私は30日に休みをもらいました。そしてレンタカーを
借りて、二人の待ち合わせの大型量販店の駐車場で
待機しました。彼の車に乗り込む妻を見つけました。
それから尾行を開始しました。彼の自動車は
どんどん郊外に向けて走っていました。前回の
映画館に行くのだと思いました。約1時間ほど
走って、大型のシネマ劇場の駐車場に車は入って
行きました。二人は人目を警戒しているのか、妻が先に
映画館に入り彼は少し遅れて入っていきました。
私はネットで上映時間を調べ映画の終了時間を確認しました。
コンビニで軽く食事を済ませ、ゲームセンターで時間を
つぶしました。それから上映が終わるころに、
駐車場で待機していました。12時過ぎに今度は彼が最初に
出てきて、後から妻が車に乗り込みました。車はすぐに動き
だしました。平日なので映画館の駐車場に車は少なく
遠く離れた場所で待機していました。それから
車は走り出し、近くのファミレスの駐車場に入って
行きました。それから1時間足らずで二人は出てきました。
車は再び走り出しました。私は気づかれないように
車間距離を置いて、でも絶対に見逃さないように
注意しながら尾行しました。すると眼前に大型の
パチンコ店が現れその駐車場に入っていったのです。
私はその時思い出しました。以前テレビで
パチンコ店の中を映していた時に、一度も行った
ことがない妻が行ってみたいと話していました。
彼は、妻の希望をなんでも叶えてくれる、妻に
とっては有りがたい存在なのだと思いました。
それに比べ、私は、妻の機嫌を取ることもせず、
妻からすれば、釣った魚にエサはやらない的な
夫なのでしょう。そういえば、去年は妻の誕生日
さえ忘れていたのです。パチンコ店の見える
空き地に車を止めて、私はこれまでの自分を
反省していました。でも、なかなか彼の車は
出てきませんでした。ビギナーズラックで
もしかしたら妻の台がフィーバーしたのかと
思いました。でもさすがに1時間半ほどたって
私は駐車場に車を入れました。立体駐車場を
なんど回っても彼の車は見つかりませんでした。
そして、別の出口があることに気づいたんです。
万事きゅーすでした。パチンコ店に入ったのは
午後2時すこし前ごろでした。しばらく近辺を
走り回りましたが、彼の車は発見できませんでした。
もう戻るしかありませんでした。いつも会社から帰る
夜8時ごろ自宅に戻りました。すると妻は晩御飯を
作って待っていてくれました。私は妻を観察して
何か変化がないか探しましたが、大きな変化は
ありませんでした。その日の夜、妻が寝室に
入った後で、何度もメールを確認しましたが
彼から妻へのメールはありませんでした。
もう寝ようと思い、寝室に入るとまた妻の鞄に
目が留まりました。妻のカバンをそっと隣の
部屋に持ち込み、中を確認しました。すると、
出てきました。妻を見失ったパチンコ店から
5キロほど離れた場所にある、水族館のチケットの
半券でした。パチンコ店と水族館で1時間づつ
過ごしたとして、妻は5時から６時頃には自宅に着いた
はずです。それから晩御飯を作って待っていたのだ。
私は良いほうに解釈しました。少し安心しました。
その日も何もなかったと思いました。それから
やっと眠りにつきました。翌日の5月1日も私は
仕事で、妻は休みでした。私はいつものように
仕事に出かけました。翌日からゴールデンウィーク
なので、なんとなく気分のいい職場でした。
そんな職場のお昼休みに、彼から妻へのメールを
チェックした時でした。メールが入っていました。
そのメールで気分は一変しました。
彼から妻へ
ごめん10分ほど遅れる。
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