてありがとね」と車に乗りました。
帰ってきた妻はそれほど酔ってなさそうに見えました。
私は何をどう聞こうか悩みましたが、平静を装って「お帰り。楽しかった?」と声をかけました。
「楽しかった?んー、まぁ楽しかった。面白い話も聞いたし」とまぁまぁ上機嫌で答えてきました。
「そっか良かったね。」と言うのが精一杯です。
「うん!」と妻はにこやかに答えます。
ただ、家に着く前に色々聞きたいと思っていたのでどんどん質問していく事にしました。
「どんな感じの人だった?」
「まぁ見た目悪くないかなー。」
「そう」
「うん。思ってたより身長なかったけど(笑)」
「へー、それで結局飲み屋だけだったの?」
「ほぼ飲み屋だよ。あとピザ食べに行った」
「ピザ?」
「うん」
「別の店?」
「うん、飲み屋から駅までの間にあった」
「そうなんだ」
「うん、ちょっと食べ過ぎだよ」
私はハハハと力なく笑ってから本題に切り込みました。
「ホテルとか誘われなかった?」
「うん、気配なし」
この一言を信じるかどうかは別として、私はホッとしたような少し残念なような気がしました。
「そうなのか。綺麗だねーとか言われた?」
「ううん、言われない。さすがに歳だしね(笑)」
「あー、まぁ確かに(笑)相手の人は年下だっけ?」
「うん、2つ下だったかな??ねぇ、あなたは綺麗とか言うの?」
「うーん、人によるかなー綺麗な人なら」
「マジか」
「うん」
私はこの時に妻は相手の人の好みではなかったのかなーと考えはじめてました。
妻は見た目はまだ30代でも十分いけるし、容姿もそれほど悪くないと思っていたので何かしら誉められると思っていたので少し残念というかがっかりしました。
「あ、でも気に入られたと思うよ?多分だけど」と少し嬉しそうに言いました。
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