俺は先ずHとまた来週会うことになった書かれたきり書かれなくなった日記の続きを調べる事にした。目をつけたのは衣装ケースに全部で5台あったガラケーだ。
ガラケーは当然、全て電源が落ちていた。ガラケーの充電器など今持っているはずも無く俺はネットオークションで充電器を漁った。
幸い時間はかかったがガラケーは全て電源が入った。しかしパスワードが分からない。
電源が入るもののメールが見られない。俺は思いつく限り妻の誕生日や、妻の昔の写真から知り得た彼女の愛車のナンバープレートの番号など片っ端から入れてみたが残念ながら該当しなかった。
諦めかけたがもしかしてと入れた0000が該当した。メールが見られるようになった。
妻のメールのお気に入り相手の登録はどれも10箇所程だったが俺の目を引いたのは、はとぷーの登録名の相手先だ。通話の履歴にも、はとぷーは何度も出てくる。
1番新しい携帯。妻がガラケーからスマホに変えたのはいつだっただろうか。俺は1番新しい携帯のはとぷーのホルダーを開いた。答えはそこにあった。
はとぷーとのガラケー最後のやりとりは、2013年5月だった。俺は妻とはとぷーのやりとりを見て行く。
最初の妻のメールの文面に俺は動悸が早くなるのを感じた。
昨日はあのままホテルで、はとぷーの腕の中で眠りたかった。今度はいつ会えるかな。最近遅く帰ると旦那が洗濯もの畳んでおいたとか恩着せがましく言ってくる。本当に嫌味なオトコ。
俺は愕然とした。その先は目に入る文章が俺の心を激しく削っていくようだった。
はとぷーの電話番号を確認し、俺は自分のスマホを非通知設定にして、その番号にダイヤルした。
はい。羽鳥です。
俺は即座に電話を切った。視界が歪む。
立っていられない程に俺は動揺し、強い怒りが湧きあがった。羽鳥と妻は今も続いているのだろうか。
続いてなければ、わざわざ羽鳥の店には行かないであろう。
10年以上、結婚前から俺は羽鳥と妻に裏切られていた。2人で何も気が付かず、のこのこと羽鳥の店で呑む俺を、何も知らずに羽鳥さん羽鳥さんと話している俺を馬鹿にしていたのだ。
俺は羽鳥と妻に復讐を誓った。
俺のこの10年を取り返してやる。俺はその日に計画を考え始めた。
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